園に行くのをいやがる・友だちとのトラブル

【保育園で毎朝大泣き】

 お母さんの育児休暇がもうじきあけ、復職することになって、2歳になるAちゃんの慣らし保育が始まりました。抱っこ法的関わりを知っていたお母さん、事前にお母さんが仕事に行くので保育園に行くことをよく説明し、お母さんは離れていてもいつもAちゃんのこと思っていること、時間になったら必ず迎えに行くこと、困ったり寂しくなったりしたときは泣いていいこと、先生はこの間会った○○先生、お母さんの代わりに先生を頼りにしていいこと、お友だちもAちゃんと仲良くしたいと思っていること、などなど丁寧にお話をして、初日を迎えました。

 初日は2時間の保育。離れるときには泣いていいと思っていたお母さんでしたが、2時間ずっと泣いていたという報告を先生から聞いて、とても心が痛んでしまいました。でもきっと、だんだんに慣れると、自分に言い聞かせて、次の日も送っていきました。

 ところが次の日も泣きっぱなし、その次の日も、そして迎えた週末。緊急に相談室に来られました。お母さんはあまりに泣かれるので、仕事を辞めようかと迷い始めているといいます。相談室でのAちゃんの様子はといえば、落ち着いていて表情もよく元気で、お母さんから離れて玩具で遊んだりしていて、援助者には、保育園で泣きながらも頑張っているのではないかと思われました。

 抱っこでAちゃんの気持ちを聞くことになって、お母さんが抱きとめると、すぐに泣き出しましたが、少しもがくものの、涙をポロポロと流して上手に泣けていました。さすが泣き上手のAちゃんです。

 抱っこしながらお母さんの話を聞いていくと、お母さんもAちゃんくらいの時から保育園に預けられていて、怖くてさみしかったことが今でも心に残っている。こんな思いをAちゃんにはさせたくないと話されました。その話になったら、Aちゃんの泣きが一段と激しくなりました。Aちゃんの保育園での様子に、お母さん自身の幼少時の体験が重なっていたのですね。でもお母さんはあまり泣かずに頑張ったとのことで、おばあちゃんにAちゃんの話をしたら、「あんたはいい子だったのに、Aちゃんは甘やかしているから」と言われてしまったといいます。

 そこに癒しの子育ての1つのカラクリがあることをお伝えしました。
「保育園に預けられてさみしかったではなく、保育園に預けられてさみしい気持ちをわかって、よしよししてもらえなかったから、さみしさがずっと癒されないでいる」
なんですね。もちろん怖い気持ちも同じです。

 Aちゃんは、
「さみしい気持ちを泣いて表現でき、さみしいんだねとわかってもらい、よしよしもしてもらい、さみしい気持ちが癒されている」
なのでしょう。お母さんの時とはぜんぜん違いますよね。泣き足りないとリラックスもしきれず、緊張が続くので、嫌な思い出や気持ちが残りやすいのですよね。

 そこでお母さんの時間を作って、援助者がお母さんの気持ちを聞きよしよしして、お母さんが泣き出したら、Aちゃんは安心したように眠ってしまいました。お母さんがずっと抱えていたさみしい気持ちが、少し癒されたようでした。

 親自身の気持ちが癒されずにしまわれているとき、我が子の同じような体験で疼き、ともすると自分の気持ちとごちゃ混ぜになって、我が子の気持ちに寄り添えず、成長しようとする足を引っぱってしまうのですよね。親自身の気持ちとわが子の気持ちとの線引きが大事なんですよね。

 Aちゃんはお母さんによしよししてもらいながら、泣きながら頑張ることができ、それから一週間が過ぎた頃には、遊ぶこともできるようになって、1ヶ月経った頃には、保育園生活も楽しめるようになったと言います。でも泣き上手のAちゃん、泣きたいときにはえ~んえ~んしているようです。それでこそ無理なく頑張れるね。お母さんも安心してお仕事頑張れるね。

【3つのやりとり4つの反応】

 5歳になるBちゃんは怖がりで引っ込み思案で心配でしたが、幼稚園に行くようになって少しずつ表現できるようになってきました。ところが、仲良しのお友だちには、押したり叩いたり、度が過ぎるようになって、お母さんは新たな心配ができてしまい、相談に来られました。  Bちゃんはおもちゃを出すと、創造的に遊び、お母さんにも話しかけ、いい感じです。家ではこんな感じで心配ないのだけれど、幼稚園のようすを先生から聞くと、お友だちにケガでもさせたらと心配になってしまうようです。  引っ込み思案で恐がりだったBちゃんが、表現するようになったのはうれしいことですね。でもまだ表現の仕方が下手だから、上手になるようになるといいですね。と、その2点をお母さんと確認し合いました。でも幼稚園でのことは、お母さんには助けられないので、家でできることはないか考えