泣きに悩む

【3か月の娘が泣いて泣いて】

〈相談者より〉

 助けて欲しいです。3ヶ月の娘の母親です。

 生まれたときからよく泣く子でした。病院の助産師さんからも「よく泣く子だよ」と言われていました。2ヶ月前半まで毎日寝るのは2~3時。それまで泣いて泣いて・・・という日々でした。

 それがやっと最近なくなり、日中の大泣きも少しずつ落ち着いてきたかと思っていたのですが、数日前からまた日中の大泣きが始まりました。

 もう泣き始めたら息がつまり、オッパイも飲めないくらいになります。真っ赤な顔でのけ反り足をばたつかせます。もうこうなったら、どうにもなりません。

 今回は『子どもが「泣く理由」がわかる本』を見てメールしました。

 ホームページの中に、「目が合わない、よく泣く、抱っこしてないと眠らない、抱くとのけぞってしまう」という相談の実例がありましたが、まさにうちも同じです。しかも興奮すると手をグーにしたまま思いっきり口にいれ、顔を振りながら押し込むような感じになります。

 今日も物凄い大泣きになり、時間も少し泣き止みながらも2時間。私も途中で泣き、そのうちイライラし始めこのままでは子供に何かしてしまいそうで怖い気持ちで一杯です。

 思いつくまま書いてしまい、ばらばらの文章かと思いますが、私の住んでいる近くに相談できる方がいたら是非紹介してください。抱っこ法の本も注文しましたが、それを読んでから・・・と思っていましたが、もうそれまで待てる自信がありません。どうかお願いします。


〈返信〉

 返事が遅れてごめんなさい。
 『子どもが「泣く理由」がわかる本』を読んでメールをくださったのですね。何か少しでもお役に立ったのならうれしいですが、そうもいかなかったのでしょうね。メールからはお母さんの悲鳴が聞こえてきましたもの。

 ほんとにほんとに大変な毎日なんですね。生まれてからよく泣く赤ちゃん、毎日寝るのが2~3時、それまで泣いて泣いての日々を、よく過ごしてこられましたね。どんなにかつらい日々だったことでしょう。お母さん自身も、出産からまだ体が快復してない時期ですから、どんなにかお疲れだったことでしょう。

 それが少し落ち着いたと思ったら、また大泣きなんですね。泣くと息がつまるようで、オッパイも飲めなくなるのでは、どうしてあげたらいいのか困ってしまいますね。

 なんでそんなに泣く必要があるのでしょうね。お母さんは充分にやってあげていらっしゃるのですから、何かがやり足りないわけではないですよね。赤ちゃんなりに泣く理由があるのでしょうけれど、言ってくれるわけでないからわからないですよね。理由はわからないけど、泣きたい気持ちはあるのでしょうから、今までなさってきたように、抱っこしてあげているのが一番なんだとは思います。

 でもお母さんが疲れ切って、どうにもできなくなっては大変です。誰か少しの時間でも代わってもらえる人はいないのですか? 誰でも助けてもらえる人は総動員して、お母さんが少しでも楽になるようにできるといいですね。

 赤ちゃんは泣きたいだけ泣いているので、それだけで楽になっているのですが、受け止めるお母さんは容易ではないですね。まずはお母さんをよしよしして、「こんなに大変なのによくやっているね」と労いたい気持ちです。

 援助者が近くにいれば、お母さんを支えることはできると思いますが、あいにくと近くにはいないのです。△△市まで行けばいるのですが、かなり遠いですよね。連絡先を書いておきますから、行ってみようと思われたら電話をしてみてください。

 援助者のところまで行けないなら、保健所や巡回保健師さんに相談してみるのはどうでしょう。お母さんが話を聞いてもらうだけでも違うかもしれません。

 メールではたいしたことできませんが、よかったらまたメールもどうぞ。
 応援しています。


〈相談者より〉

 ご丁寧なメールありがとうございます。とっても嬉しく、涙が出ました。

 実は昨日、注文していた「抱っこ法」の本が来ました。待ちに待っていましたので、一晩ですべて読みました。もう先へ先へ・・・という感じで読んだので、すべて理解したわけではありませんが、早速実践したことがあります。

 それは大泣きしたときに、
「泣いていいよ、お母さんもう元気だから」
「愛してるよ!大好きよ!大事なの!宝物なの!」
と声に出して言うことです。

 今晩も3回目の物凄い大泣きがやってきました。体もとても軽く感じられ、一瞬「どうしよう?」と思いましたが、主人も留守でしたし、私がしっかりしなければいけない状況でした。30分ほど泣いたところで、「愛してるよ!大好きよ!大事なの!宝物なの!」と言いました。すごい大きな声で泣いていたので「聞こえるかな?」と思いましたが、なんと泣き止みました。とても偶然とは思えない泣き止み方でした。赤ちゃんでも本当に言葉がわかるんだ!と思った瞬間でした。

 まだしばらくは足をばたつかせ、手で私をドンドン叩きながら泣く日が続くと思いますが、少しだけ光が見えたような気がします。ですが、他に気になる点もいくつかあるので、主人と相談して、紹介していただいた援助者に連絡をとってみたいと思います。

 今回この2冊の本に出会えて本当に良かったです。でなければ、子からのSOSに気づくことなく時間が過ぎていたと思います。本当に感謝いたします。ありがとうございます。

 実家の母や主人には私がこんなに育児悩んでいることをまだ言っていません。昔から母の前では「優等生でいなければ」という環境でしたので、未だに誰の前でも自分の弱い部分を見せることに抵抗を感じます。でも主人にまずは話しをしてみようと思います。これから長い時間、一緒に子育てをしていくパートナーですものね。

 このように貴重なきっかけを作ってくださってありがとうございます。またどうしても行き詰ったときにはメールをさせていただくかもしれません。その時はよろしくお願いします。

 本当にお盆の期間中にも関わらずありがとうございました。


〈返信〉

 少し光が見えたとのことよかったです。本がお役に立ってうれしいです。

 「泣いていいよ、お母さんもう元気だから」「愛しているよ!大好きよ!大事なの!宝物なの!」と声に出して言ったら、泣き止んだなんてびっくりびっくり。言葉が届いたのもよかったけど、お母さんの肝が据わったのが何よりだったのかな。いつもこうはいかないかもしれないけど、こんな体験ができたことは心強いですよね。

 お母さんはひとりで頑張ってしまう人なんですね。赤ちゃんはそんなお母さんを心配もしていたのかな。ぜひご主人と苦労を分け合って、甘えてくださいね。

 援助者のところに行ってみよう思われているのですね。お役に立てたらうれしいな。

 またようすを知らせてくださいね。
 これからも応援しています。

【あっちに行ってほしいの?】

 Cちゃんは7か月すぎて、少しずつ身のこなしが自由になってきました。寝ころんだ姿勢から起きあがってお座りし、腹ばいになり、またお座りしてと楽しんでいます。2か月前に相談室に初めてきた頃は、硬い表情で、動きも軽やかではなかったのですが、たんに成長したというだけでなく、体の動きを楽しんでいるという感じになりました。お母さんにもだいぶ甘えられるようになって、絆がしっかりしてきたからでしょうね。お母さんもかわいさが増して、いい循環になってきています。

 その日のCちゃんもずいぶんお母さんを意識して、お母さんの周りで動きを楽しんでいるようで、気持ちも穏やかなように見えたのですが、よくよく見ていると、ふっと甘えを我慢しているのがわかりました。そのたびに援助者が「お母さ~ん」と代わりに呼んで、お母さんに甘えるように促して、お母さんに抱き留めてもらうようにしました。こんなかすかな振る舞いでは、普段お母さんは気づかずに過ごしてしまうだろうなあと思いました。

 Cちゃんはよく泣くということで相談に見えたのですが、最近ではずっと泣いているということはなくなり、必要なときだけになりました。甘え泣きが上手になって、ちょうどいい加減になってきています。それでもまだ泣かれると辛くなってしまうお母さんの気持ちがあるので、受け止めきれなくなるときがあるようです。そんなお母さんの気持ちは、お母さんもまたそうして育てられてきたわけで、無理もないことなんです。でもCちゃんはそんなお母さんを気遣って、お母さんが大変そうだとたちまち一人で頑張ってしまって、「お母さ~ん」と甘えられないなくなるようです。泣いて甘えないだけでなく、甘えたいときに母さんに手を差し出したりする接近行動も控えてしまうようです。それが続くとさみしくなるので、また泣くことが多くなってしまうのかもしれません。

 お母さんに抱かれて満足して、また周りで遊んでとやっているうちに、少し泣きたい気持ちが出てきたみたいで、ほんとはお母さんに甘えたいところなに、泣かれるとつらくなるお母さんを気遣って、援助者の膝によじ登ってきたCちゃんです。そこで援助者がよしよしすると、かわいくえ~んと泣いて、その後でお母さんに手を出して抱かれていきました。そんなやりとりを3回して、お母さんにずいぶんぴったり抱かれるようになりました。

 そこへ、阿部先生が「どうですか」と声をかけに来ました。するとCちゃん、お母さんからすぐに離れて、阿部先生の方に来ようとする気配になりました。するとお母さん、さっさと離してしまいそうになりました。阿部先生がせっかく来てくれたのだから、Cちゃんを抱いてもらわなくてはと思ったのかもしれません。Cちゃんも本当はお母さんがいいのに、「お母さんは、阿部先生の方に行ってほしいんでしょ?」と気遣って、お母さんに言われる前に離れようとするのです。気遣いの二人のようでした。

 「お母さんがいい」と言えないCちゃんと、「お母さんのところにいてよ」と言えないお母さんの、気遣い同士のボタンがしっかりはまってしまうのがわかりました。気遣いは優しさからだけど、さみしさを残してしまうのではなんにもならないよ。阿部先生がおいでと言っても、Cちゃんは「行かない」と言っていいし、お母さんは「行かせない」と言っていいんだよ。自分の本当の気持ちを大切にしてね。

【3か月の子が母だと泣く】

〈相談者より〉

 こんにちは。初めてメールさせて頂きます。友人から「抱っこ法」の話を聞き、またHPも見せて頂き、本も購入して少しだけ勉強させて頂きました。でも、どうしていいのか分からず悩んでいます。3ヶ月と15日になる息子のことで相談させて頂きたいのですが、よろしくお願い致します。

 まず、わたしに対して笑顔がないのです。主人やおじいちゃんおばあちゃん、近所の人、初めて会った人、いろんな人に笑顔を見せてご機嫌な声を出すのですが、わたしにはよっぽどご機嫌でないと見せてくれません。抱っこをしてもなかなか泣き止んでくれませんし、顔もそっぽ向けて、まるでわたしを避けるような仕草です。主人が抱いてご機嫌なときに私が抱っこを代わると大泣きします。その逆もです。私が抱いていて大泣きしてるのを主人に代わると泣き止んでご機嫌になります。主人だけでなく、おじいちゃんでもおばあちゃんでもです。可愛くって可愛くって仕方ないのに心が通い合っていないような感じ、とても悲しいです。主人や母親に相談しても取り合ってもらえません。
「そんなことない」
「思い過ごしだ」と・・・。
わたしが何回も主人に訴えると主人は、
「そんなことこの子に聞いてみないと分からないことなんだから、考えたって答えは出てこない」
って言いました。この子に聞けないから困っているのに・・・。しまいには、
「この人(主人)、自分には懐いているからあたしに対して優越感を感じて、こんなこと言うのかなぁ」とひねくれた事を思ってしまいます。

 そちらから購入した本も読みましたが、漠然と「抱っこ法」とはどういうことかと大きなテーマのようなものは分かりましたが、じゃあ、わたしはどうしたらよいの?と考え込んでしまいます。

 近くに相談にのって頂ける方はいらっしゃらないでしょうか? よろしくお願い致します。


〈返事〉

 本やホームページを読んでくださったとのことうれしいです。でも実際にはうまくいかないのですね。

 3ヶ月の赤ちゃんが、お母さんには笑顔を見せないし、お母さんの抱っこで泣くのですね。それでは嫌われていると思ったり、なついてくれていないと感じたり、私ではダメなんだと自分を責めたり、悲しいし寂しい気持ちだったでしょうね。

 でもね、書かれているお子さんのようすは、お母さんが大好きで、お母さんを一番信頼して、お母さんに甘えているからなんですよ。本やホームページから、その部分は読み取っていただけなかったようですね。

 お母さんが何かイライラしていたとして、でも隣の奥さんにはにこやかに挨拶するでしょ。そして気の許せる夫にはぶすっとした顔見せたりしますよね。一番頼りにしているからこそ、大事な人だからこそ、気を許してイライラをぶつけたりしますよね。例えて言えばそんな違いです。お母さんによそいきの顔や態度でいたら、それこそ寂しいものですよ。お母さんだからこそ弱いところも全部見せているのですよ。お母さんの合格証書をもらったようなものですね。

 でも、何かお母さんに伝えたい気持ちもあるのでしょうね。どんな気持ちを伝えたいのか、分からなければ、泣いているままをよしよしとしていればいいのですよ。泣いて甘えてくれているんだね、泣いてお話ししてくれているんだね、よしよしとね。それでお子さんは安心して気持ちよく泣いて、安心感を育むことでしょう。

 それでも心配が募るようでしたら、○○市に援助者がいますから、援助してもらったらどうでしょう。連絡先をお知らせしておきますね。電話をする際には、癒しの子育てネットワークの阿部から紹介されたと伝えてください。応援しています。


〈相談者より〉

 メールありがとうございました。読ませて頂きちょっと分かったような気がします。私がイライラしている時近所の奥さんにはニッコリ出来ても、主人には不機嫌な顔をするという例えで少し気持ちが軽くなりました。

 阿部先生のホームページを拝見し、ご本を読ませて頂き、最近少しですが息子の様子が変わって来ました。息子がと言うより私の気持ちが変わったのかもしれませんが。

 今まで眠たくなると仰け反って顔を真っ赤にして、1時間近く大泣きしないと寝てくれませんでした。そんな時、「抱っこ法」に出会う前は、どうして?どうしたら泣き止んでくれるの? 時には、もう分からない!と投げ出したくなることもありました。でも阿部先生のご本を読んでからは、
「大丈夫だよ、泣いていいんだよ。いっぱい泣いたら寝れるからね。ねんねするまでお母さんが抱っこしてるからね」
って笑顔で言いました。そう言ってみると不思議と、今までの私のイライラもすーっと消えるような気がしました。そしたら初めてメールさせて頂いた直後くらいから、その泣き方に変化が出てきました。

 今までは必死に泣いてる感じだったのですが、最近は声は一段と大きくなったものの、必死さがなくなったと言うか、イライラした感じがなくなったと言うか・・・。そして少しの間大泣きしたら、私の顔を見ながらクルっと丸くなって、しがみつくような感じで寝てくれるようになりました。本当に感動しました。

 先生のおっしゃっていることを私は正しく理解できているか自信がありませんが、何か一歩進めたような気がします。ありがとうございました。

 そして昨日もまた驚くことがありました。息子のお披露目のホームパーティーが主人の上司の家でありました。総勢20人程の大変にぎやかなものでした。息子はいろんな人に抱かれ、泣きはしなかったものの不機嫌な顔でした。途中でみんなから抜け出して別の部屋で、
「ごめんね、びっくりしたね。もう誰も居ないから我慢しなくっても嫌だったら泣いてもいいよ」
って言ってみました。そしたら、今までの不機嫌な顔とは打って変わって、満面の笑みを見せてくれました。それに答えて笑顔を返すと声を出して笑ってくれました。その後も暫く手足をバタバタさせながらご機嫌でした。

 こんな感じでいいのでしょうか? 少しは「抱っこ法」を理解できていますでしょうか? 阿部先生の教えに出会えて本当に良かったと思います。これからもいろいろあると思いますが、このことを忘れず頑張って育てていきたいと思います。自分自身も変われた気がします。ありがとうございました。

 それからご紹介頂きました○○市の援助者さんですが、近く開かれる集いに参加させて頂くことになりました。「抱っこ法」についてもっとお勉強したいと思います。そして、もっと息子の気持ちを分かりたいと思います。

 悩んでいたことに光が見えてきた嬉しさに思わず長々と書いてしまい、すみません。本当に感謝しております。ありがとうございました。

【3か月赤ちゃんに電話で話して】

 生後三ヶ月の赤ちゃんが、激しく泣いて血管が切れそうで!と、心配したママからの電話がありました。電話口からは赤ちゃんが激しく泣き続ける声が聞こえてきました。

 急遽次の日に相談の予約はしたけれど、それまで「どうしよう」とママはせっぱ詰まった様子でした。そこでとっさに思いつき、赤ちゃんの名前を聞いて、赤ちゃんの耳にに受話器を当ててもらって、「RちゃんRちゃん、いっぱいお話あるね。可愛いRちゃんが泣くと、ママが困ってしまうから、明日行くまでお話待っててね。必ずママの応援に行くからね」と話していると、泣き声が変わり静かになりました。ママが、「聞いてるみたい?」「分かるんですか?」と。

 次の日お会いすると、笑顔で迎えてくれました。出産のこと、ママとおばあちゃんのオッパイとミルクの考え方等々、ママは一人で悩んでしまい、忙しいパパにも聴いてもらえないまま、困っていました。

 もう一度お会いした時は、パパも一緒にお話ができ、安心した様子でしたが、私が「帰るからね」と伝えると、可愛らしく泣き出しました。するとママが「淋しくなったのね」と言ってから、すかさず、「だいじょうぶよ、ママがいるから」と自信に満ちたママの言葉がありました。「またいつでも連絡してね」と言ったものの、もう大丈夫かなと思えたのでした。

【キーキー苦しそう】

 4ヶ月になるDちゃん。お食い初めを実家でおおぜい集まって祝ってもらって、自宅に帰ってきてからキーキー声を出すようになりました。泣くときもキーキー、泣かないときもキーキーで、なんだか苦しそうでと相談に来られました。

 キーキーは多いときと少ない日があるが、外出したり人がおおぜいの中にいたりするときが多いという気がするとお母さん。キーキーが多くなる日の夜は、寝つきも悪くなり、夜何回も目が覚め、時には朝まで眠れなかったりもするといいます。Dちゃんは出かけたその場面ではニコニコといい子にしていて、愛想を振りまいてくるのだそうです。どこにも行かないでいた方がいいのかもしれないけど、どうしても行かなければならない時もあるし、お友だちと会って話したいしと、お母さんは困っておいででした。

 それは甘え下手さんになっているのだから、泣いて甘えるのが上手になれば大丈夫、と始まった相談。Dちゃんは外で頑張っている分、自宅では我慢が外れていいことなんだけど、今はキーキーで表現しているんだよね。キーキーと甘えているんだよね。もっと甘え上手になって、え~んえ~んと泣いて甘えられるようになると、キーキー甘えはしなくてすむようになるからね。

 そこでその日は、お母さんの抱っこで、1分間Dちゃんの泣きに寄り添って、そして縦抱きで落ち着けて、を何回か繰り返して、甘え泣きも見られるようになりました。おむつ替えでもイヤイヤして泣きながらできて、最後にはお母さんの懐にしっくり落ち着きました。そのしっくり抱かれた感じがお母さんにもわかって、こんなふうには今までならなかったとおっしゃいます。泣いて甘えると、身も心も任せて、身も心も甘え上手になるのですよね。

 2週間後の2回目に来られた時には、キーキー甘えが減って、夜もずいぶん眠れるようになっていました。でもまだお母さんが泣かれるととっさに「泣かないで~」になってしまうので、続けて来ていただいて、お母さんの甘えさせ上手をお手伝いすることになりました。泣くとつらいお母さんを気づかって、キーキー甘えになっていたんだものね。安心してえ~んえ~ん甘えできるようになろうね。大好き伝わるえ~んえ~ん甘えね。

【パパとのお風呂で泣く】

〈相談者より〉

 初めまして。10日ほど前に4ヶ月を迎えた息子を持つ母親です。結婚して10年目に授かった息子で、毎日育児で大変ですが、夫婦で協力しながら頑張っています。

 実は1週間ほど前から、息子がパパとのお風呂を嫌がるようになりました。最初は頭を洗うようになると泣き始めていたのが、今ではお風呂に浸かるだけでも大泣き。そんな日が三日も続いてしまったので、今度は私が一緒に入ると全然泣くことはありません。なぜか主人が世話をすると泣いてしまうのです。

 先生の本を読んで、色々と思い当たることを話しかけてはいるのですが、どうも「これ」という解決策が見つかりません。主人もかなり自信喪失しているようで、私としてもどうしていいかわかりません。

 こんな内容なのですが、一度相談にお伺いした方がいいのでしょうか。よろしくお願い致します。


〈返事〉

 結婚10年目に授かったお子さんでは、ほんとにうれしくてかわいいことでしょう。メールからしあわせが届きました。

 パパも育児に参加されているようで、いいですね。でも最近、パパとお風呂に入ると大泣きなんですね。パパと入ったときになにかちょっとしたことがあったのでしょうか? 石けんが目に入って痛かったとか、お風呂がちょっと熱かったとか、水がかかってびっくりしたとか、などね。あるいはお風呂とは関係なく、なにかきっかけがあったのかなあ。

 何かあったとしても、赤ちゃんがそうして泣いてくれることで自己治癒しているのですから、おおらかによしよしの気持ちでいるといいと思います。

 あるいはお風呂とは関係なく泣きたい気持ちがあって、パパに泣いて甘ているのかもしれません。赤ちゃんだって。赤ちゃんだからこそ、些細なことでストレスを感じることがありますから、そのストレスを発散して泣いて癒そうとしているのかもしれません。ママは大変そうだから、パパに聞いてもらっているのかもね。

 癒しの子育てでお付き合いしていると、泣きたい気持ちを我慢してしまうことの方が、親子の気持ちがすれ違ったり、絆が揺らいだりになりやすいのを感じますから、そうして泣いてお話ししてくれるのはとってもいいと思います。「よしよし」「そうかそうか」と話し相手になってあげてください。

 もしそんなやりとりがわかりにくいようでしたら、相談室においでになってみてください。いらっしゃるときには予約が必要なので、電話をください。

 また、『子どもの「泣く理由」がわかる本-泣く力・甘える力を伸ばせば、必ずしあわせに育つ』か『「ニコニコ抱っこ」のすすめ』を読んでいただくといいかもしれません。

 応援しています。


〈相談者から〉

 お返事大変にありがとうございました。読ませて頂き、私たち夫婦にとって目からうろこの内容でした。

 泣かれること=嫌われていると思っていた主人はほっとしたのか、昨日の夜から一緒にお風呂に入るようになりました。息子も泣くよりむしろご機嫌な様子で、ときどき「きゃっ、きゃっ」言いながら親子のお風呂を楽しんでいました(^^)。アドバイスがなければ、主人もしばらく落ち込んでいたと思います。本当に丁寧なアドバイスをありがとうございました。

 これからも「抱っこ法」を参考に、楽しい子育てをしていきたいと思います。ご紹介のありました本も早速読ませて頂きます。また何かありましたら相談させて下さい。

 本当に本当にありがとうございました。

【突っ張り赤ちゃん】

 目が合わない、よく泣く、抱っこしてないと眠らない、抱くとのけぞってしまう、という心配から、それぞれ4か月、5か月、9か月の赤ちゃんを連れたお母さんが、最近立て続けに相談に見えました。

 気がかりは同じでしたが、それまでの状況や、生育歴や、家庭環境はいろいろでした。でも、3人とも共通したところがありました。それは泣き下手なところです。お腹の中にいた時のことや、出産時のことなど、この世に生を受けてからの体験に泣きたいわけがあるようでした。慰められてすっきりしたらいいのですが、あれこれ慰めるまえに、まずはもう少し泣き上手にならないと始まらないという感じでした。泣き下手さんは落ち着くのも下手なんですよね。だからお母さんが自力で癒しの抱っこをしたら、よけいに泣くようになってしまって困ったという赤ちゃんもいました。泣きだそうとすると、あるいはちょっと激しく泣くと、息が詰まるように泣き方になってしまう赤ちゃんもいました。

 泣き下手になってきたきっかけや経過はそれぞれでしたが、泣き上手になってもらう道は同じです。まずはお母さんに、泣くことはいいことなんだと分かっていただく説明をしました。それでほっとして、赤ちゃんが泣いても「よしよし」が出来るようにちょっとなりました。でもどの赤ちゃんも、お母さんにいつものように縦抱っこしてもらって泣いているのをみていると、お母さんの胸を小さな手で押しやるようにするのです。つまり突っ張って泣いているのです。「お母さ~ん」と甘えて泣けないのです。

 この突っ張りが、お母さんがよしよしするのを出来なくしています。「抱っこが嫌なのね」「母さんの抱っこは嫌なのね」「そんなに母さんは嫌なことした?なんなのよ!」の気持ちになってしまうようです。そうではなくて、今は泣くのも甘えるのも下手だから突っ張ってしまうのです。抱っこが嫌なわけではなくて、ましてやお母さんの抱っこが嫌なのではなくて、今はそういう甘え方しかできなくなっているのです。だからそこで突っ張りをそっととってあげて、お母さんにべったりくっつくように、繰り返しし手伝ってあげると、段々に甘えて泣くようになりました。そうなるとお母さんは楽によしよしが出来るのですよね。

 でも、泣き下手は落ち着くのも下手ですから、ほんのちょっと1分くらい泣いてもらって、そしていつもの泣きやみやすい姿勢になってもらって落ち着かせて、を何回か繰り返しました。息が詰まるように泣き方になってしまう赤ちゃんの場合は、なおのこと慎重に事を運びます。お母さんにぴったり抱かれて、甘え泣きができるようになったところで終わりにしました。

 どの赤ちゃんも2回目においでになった時には突っ張りが減って、お母さんもよしよしがしやすくなっていました。でもまだ横抱っこはこれからです。まずは泣いて落ち着くサイクルを取り戻してきたところからと思っています。そしてあれこれの慰めはその後ですね。でもこうやって甘え泣きが出来るようになったら、あれこれの慰めはもういらない、ということも少なくないのですが。

【赤ちゃんの言い分】

 最近、3か月の赤ちゃんに続けて出会いました。どちらの赤ちゃんもすごく泣き、しかもだんだん激しく泣くようになって、おっぱいを飲ませても抱っこしても泣くので、お母さんが不安でたまらなくなり、相談室に来られました。

 一人目のYちゃん、すごく泣くと聞いていたけれど、相談室で抱っこからおろされたら、泣くどころかニコニコ笑いかけてくれました。お母さんが言うには、外に出ると機嫌がよくなって、家でお母さんといると泣いてばかりだということでした。それは、お母さんには心の中の全部を見せてくれることで、お母さんを信頼して頼りににしていることなんですよね。つまりお母さんには甘えられるのです。でもお母さんは逆にとっておいでで、お母さんがイヤだからと思われていたようです。それでは悲しくて寂しくて、お母さんとしての自信もなくなってしまうでしょう。その心のカラクリがわかったので、お母さんはちょっとほっとして、いよいよYちゃんの気持ちを聴くことになりました。

 下に寝ていたYちゃんを、お母さんが抱きあげて横抱っこにすると、Yちゃんはたちまち泣きだして、だんだんに激しい泣きになりました。「なぜ泣くの?どうしたの?」とお母さんはやはりすぐに不安になっておられました。お母さんが不安になっていると、赤ちゃんも不安になって、泣けてしまうけど泣いてはいけないとブレーキをかけつつ泣くので、喉を詰まらせる泣きになったり、悲鳴のような叫び泣きになったり、とても苦しい泣きになってしまいます。そうするとお母さんはますます不安になってと、悪循環になるのですよね。

 Yちゃんはそれほど苦しい泣きではなかったのですが、それでも初めはお母さんが不安そうだったので、一旦縦抱きにして、泣きを静めてもらいました。そして泣いて甘えていることはとていもいことで、先ずは泣くわけがわからなくても、甘えてくれているんだ、泣きたい気持ちがあるんだと、ただヨシヨシしてあげることが大切なことをお話ししました。すると、「ああ、泣いて甘えていたんですね。泣くことはいいことなんですね」と、お母さんはちょっとほっとされて、それからはずいぶんおおらかに泣きにつきあえていらっしゃいました。でもまだ3か月なので、1分くらい泣き声に耳を傾けては一休み、2分横抱っこしては縦抱っこで落ち着くという感じで、少しずつにしました。Yちゃんはだんだんに体がゆったりして、柔らかい泣きになって、穏やかな顔になりました。

 それでもなんだかまだこれで終わりという感じがしないで、何か今わかって欲しい気持ちがあるように感じました。それでお父さんのこととか、どんな毎日なのかなど雑談をしていたら、お母さんが思い出されたことがありました。Yちゃんが生まれる少し前に、Yちゃんといとこになるはずだった赤ちゃんが、生まれてこずに亡くなったということです。その話になったら、落ち着いていたYちゃんが、「そうそうそのこと」と言うようにぎゃっと泣きました。「悲しいね」と慰めと、悲しそうに泣いていました。お母さんはそのことについて涙ながらに話されて、Yちゃんはお母さんに話を譲ったかのように眠ってしまいました。Yちゃんにとっては、お腹の中のでの出来事だったのですが、お母さんや祖父母の気持ちを一緒に感じていたでしょうね。Yちゃんが生まれたときからすごく泣いていたのも、そんなわけもあったみたいでした。でもそのわけがわかったということよりも、悲しい気持ちで、母さんとそしてさらに祖父母と心が通じ合い、ひとつになって繋がった、そのことがよかったのですよね。

 二人目のZちゃんもよく泣いて、抱っこして揺すっていないとならないし、夜も何回か目が覚めてしまうということでした。特に、おっぱいを飲むときに泣いてしまって、おっぱいをおいしくするマッサージを受けたりしていましたが、改善されないとのことでした。でもそれらの気がかりが、夏に実家に帰省したときからということでした。

 Zちゃんの場合は、わけがあるようで、そして親子の間で気持ちがつかえているところも、泣いて甘えていいんだよというところではないようでした。先ずは、実家でのことを詳しくお聞きしてみました。どうやらおっぱいを巡って、実家のおばあちゃんにあれこれ言われたことが、お母さんの心に引っかかっているようでした。おばあちゃんは娘や孫かわいさで言ってくれるのですが、お母さんにしてみると、自分のやり方はいけないみたいに言われているように感じて、苦しくなってしまったようでした。Zちゃん自身が気持ちを抱えて苦しくなってか、お母さんの苦しさを感じてか、おっぱいを飲むときになると泣きたくなるようでした。

 話しの合間に、Zちゃんはぐずぐず言いだしたので、おっぱいを飲ませることになりました。なるほどお母さんが心配するように、飲み始めたかと思うと直に離してしまいぐずくず、そしてまた飲んでは離してぐずぐず、飲む時間がどんどん短くなっていって、もうぐずりの方が多くなっていきました。おっぱいを飲みたいのに飲めないという感じで苦しそうでした。やはりおっぱいにまつわる気持ちがあるように見受けられました。

 おっぱいを飲むのは後にして、泣きたい気持ちに少しつきあったらいいと思ったのですが、おっぱいを飲むことでイヤな気持ちを思い出すならかわいそうとおっしゃいます。かわいい我が子を慈しむやさしい気持ちがいたいほど伝わってきました。でもね、おっぱいを飲むことで思い出す気持ちは、おっぱいを飲まないときでも心の中にあるのですから、触れないでしまい込んでいるか、触れて涙で流してしまうかなんですよね。いつまでも胸の中にしまっておかないで、思い出すたびにちょっとずつ涙で流してしまえばえば、なくなっていくのですよね。

 お母さんはそこまで話すと、そういえばこの間は、もう泣いていていいよとちょっと開き直ってしまったら、その後はよく飲んでぐっすり眠ったと、ご自分の体験を思い出してくださり、納得されたようでした。そうしたらZちゃんはにこにこ顔になって、オックンオックンと会話に加わっていました。「そうなのよ、わかってくれた?」と言うかのようでした。

【赤ちゃんでいてね】

 Qちゃんは6か月。キーキー声やうなり声が気になるとということで相談にみえました。妊娠しにくくて、5年目にやっと授かった待望の赤ちゃんでした。

 相談室に来たQちゃんは、笑顔も多くふっくらとしていて、見たところでは気になる感じではありませんでした。お母さんに詳しいようすをお訊きすると、とても頑張りやさんでおりこうにしすぎる気がするといいます。めったに泣かないしぐずらないし、手がかからない赤ちゃんとのことでした。切迫早産で1か月入院して安静にしていたり、へその緒が首に3周巻き付いていて、そのためか胎内であまり動かなかった。そんなことが心に引っかかっているのなら慰めてあげたいということでした。

 そんな話しをしている間、お母さんの膝に抱かれていたQちゃんは穏やかにしていました。どうやらそれらのことは今日のテーマではないようです。

 次にお母さんの辛い気持ちを話されました。赤ちゃんが生まれるまではやさしかった姑が、生まれてからはがらっと変わってしまって、付き合うのが辛くなってしまったといいます。細かいこと一つ一つにうるさく言って、そんなやり方ではダメ、そんなんじゃQちゃんがかわいそう、ダメなお母さんねとQちゃんにも言うのだそうです。初めての子育てで、そうでなくても自信がないしわからないことだらけでやっているのに、それをいちいちけなされてしまうと、もうどうしていいかわからなくなってしまう。姑はわりと近くに住んでいるのでよく来るが、もう会うのも苦しいので、しばらく来ないでもらっている。電話が鳴るのもどきっとしてしまう。夫に相談すると、気にしすぎだと言って、おまえが変だと責められてしまう。そんな話しでお母さんは涙を流されていました。

 その間お母さんに抱かれていたQちゃんは、お母さんをじっと見ていました。お母さんを抱っこしているようにも見えました。お母さんが話しをして少しすっきりしたのでほっとしていたようすでした。

 お母さんの話が一区切りして、苦しい気持ちを吐き出して少しすっきりしたころで、お母さんの気持ちがQちゃんに向くと、Qちゃんは急に目をそらしてもじもじしたり反り返ったりし始めました。お母さんの時間が終わって、今度はQちゃんの時間とわきまえているようです。「お母さんが心配だったね」言うとウエーンと泣き出しました。そこで「心配」の気持ちを慰めました。反り返って段々に激しい泣きになっていきました。涙はあまり出ません。でも5分くらいすると急に泣きやんでうなり出しました。そういう声も出すんですとお母さん。

 それはQちゃんからのサインのように思えて、慰めるのは止めにしました。微妙に顔をそむけているのをお母さんの方に向けたり、微妙に首が反り返っているのをそっと支え、「大好きよ」「可愛いよ」「大事な大事なQちゃん」「生まれて来てくれてうれしいよ。Qちゃんがいてくれることがしあわせ。見ているだけでもしあわせだよ」などと話しかけると、またやわらかくウエーンと泣いていました。

 Qちゃんはまだ6か月なので、まずは安心を実感してもらうことが大切です。慰めることで安心が広がることもありますが、辛いねえ苦しいねえと慰めるより、安心の懐で存在感を確かめることが一番大事なのです。Qちゃんは慰めに対して泣いてはいましたが、気持ちいい泣きではなかったようです。後半の安心を実感をしてもらった時の泣きは、とてものびのびとしていました。そして涙も出ていました。また5分くらいすると、おっぱいを求めるしぐさをしたので、おっぱいタイムにしました。これももういいというQちゃんのサインのように思われました。

 最後に、「Qちゃんはまだ赤ちゃんでいてね。安心して赤ちゃんでいていいよ」とお母さんが言うと、ふえーんと顔をくしゃくしゃにしてひと泣きして、懐にすぽっと収まりました。Qちゃんが赤ちゃんらしく小さくなった感じがしました。キーキー声もうなり声も出なくなり、涙をこぼしてのやわらかい甘え泣きになりました。お母さんがつらい気持ちを援助者に聞いてもらって楽になり、自分の気持ちは脇に置けて、Qちゃんに百パーセント気持ちを向けることができ、Qちゃんを丸ごと包み込むことができました。お母さんは大きい、Qちゃんは小さい、そんな本来の親子関係に戻ってくれたかな。




【ひんぱんに目を覚ます】

 夜中に10分から30分おきに目を覚ましてしまう、という九か月の赤ちゃん。

 生まれてからよく泣く赤ちゃんだったそうです。ヘソの緒が巻きついてなかなか出てこなかったため、鉗子分娩になってしまったとのこと。その苦しさを訴えて泣いていたのかもしれませんが、ママにしてみれば、まさかそんなことで泣いているとは思わなかったにちがいありません。

 少しでも眠ってほしいという親心から、(最近では窒息事故のおそれがあるので望ましくないとされている)うつぶせで寝かせてみたら、2~3時間続けて寝るようになりました。

 やれやれと思ったのもつかのま、月齢とともに目覚める間隔がますます短くなりました。そこで、泣くとオッパイを飲ませて寝かせつけていたそうです。 

 来談してしばらく遊んでいるうちに友だちとトラブル。ママに抱いて慰めてもらおうとすると、さっき飲んだばかりのオッパイをまたもやほしがります。生育歴の事情から無理もなかったことですが、「泣きたくなるとオッパイでまぎらす」というパターンが、赤ちゃん自身に取り込まれてしまったようです。日中泣きにくくなっている分だけ、夜中に目覚めて泣かずにはいられなくなっているのでしょう。

 飲み終わるとすぐママの膝から下りようとします。下ろさずに横抱きのままにしてもらうと、すぐに泣きだしました。「横抱きが嫌いで」とおっしゃるので、そうではなく、身も心もまかせるしかない横抱きにされると、泣かない我慢が外れそうになるので、横抱きにされるのを避けるのですよ、と説明しました。
 
 出産のときの話題に触れると激しく泣きだして、今度は、なかなか泣きやまなくなります。ママが動揺し始めるといけないので、ひとしきり泣いたところで、いつものようにオッパイで泣きやんでもらうことにしました。

 「『早く泣きやませよう』から『泣きたいときは泣いていいんだよ』にママの気持ちを切り換えてください。だからといって、オッパイでまぎらすのを一気にやめてしまうと、一転して、かつてのようになかなか泣きやまない心配になってもいけませんから、こんなふうに少しずつ少しずつ、歯止めを外していってあげましょう。そのうちオッパイでまぎらさなくても、ママの腕のなかで落ち着けるようになりますよ。そうなる頃には、夜もぐっすり眠れるようになるでしょう」と助言しました。

「泣いて訴えるのを我慢してしまう」
のも苦しいものですが、
「泣いて泣いてなだめにくい」
とママが困ってしまいます。
「元気に泣いて、ヨシヨシと聞いてもらって、さわやかに泣きやむ」
というのが理想的です。

【噛む】

 Aちゃんは8か月。6か月の頃夜泣きがひどく、本で癒しの抱っこを知り試みたところ、一時はよかったけれど、最近また夜中に起き出したり、困ったことにお母さんや祖母に噛みつくようになった、というような相談で来室されました。 来室時眠っていたのですが、お母さんから話を聞き始め、「哺乳壜を嫌がって……」という話になったところで目を覚ましてぐずり出しました。ぐっすり眠っていたようだったのに、おとな同士の話が自分の関心事に触れたところで、そのことだよ、待ってましたとばかりに目を覚ますことはよくあります。 泣き出したところでお母さんに抱っこしてもらって、訴えを聞くことになりました。哺乳壜が嫌いだった、という話で目を覚ましてぐずりだしたので、先ずはその話題を取り上げました。おっぱいは、はじめの数日は出なかったけれど、その後は出すぎて何度か乳腺炎をおこしたくらいだという。乳腺炎をおこしたときは飲ませられないし、お母さんが外出しなくてはならないときのことも考えて、哺乳壜の練習をしたのだが、どうしても飲んでくれなかったという。哺乳壜におっぱいを絞って入れてみたけれど、それでもダメだったのであきらめたという。そういえば生まれてすぐの時に、まだおっぱいが出ないので、砂糖水をやっても飲まず、ミルクも飲まずで、チュウブを入れられたとお母さんが思い出した。よっぽど哺乳壜が嫌いだったんだねと、「哺乳壜いやだった」「哺乳壜嫌い」と慰めた。よくよく慰めた。でもAちゃんはいっこうに落ち着かない。 面接票に「切迫流産」という言葉が書いてあったので、そのことを取り上げてみた。でもそれは今日のところは素通り。それよりも、切迫流産で入院しているとき、おばあちゃんが亡くなったという話になって、Aちゃんの反応が変わった。  おばあちゃんは数年前から体調を崩していて、入退院を繰り返していたが、とうとう亡くなってしまったという。もう危ないと言うときに、医者の許可を得て、入院中の産院から、おばあちゃんに会いに行った。もう意識が薄れていたけれど、おばあちゃんの手を取ってお腹のAちゃんを撫でてもらってきたという。その5日後におばあちゃんは亡くなった。「会いたかったね」「抱っこしてほしかったね」と慰めるがそれだけでは納得しない。 お母さんがおばあちゃんの看病のことなど話してくれて、とてもドタバタしていた中で、ひこっとAちゃんが来ていたという。何だかとても不思議な気がしたと。「おばあちゃんを元気づけようとして、それで急いできたんだね」という言葉をかけると、「そうそう」と言うようにほっとしてくる。「それなのに間に合わなくて無念だね」「間に合わなくて、Aちゃんの無念と、おばあちゃんの無念と、お母さんの無念と、お父さんの無念があるね」というと、けろっと泣き止んでにこにこ満面の笑顔になってしまいました。「何これ?」とお母さんがあっけにとられたくらい、けろっと。  子どもの心の中につかえていた思いを、癒しの抱っこをして分かってあげると、子どもはとても満たされるのです。気持ちが伝わり、共感してもらうことは、子どもが一番求めていることです。それにしても、夜中によく起きるとか、夜泣きとか、噛むと言うことで、こんな気持ちを訴えていたんですね。

【4か月の娘に抱っこ法?】

〈相談者から〉 はじめまして。私は譲り受ける形でビデオと本を入手させていただき、熟読させていただきました。 私には4ヶ月になったばかりの娘がおりますが、本を拝見するまでは「泣く=授乳」という対応しか出来ずにいました。私なりに「抱っこ法」を理解したつもりで向き合っていくと、確かに何か訴えたい泣き方があること、は分かったのですが、言わんとしている事が的を得ていないようで、泣きを増発させてしまっているだけに終わってしまっています。 幸い娘は穏やかな性格のようで、おむつや空腹の時には、「あう、あう」と声をあげて泣かずに呼ぶことが増えてきて、大泣きをするといっても1日1度あるかないか、といったところです。思いつく限りを語りかけて、「違う」と言われているような状態のまま泣きつかれて寝てしまっているようで、どうしても最後は「わかってあげられなくて、ごめんね」としか言えない現状です。 ホームページを拝見させていただき、講演会があることを知りました。△△での開催はないのでしょうか? ビデオのように、直接指導させていただける機会があるのでしたら、場所や料金も含めて教えていただけると幸いです。〈返事〉 『心を育てる抱っこ法』のビデオと本をご覧になったのでしょうか。 4か月ということですから、まだ、抱っこ法というより抱っこのときですね。泣いたときにすぐに行って、まず抱き上げて守られている感覚を伝えて、そしてどうして欲しいのかなと欲求を汲み取って、そして満たしてあげる。育児はそんな繰り返しですよね。そんな繰り返しをしていくうちにだんだんに親子の歯車がうまく回るようになって、だんだんにお母さんは直感が働くようになるのですよね。そんな中で「泣く=授乳」はまだ必要なことも多いと思います。おっぱいは安心も一緒に飲みますからね。泣いたらとりあえずおっぱいを上げてみるのもいいのではないでしょうか。そうしているうちに、おっぱい上げても満足していないなあ、これは訴えたい気持ちもあるのかなあ、と考えてみたらいいです。 さいわいあなたの家の赤ちゃんは、機嫌のいいときと泣きたいときのメリハリがついているし、自分から1日一回は泣くことがあるのですから、その時に「よしよし」と受けとめて上げたらそれで十分ではないかしら。どんな気持ちを訴えて泣いているのか分かろうとしながら、普通に抱っこで「よしよし」していたらいいのです。気持ちをわかってあげられればいいですが、分からないなら、泣きたい気持ちがあることだけわかってあげて、受けとめてあげれば満足しますよ。いっぱい泣けばいいのではなくて、「泣いて訴えて受けとめられて落ち着く」ということが大事なんです。 お母さんは、もうすでにそんなやりとりは重ねてこられているのではないかしら。だから泣いて訴えることもあるけど、「あーあー」と声を出したり、目や仕草で訴えることもするようになっていますから、親子の気持ちのやりとりがうまく回っているように感じます。ただ赤ちゃんだって、まわりのおとなに気遣いもしますし、赤ちゃんだから感じる気持ちもありますから、その調整を1日一回の大泣きの時に癒しているのではないでしょうか。抱っこ法なんて構えないで大丈夫のように感じます。 講演会は今のところ△△では予定がないのですよ。ごめんなさい。また東京でやりますけど。 それから直接のご指導も、東京まで来ていただくことになります。△△方面からは何人も来てくださっていますが、JR錦糸町駅から徒歩5分ですので、乗り換えなしでいらっしゃっることができる地域ですといいですね。必要になったら声をかけてください。〈相談者から〉 こんにちは。以前、娘が4ヶ月の頃メールをしたところ、とてもご丁寧なお便りをいただきながら御礼もせずに失礼いたしました。娘も7ヶ月になりました。 友人伝いに本・ビデオに触れて「抱っこ法素敵!!やりた~い」という意気込みだけが強すぎて、結局方法にこだわる余り、娘を見失いかけてしまっていたことに気づきました。 「まだまだ充分に抱っこをする時期」との先生からのお返事に、まずはとにかく抱っこだ~と、逆抱っこグセ(私が抱っこしていたい)になるほど抱きしめて、チュウして、「大好き!大事な子!!」と愛情をたっぷり注いで育てています。 それから、ホームページを隅から隅までくまなく読んで、「大好き」・・・の本と8年分の『しあわせ子育て通信』を送っていただき、子どもが寝ている間に少しづつ読んでいます。 通信の中で、みなさんが心をそのままに文章に表し、心の底から愛情があふれているのを感じます。今、娘のことで取り立てて表面化した問題はない(私が見えていないのかもしれませんが)ですが、子育てに自信を持つ意味でも、もっと娘を大好きでいるためにも、育児の真ん中に「抱っこ法」を知れたら素敵だなぁ・・・と思いました。 そこで、5月の講演会にはぜひ参加したいのです!!

【夜泣きでくたくた】

 10か月のMちゃん、夜に1時間おきに泣いて起き,おっぱいですぐまた眠るときもあるが、泣きが治まらないときもあって,お母さんはもうくたくた、イライラもしてしまって・・と相談に来られました。

 相談室にMちゃんは穏やかで落ち着いていて,援助者に笑顔も向けてくれました。そんなようすからは夜の大変さが見えませんでした。お母さんが面接票を書いている間もおもちゃをいじりながら穏やかに待っていました。

 さあ、お話を聞こうかなというところで、おっぱいとおむつを替えをすることになりました。おっぱいを満足そうに飲んで、おむつ替えも,ちょっと援助者が助けることで、スムーズに終わりました。「今日はおりこうだったね」とお母さん。いつものおむつ替えは動いて大変なんだそうです。

 そこからお母さんの話しを聞くと、お母さんは泣かれるとせめられているようでつらいという。そんな辛さを訴えるお母さんにはよく出会いますが、それでもお子さんのために何とかしたいと相談に来られるのですね。つらいけどそのままでは、子どもとの気持ちがつながらないし、子どもも甘え下手のまま大きくなっていき、新たな気がかりが出てくるのですね。気づいた今が好機と、お母さんのつらい気持ちとの格闘が始まりました。

 お母さんが泣かれることがつらいと、子どもは泣くまいと頑張ってくれます。なので最初の頃は泣きたい気持ちを聞くよと言っても、泣くまいとしながら泣けてしまい、苦しい泣きになるので、援助者がお母さんを支えながら、ほんのちょっとずつよしよししていきます。そんな時、お母さんをつらくさせたくないという、子どものけなげな気持ちに心打たれます。同時に、何とか子どもが気持ちを楽に表現してくれるようにと、自分のつらさと向き合うお母さんの堅気さにも心打たれます。

 でもね、泣かれるとつらいお母さんの気持ちは、幼い頃から抱えてきた気持ちとつながるので、そう簡単には静まってくれません。それでも援助者が支えながら回を重ねていく内に、お母さんがぐぐっとたくましくなる時があるのですね。Mちゃんのお母さんも、お付き合いして半年を過ぎた頃にそんな時がありました。甘えさせ上手になっていくお母さんに歩調を合わせるように、Mちゃんも甘え上手になって、気づいたときには最初の気がかりがなくなっていました。

 そして最近では、イヤイヤして甘えるも出てきて、お母さんは次のステップへのレベルアップをMちゃんに求められているようです。お母さん、ダダこね期も支えていくからね。

【自己表現を応援する体のやりとり】

 1歳半のCちゃんが、最近夜泣きが激しいということで、相談に来られました。Cちゃんは昼間はぐずることも少なく、お利口にしているそうです。Cちゃんがお腹にいる頃から、お父さんの仕事がうまくいかず、お母さんが仕事をしながら子育てをしていて、とても大変だったそうです。そんなお母さんを見ていて、お利口にしてくれていたのでしょう。Cちゃんは頑張ってお利口にしてきたけどかかえきれないで、夜泣きが続いていました。

 1回目のその日は、お母さんが泣かれるのがつらいように感じたので、体のやりとりからしてみることにしました。自己表現を応援する体のやりとりです(体操と言ってやることが多いです)。Cちゃんを仰向けに寝かせてもらい、援助者がCちゃんの脚を屈曲するやりとりをしました。ゆっくりと無理のない可動範囲で曲げていきます。その時に、「Cちゃんの動きたいように動いていいよ、どこまでもついて行くからね」という気持ちで、脚に寄り添っていきます。

 Cちゃんは最初はお利口なCちゃんの様子が伺えるような、おずおずと援助者の動きに合わせるような動きでした。それで、かすかでもCちゃんからの自発的な動きが出たときに、その動きを丁寧に拾って付き合いました。そして、かっこいいねとか、可愛いよと、声もかけました。するとCちゃんからの動きがどんどん出てきて、そのうち気持ちも動いて、かわいく泣きだしました。そこでお母さんに普通に抱っこしてもらいました。Cちゃんはお母さんにピッタリと抱かれていました。親子の気持ちがつながったときです。

 その夜に泣き出したとき、お母さんは「心ゆくまで泣いていいよ」と抱っこしてくださったそうです。でもあまりに泣き続けるCちゃんのようすに、お父さんも起き出してきて、お父さんが抱っこしてくれると、Cちゃんはあっという間に泣き止んで寝てしまいました。朝までぐっすり寝てくれたそうです。お父さんがお母さんにやさしくしてくれたので安心したのでしょうね。それからは夜泣きがだいぶ落ち着いたそうです。

 Cちゃんはきっと、だんだんに昼間に泣くこともできるようになって、ダダこね期で自己主張もするようになり、少しお母さんを手こずらせるようになるでしょう。お利口は気持ちが通じ合わないて寂しいからやめて、甘え上手になっていくでしょう。お母さんはうれしい反面大変にもなるかもしれません。その時はまた応援しますねとお伝えしました。

 体のやりとりは、自己表現が控えめなときは、この日のような子どもの動きに寄り添うようなやりとりになります。でも自己表現が上手になってきたときには、「Cちゃんはこうしたいんだね。でも今はこうしてね」という、自己表現を支えながらも、おとなの言うことも聞き自制心も育てる、こちらから働き掛けるやりとりも大事になります。

 Cちゃん、今度来たときには、張り合いある張り合いをしてあげるからね。

【1分の抱っこ】

 10か月のNちゃん、抱くと突っ張るし目を合わせないし、ふだんはあまり泣かないけど、何かで泣くとギャーッと悲鳴のような声で、なかなか泣きやまない。そんな時はイライラしてしまう。癒しの子育てを知ったお母さんは、我慢させてきたのかもしれないと、相談に来られました。

 相談室にお母さんに抱かれて来たNちゃん、下におろされるとお母さんにくっついて座り,援助者に笑顔を向ける。「笑ってくれるのね、うれしい」と援助者が言うと、「いつもこうなんです。外面はいいんです」とちょっと寂しそうなお母さん。かわいがりたいのにかわいがらせてくれない様子ですから、それは寂しいですよね。

 どんな感じになるのかお母さんに抱っこしてもらいました。いつもの縦抱っこです。でも縦抱っこでももじもじして落ち着いて抱かれていません。そこで横抱っこにしてもらいました。するとNちゃん一気に泣き出して、息がつまる感じになり、慌てて縦抱っこに戻してもらいました、かなりの泣き下手さんになっているのが分かりました。こんな一気泣きになってしまうお子さんは、ほんのちょっと、1分ほど泣きを受けとめて、縦抱っこにして、泣き止む手伝いをします。

 Nちゃんも、お母さんに横抱っこしてもらい、泣き出したら1分くらい泣きに付き合い、縦抱っこで泣き止んでを、何回か繰り返しました。最後には縦抱っこにしてもちょっとの間やわらかい泣きが続き、体もやわらかくなり密着度が増えて、ほんのちょっとだけれど甘え上手になったNちゃんでした。なにしろ気持ちを一人で抱えるのが上手になっているので、ギャーっと泣いていても、縦抱っこにすると見事にピタッと泣き止んでいましたから、これだけでもうれしい変化です。

 一気泣きがなくなり、ギャー泣きもやわらかい泣きになって来たら、お母さんが慰めたいことを慰めましょうねと、その日は終わりました。お母さんの腕の中で、やわらかく泣けて、そして落ち着く、ということができるようになった時、お母さんはNちゃんと気持ちがつながっている、大好きが通じ合っていると、実感され、お互い寂しくなくなりますからね。それまでお付き合いしますからね。

【ママ~ママ~】

 1歳2か月のUちゃん。気持ちを一人で抱えて甘え下手になっていて、お母さんをひっかいたり、自分の頭をゴンゴンしたり、わざとお茶をこぼしたり、イヤイヤも多くなって、お母さんがやってほしいことをやってもらえず、やめてほしいことはやめてくれず、どうしていいかわからなくなって相談に来られました。

 Uちゃんは相談室に入ってきたときから固まった感じで、玩具にも手を出さず、所在なさげにいました。ママに抱かれても固まった感じで、気持ちを一人で抱えて頑張っているようすでした。そこで援助者が足を触ると、その足を引っ込めました。でもまた伸ばしてきて、それが催促のように感じ、また触るとひっこめます。そんなやりとりをしているうちに、ちょっと遊びのようになって、Uちゃんの固まった感じが少しほぐれました。そして足を持っても大丈夫になり、次に手を持つと、足の時と同じように引っ込めては持ちのやりとりになりました。

 やりとりしているうちに、気持ちが動いてきたのを感じたので、放せと引っ込めようとする手を放さずにやわらかに張り合いました。するとUちゃんはやっとうえ~んと泣き出しました。でも、すぐに喉が詰まるような苦しそうな泣きになるので、ほんのちょっと泣きたい気持ちに寄りそって、そして縦抱っこにして泣き止む手伝いもしました。ちょっとずつを繰り返しやるうちに、Uちゃんは少しずつ楽に泣けるようになり、それにつれてママの抱き具合も、フィットしてきたようでした。

 でも、ママと目を合わせようとしないUちゃんで、ママは寂しいといいます。そこで「ママ~ママ~」とUちゃんに代わって援助者がママに呼びかけると、呼びかける度に泣いて、段々に目を合わせるようになりました。そして目が合う度に泣けるようになったUちゃんは、かわいく楽にうえ~んと甘え泣きになっていきました。

 「ママ~」と泣いて甘えたかったUちゃん、「ママ~、大丈夫?」と言いたかったUちゃん、「ママ~、あのね」と気持ちを伝えたかったUちゃん、ママ~と甘えたいいろんなUちゃんがいたのでしょう。でも「ママ~」と言えない甘え下手のUちゃんだったのですね。それではお互い寂しいよね。

 「ママ~ママ~」と呼ぶほどに、甘え上手になっていったUちゃん。これからは援助者が仲介しないでも、「ママ~」と甘えられるように手伝うからね。

【お父さんの「泣いていいよ」】

 上のお子さんの相談の間、1歳5か月の下のお子さんにお父さんが付き合っていました。下のお子さんが泣き出すと、お父さんはお母さんから抱っこ法の話は聞いていたので、「泣いていいよ」と抱っこしてくれていました。

 援助者は上のお子さんとお母さんのお相手をしながら、お父さんと下のお子さんのようすを気にしていたのですが、お父さんの必死さが涙ぐましいほどに伝わってきていました。お父さんは「泣いていいよ」と頭ではわかっているのですが、泣かれると気持ちはつらいようなのですが、お子さんのために必死で抱っこしてくださっていたのです。なので下のお子さんはずっと泣いていました。

 ところが少ししたら、下のお子さんの泣き方が少し怒ったような、苦しいような泣きに変わりました。あれ?と思ったら、お父さんはかなりつらくなってしまって、でも何とか頑張ろうとしてくださっていていました。つらくなっても頑張ろうとすると、つらい気持ちをしまい込んでしまうしかなくなるのでしょう。お父さんが気持ちをしまい込んで抱っこを続けていると、子どもは親思いですから、親がつらそうなら泣くのを我慢をしようとしまいます。でも、すぐには泣き止めなくて泣けてしまう。すると、「泣いてしまう」でも「泣いてはいけない」という葛藤になり、それで苦しい泣きになるのです。こんな時は泣いてもすっきりしなくなってしまいます。

 抱き手であるお父さんやお母さんが泣かれるとつらいときは、そのつらい気持ちをしまい込まないで、つらさを感じたままでいてくれると、子どもはちょっと安心。そしてつらすぎるところまで来たら、それ以上は頑張らないで、「今は(今日は)ここまでね」と終わりにしたらいいのです。お父さんお母さんの気持ちを大事にして、気持ちのつながった抱っこを少しずつにしたらいいですね。少しずつの積み重ねですね。

「我流でした抱っこ法」

〈第1信〉

 ご多忙のところメールをいただき、本当にありがとうございました。今度紹介していただいた援助者のところで、抱っこを体験させていただくことになり、今からとても楽しみにしております。

 ところで昨日我流で抱っこ法を試してみたんです。そうしたら、昨夜本当に久しぶりに3時間おきに起きてきました。それまで毎夜1時間ごとだったんです。母乳育児の場合は、3時間ごとに起きるのは普通のようで、昨日に限ってはずいぶんしっかり寝てくれたことになります。

 それと、寝かしつけがすごく楽になりました。安心したように、す~っと寝入ってくれるのにはびっくり! 今日も夜しっかり寝てくれますように…!

 考えたら、今まで抱っこそれ自体を目的として抱っこしたことってあったかな?と思いました。寝させるため、泣きやませるための抱っこはしても、抱っこのための抱っこってしてこなかったように思います。

 反り返ってもしっかり抱っこして「お母さんはUが大好きだから離さないよ」と言うと、しばらくして抵抗しなくなりました。もしかしたら、ただ単に眠たかっただけなのかも知れませんが。

 それと、子どもに不安材料になりそうなことをいろいろ聞いていくうちに、もしかしたらこれかな?という反応のあるものがありました。うちの子は予定日より12日遅く生まれてきたのですが、あと1日で誘発するところだったんです。「お薬でだされるのが怖かったのかな?」というと、少し泣きが強くなったような気がしたので、もしかしたら、このことがずっと心に残っていたのかと…。

 とにかく一度、抱っこ法を体験してきます。またご報告させていただきますね。心温まるメール、本当にありがとうございました。


〈第2信〉

 昨夜はちょっと逆戻りして2時間おきでした。でもやっぱり少しは改善されてるのかな?

 確信をもって言えるのは、とにかく寝かしつけがとても楽になったことです。今までは子どもがぐずって仕方なくなるまで待たないといけなかったんですが、「我流抱っこ」をしだしてからは、子どもが「ネンネ」と言ったらまずおっぱい、その後抱っこを続けて(このときの自分なりのポイントは、お腹とお腹をしっかりくっつけること。とてもリラックスした表情になります)、私がいかに子どものことを愛しているかを延々と語ります。

 それと、気持ちに余裕がないとき、イライラしたりしてごめんね、と謝ることも。「お母さんも人間だから、いつもいいお母さんではいられないけれど、いつもあなたのことが大好きなのよ。覚えておいてね。」等々、思いつく限りの表現(でも今までも「大好きよ」とずっと言ってきましたが)。そうすると、本当に安心したように、ス~ッと寝入ってくれるんです。私もらくですが、子どもも楽だと感じていると思います。

 初めての抱っこ。明後日です。とても楽しみです。少しでも子どものことを深く知る材料に、そしてこれからの育児の指針とするべく体験してきます。

「ほっておかないからね」

 おはようございます。先日は本当にありがとうございました。相談に行ってまだ2日しかたっていませんが、様子をお伝えしたいと思いFAXをさせていただきました。

 相談に行った日と、次の日と、その次の日と、夜は居間で寝たいと言いますので、居間で(寝つく時は)寝かしています。夜はやはり1~2回、1:30~2:30の間に起きますがすぐに居間に来ると寝ます。寝つく時も少し「あっち!外!」と言いますが、「夜は子どもは外に出ない方が良い」と抱っこをしながら(泣いていますが)言うと、少しすると「居間で寝るならば良いよ」というように居間に行き、少し遊んで本を読み寝ることができるようになりました。本当は寝室で寝かしつけたいと思いますが、まずは家で寝つくことと思いこのようにしています。

 先生に昼間泣かせるようにすれば良いとアドバイスをいただき、いろいろと今までの行動を振り返り、Sの行動をあげ足取りのように注意しています。ですが、2日間いつも怒っているようで、「これでいいのかな?」と思う気持もあります。次の日は大きな声でよく泣いていましたが、その次の日はあまえ泣き(エーン、エーンといった感じの)に聞こえ、「これでいいのかな」と思っています。

 それからSは初めて私のことを「ママ、イヤ!」と言い、バイバイと手を振ります。ですが阿部先生のお勧めの本を読ませていただき、あるお母さんのように私も、「Sちゃんはママが嫌でもママは大好きだから逮捕しちゃう」と言って抱きしめてあげました。このような感じにSと過ごしています。主人も顔がスッキリおだやかになったように思うと言ってくれました。

 先生とお会いし、また本を読ませていただき、今まで私はSを見ている、気を配っていると思っていましたが、「ほっておいた」ことが多かったのだと気付かされました。Sが嫌ならいいやとか、今私がやらないといけないことがあるから、本当はやってほしくない事でもいいやと思いほっておいたのですね。Sは私をたたいたり、物をなげたりもしていました。SOSだったのだと気付かされました。Sにも言いましたが、「ほっておかないからね」の気持でこれからもSと頑張っていきたいと思います。

 それから近くの援助者にご連絡させていただきました。お会いできることになりました。本当にいろいろありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願い致します。

「大泣きで抱っこ抱っこ」

 初めまして。私は今年6月に男の子を出産し、母になったばかりの新米ママです。
 実は昨年春に結婚し、数か月目に妊娠がわかり、喜びにあふれていました。しかし、妊娠2~3か月は流産しやすく、私も2か月と少しくらいで、自然流産をしてしまいました。初めての喜びと悲しみに、数か月はショックでした。仕事もずっとつづけたいし、子どももほしいしと、ショックをかくしながら働いてました。

 しかし昨年秋に再び妊娠がわかり、今度こそは!と思い、つわりも軽いし、赤ちゃんも順調だしと働きつづけていたら、切迫流産しそうになり、会社をはやく休み入院し、なんとかぶじ男の子を出産できました。今月は息子の3、4か月の検診でした。その時いただいた本が、阿部先生の『「ニコニコ抱っこ」のすすめ』でした。

 息子は実家にとっても初孫、だんな宅(私はだんな宅で同居です)も初孫と、かわいいかわいいで愛情いっぱいです。息子を出産し、退院してからすぐに実家へと1か月余りおせわになりました。出産後も生んだところに、ストレスと疲れで炎症を起こし、少し入院しました。出産も12時間かかり、赤ちゃんがなかなかおりてこなくて難産でした。

 実家では初孫で息子かわいさの余り、みんなでまわし抱っこでした。そして、再びだんな宅にもどりました。驚いたのが大泣き(もう抱っこしないと泣きやまない。1日何回も抱っこをせがむ)。えっ!? 実家で抱っこしすぎたのかな? 赤ちゃんって何でもすぐ覚えるみたいだし、抱っこの良さを覚えすぎたのかな?と心配になりました。今でも何度も抱っこをせがむ抱っこ大好きちゃんです。抱っこしないと、抱っこするまで大泣きです。8月にいとこの赤ちゃん(男)が生まれ、きいたらうちの子あまり泣かないよと答えられ、赤ちゃんってよく泣くもんじゃないの?うちの子だけ?とよけいに心配になりました。

 その時阿部先生の本を読み、心がすっと軽くなりました。うちの子、抱っこ大好きちゃんでいいんだ!!息子は世界一かわいいもん!!と思えるようになりました。まだ新米ママなので、抱っこが多少ぎこちないし、泣き声でなにを要求しているのかわかるとききますが、まだ多少わからない時がありますが、一回流産し、難産をのりこえて生まれた我が子は、一番かわいいんだと思えるようになりました。先生の本の力で、すごく心が軽くなり楽しくなり、子育てがんばろうという力がすごくわいてきました。

 本当、最近までは、
“何でこんなに泣くの!赤ちゃんってこんなに泣くもんなの? 抱っこばっかり大好きでうちの子こまる!!”
とイライラしてました。しかし、話しかけること、抱きしめてあげることの大切さが、とても良くわかりました。検診を受けるたびに大きくなる我が子も、とてもかわいいものです。

 子育てはやはり息抜きが必要ですね。週末はだんなが休みなので預けて、買い物したりや映画をみたり、ただなんとなく一人でドライブもいいかなって思えるようになりました。最近はやっと心に余裕ができて、義母(だんなの母)にもあずけて、買い物や一人でドライブ4、自分だけの時間を持つようにしました。会社は育休を一年とれるので、ゆっくり休み、ゆっくり子育てし、再び働きだそうと思います。

 これから息子も、もっと感情ゆたかになり、たいへんかも知れませんが、疲れたら先生の本を何度も何度も読みかえし、子育てがんばろうと思います。

 今核家族化も多く、子どもの虐待死もとてもふえていますね。私はニュースを聞くたび心が痛んでいます。一人でも多くの方に先生の『ニコニコ抱っこ』の本を読んでいただきたいなあと思いました。なにか事情があるにしろ、おとなの怒りの矛先が子どもに向かっている現在……とても悲しく、つらいものです。

 私は初めから、だんな宅へ同居を決めてよかったなーと思っています。一人子どもができただけで、子守もたいへんだし、一人でも多くの手があると全然違うことがわかったので、よけいに思いました。

 世の中のみなさんでもう一度、子どもの大切さ、出産時の時のこと、子どもとは!?等、考え直せないものでしょうか!? 子どものかわいさ、大切さを見直し、子どもの虐待死などが一人でもへることを、毎日祈るばかりです。

 先生の本を大切にし、何度も読み返していきます。そうすると、我が子はとても大切でかわいいものだ、命がけで守ろうと、心が奮い立ちます。がんばっていきます。先生もお体に気をつけて、またいろいろなテーマを書いてくださいね。がんばってください!?

「泣かせる子育て」

〈第1信〉

 1歳5ヶ月の娘のことで悩み、『子どもの「泣く理由」がわかる本』を読んで共感し励まされました。それから自分なりに抱っこ法を試していますが、今ひとつ手ごたえを感じられません。

 というのも最近の娘の様子が気になるんです。娘は今までおっぱいを飲まなければ眠ったことがありません。そして眠りも浅く夜泣きも未だに続いています。ただ最近の昼ね中の泣きかたや夜泣きは、まるでイヤな夢でも見て怖くて泣いているような泣き方をするんです。ひどいときは泣きながら座りこんだり歩き回った事もありました。先月娘は急性胃腸炎で入院しました。その時の怖い思いで今も泣いているのかと思い聞いてみたのですがそうではなさそうです。

 それと後追いがひどくなり、私から離れません。愚図りもひどくかまってあげないと凄い勢いで泣いて転んで駄々をこねます。こちらの言っていることもわかっているようなので、「ママも遊びたいけど今は無理なんだよ、終わったら遊ぼうね」と言うのですが、わっかてくれない時がほとんどです。まだこの年齢だから無理もないのだと思っていたのですが、最近の甘えは愚図りもプラスされていくら遊んでも遊び足りないように次から次へと求めてきます。公園など子どもの集まるところへ行っても抱っこばかりせがんで一人で歩こうとしません。遊び出せばそれなりに楽しく遊べるのですが。少し前までは私の事を噛んでいました。入院してからしばらく歯軋りもあり何かをこらえているようでした。

 私が娘を妊娠したのは、やっとやりたかった仕事に就いたときでした。なので妊娠を素直に喜べませんでした。仕事を辞めたくなくて両立していこうと無理したせいか、切迫早産になり入院、その後も自宅で寝たきりになってしまいました。結局仕事も辞めることになりましたが、なんでもっと早く子どものことを考えられなかったんだろうとネガティブになり、毎日泣いてばかりいました。途中、破水反応がでたり不安な日々を送っていたせいか、無事出産したときには生まれてきてくれた喜びよりも、こんな自分で育てられるのかと心の中は不安でいっぱいでした。

 娘は1ヶ月経つまでほとんど泣かず、よく眠りとても手のかからない赤ちゃんでしたが、その後溜まっていたものがでてきたかのように激しく泣き、抱っこを要求してきました。毎日抱っこばかりしていて、腱鞘炎で何ヶ月も辛い思いをして満足に眠れず毎日疲れていました。パパにも慣れず任せておけず、そのストレスで喧嘩も絶えませんでした。時には間に挟んで泣かせてしまったこともありました。

 早く大きくなって話せるようにならないか、1日をどう過ごせば良いのかとそんなことばかりを考え子育てきました。子育てを楽しむ余裕なんてなかったんです。私なりに夢中でやってきたのですが、母親に教わった泣けばおっぱいで過ごしてきたせいか、おっぱいへの執着は凄いです。

 今まで泣いて起きるのも眠りが浅いのも、抱っこをせがむのも、私から離れられないのも、単に甘えん坊なだけだと思っていたのですが、抱っこ法を知ってからそうじゃなかったんだとわかりました。娘は話せなくても何かのシグナルを送っていたのかもと思い、泣くたびにその気持ちを探ろうと色々聞いてはみるのですがいまいち分かりません。

 娘は好奇心旺盛で感受性も強く素直な良い子です。今は娘が私の子どもで生まれてきてくれたことを本当に感謝しています。だから1日でも早く、ゆっくりスヤスヤと眠らせてあげたいんです。おっぱい無しで腕のなかで眠ってほしいんです。そして私から安心して離れて遊べるようになってほしいんです。妊娠してから今までの私のどんな言葉や思いで傷つけてしまっていたのかと思うと、とても辛くなってきます。それと私には小さな頃のトラウマがあり、子育てに自信が持てないのも理由になっているのかなと思います。今色々な気持ちが心の中でグルグルまわっています。自分のことはさておき、娘とのこれからの生活を楽しいものにしていきたいので是非手を貸してください。よろしくお願いします。

 長々と書いてしまいましたが読んでいただき有難うございました。


〈第2信〉

 お返事ありがとうございました。読んでいて涙がでてきてしまいました。うれし泣きです。私は今までやってきたことを認めて欲しかったのかもしれません。自分の時間もとれず、睡眠不足で体調も崩れたりして、子育てがストレスになっていたみたいです。でもあれからずっと泣かせる子育てをしています。一度子どもの前でおもいっきり泣いてみました。主人もビックリしてましたけど(^д^ヾ)そうしたら泣いてた子どもが泣き止んで心配そうに私の頭をなでてくれたんです。凄くうれしくて、子どもと二人で泣きました(笑)。

 おっぱいも1日1回~2回になってきました。まだ「おっぱい、おっぱい」言いながら抱っこしてきますが、ちゃんと言い聞かせるとわかってくれてるのか、寝る前だけになりました。それと転んだらすぐ泣いて私が行くまで泣き止まなかったのが泣かなくなったんです。よく笑うようになったし、少しだけ一人で居られるようになったし良い方向へ向かっている気がします。今まで義務のように子どもと遊んでいたんですが、子どもといる時間を楽しめるようになりました。でもまだ夜泣きは続いています。でも泣かせて気持ちを聞いてあげています、いつかぐっすり眠れる日が来るといいねっていいながら。

 今は主人にも本を読んでもらって、二人で泣かせる育児をしています。最近パパへの反応も変わってきている気がします。ていうかパパが子どもを見る目が変わったのかな。主人の仕事は看護師で資格試験を来年に控えている為とても忙しいのですが、二人で子育てについておもいっきり話をしました。主人は本を読みながら、「そーかー、そうだったんだぁ」なんて言ってました、目からウロコだったようです。私以上に子育てに自信がないんです。看護の仕事にも通じるものがあると言っていました。


〈第3信〉

 まだまだ泣いている理由が分からなかったり泣き声にイライラすることもあります。私でもどうにもならない時はパパが聞いてくれています。娘の成長は私だけじゃなくパパも変わってきてくれている結果だと思います。

 実は最近私からはじまって家族で体調を崩しました。そんなこともあり、私もパパも疲れていてイライラがたまっているんです。娘も体調が悪いせいか、愚図りがひどかったり夜泣きがひどくて、娘の泣き声を聞くのが怖くなってきてしまいました。昼間はそれほどでもないのですが、とにかく夜泣きがひどくて、睡眠障害じゃないかと思うほどです。それでとうとう昨夜は泣き声を無視してしまいました。寝たふりをしてみたり、しまいにママのほうが泣きたいよ!と言ってしまいました。そしたら「ママ、いい子」っていいながら頭を撫でてくれるんです。自分が情けなくなりました。また振り出しにもどってしまった感じでした。

 お聞きしたいのですが、夜泣きというのはどうしてあるのでしょうか? 昼間に夜泣く理由を聞いてみるのですが、本人も分からないようでケロリとしています。夜泣いているときの声の変化はまったくわかりません。どのように気持ちを聞いてあげてればいいんでしょうか? せっかくうまくいっていたのになぁって感じです。でも抱っこ法で娘が成長してくれているのがうれしいんです。もう少し私も娘も時間はかかりそうですが一緒に成長していければ良いなと思っています。


〈第4信〉

 夜泣きはまだまだ続きそうです。娘の場合は眠りたいけどすんなり眠りにつけないんです、それが本人も悔しいんだと思います、きっと。なんとなくですが、分からなかった赤ちゃんの気持ちが分かるようになってきた気がします。この世に生を受けてまだ1年5ヶ月しかたってないんだから、自分の気持ちをコントロールするなんて無理ですよね。ホント私のほうがわかってなかっただけで、娘はずっと私を見ていてくれたんです。今は泣きながら「ママ、ママ」って呼んでくれることがとても嬉しいです。このところパパに抱きしめられながら寝てくれる日が増えてきました。パパの腕の中で眠るなんてありえなかったんですよ。螺旋階段と言われる通り、前とは確実に違ってきています。

 最近娘がふざけて「バカ」と言うようになってしまったのです、言葉を楽しんだり、こちらの反応を楽しんだりしているようで、私も負けずにバ~カって叫んでます。パパは苦笑いしてますけど。こんなに小さくてもきっとストレスってたまっているんでしょうね、私もたまったストレスをそうして発散しています。娘とはなんでも話して話を聞いてあげようと思ってます。小さくても立派な人間ですから気持ちを共感していきたいんです。こんな私なのでまたいつ躓くかわかりませんがその時は相談にのってください。

 そちらに相談には行きたいと思っているので、主人にスケジュールを調整してもらって、行けそうな日があったら電話してみますね。

「【3か月の娘が泣いて泣いて】のその後」

〈第1信〉

 こんにちは。先日は本当にありがとうございました。

 その後娘は大泣きはしますが、私のほうが少し強く?なったので(笑)、体をそらせても叩かれても蹴られてもめげなくなりました。「泣け、泣け!いっぱい泣いて発散しようね~」という感じです。こんな気持ちになれたのは自分でもちょっと不思議です。

 でも結局主人には相談はしていません。が、こんなことがあった、赤ちゃんも言葉が分かるという話をしました。それだけでも今回は良かったかな、と思っています。


〈第2信〉

 こんばんは。お返事が遅くなりごめんなさい。たった今、ホームページを拝見しました。

 「あ~、あの時はこんなに追いつめられていたんだ」と思い出し、また涙で一杯になってしまいました(笑)。今はお蔭様で、大泣きはずいぶん減り、のけ反って泣く事も本当に少なくなりました。もちろん、泣き出したらスゴイですけれど!

 泣いたときに一度「イラッ」という気持ちが復活したときがありました。でもそれも何とか乗り切り、楽しい子育ての日々を送っています。私の気持ちが変わるだけでこんなに子も変わるんですね。本当にビックリしています。重ね重ね先生の本に出会えた事に感謝です!

 こちらの今年の秋は、寒くなったり夏のように暑くなったり、温度の変化がとても激しい日々です。そちらも同じような感じでしょうか? 風邪などにお気をつけください。

「夜泣きは家庭崩壊」

〈第1信〉

 Hの夜泣きが酷くなってきました~(>_<)。悪循環の日々が続いてますが、芳子先生のメールで、泣きながら頑張れて良かったね。それで随分助かったと思うよ。泣けなければもっと体もひどかったと思うよ。…のメールが私を救ってくれています。泣けていいんですもんね。寝たいけど。

 先週にMが高熱、次の日にはすぐ下がりましたが、土曜にHが初の高熱!日中からずっと泣いてて少し咳、熱は無くて具合悪いのかただ泣きたいのか分からず、夜吐いて熱も上がって勿論夜中中抱っこずっと泣いてて、元気でも夜泣きでしんどいのに輪をかけてでした。パパと交代で乗り越えましたが夫婦で栄養ドリンクが放せません。ボロボロです。Mは、無邪気に?無神経に?遊ぼ~!てくるしウルサイし、夜泣きで家庭崩壊しそうです。保育園に行って楽だけど菌はもらってくるしで悪循環です。

 それより昨日夜Hのウンチに柿の種のピーナッツが出て来ました! かなりびっくり! Mが多分落としたのを寝返りして掴んで口に入れたんだと思います。それで泣いて熱も出たのかも! 弱っていたから尚更。ごめんねぇ! あんな固くてショッパイ物、詰まって危なく呼吸困難でしたね(T_T)。二人目は誤飲が怖いですね。ちゃんとやってるみんな偉いな~。お金より家族の健康が一番欲しいですね。


〈第2信〉

 Hは回復に向かってるみたいで夜は何度も泣きますが、機嫌がいい時も増えてきました。咳がまだ可哀想です。こないだTVで~世界ビックリ映像Q~草野サンが司会ので、赤ちゃんが産まれる奇跡!というのをやっていて凄かったです。みんなに見せてあげたい! 一人が産まれる確率は250兆分の1だそうです! そういう奇跡を二回も経験できた事を誇りに思えました! 学校などでも見せて欲しいTVでした。自分自身も凄いですね。

 昨日Mに、「もっと優しいママだったらいいのに」て言われました。意地悪して「じゃどこか優しいママと交換しようか?」と言ったら「嫌だ嫌だ~ママがいい!」と言ってくれました。「ママもおこりんぼでも優しいMが子どもで良かった。Mがいい!」と言いました。250兆分の1で出会えたんだもの!って、イライラしたりもしますが(^_^;)、ウルサイけど本当に優しいお姉ちゃんです。二人共健康で元気に育って欲しいな~。


〈第3信〉

 Hの気管支炎と夜泣き、私もうつって寒気、咳と、パパも3泊の出張と重なって辛かったので、実家に泊まりに行きました。精一杯母はやってくれて助かりました。二泊の予定が三泊になりました。母は予定が延びるのが凄く嫌うのを分かってましたが。帰って来てなんとか過ごしてましたが、月曜と金曜はM保育園の日で、朝だけ母に保育園に連れて行ってもらってて、朝に私がまだ悪寒あってバファリン飲んだ~って言ったら、「もう私ダメだからね。筋肉が無いから抱っこ出来ないわ。腰痛くても大変でもHは預れない。発狂したくなりそうだわ」と言われました。パパは連日夜中変わってくれたり、家事してくれたり協力的ですが、パパも辛そうで。「Mだけなら楽勝だよな!寝せるのも、出かけるのも外食も」て、Hの前でよく言います。私も実際そう思ったりしますが、Hの前で言わないで欲しいな~。て言わなくても通じるからダメですか? なんか可愛いHがみんなに邪魔にされてる気がして悲しくなってしまいました。落ち込んでたらかなり久しぶりにH勝手に寝ちゃいました。大変なの分かってなのかな? 偶然かな? やっぱり夜泣きは家庭崩壊になります。みんな余裕が無くてイライラですね。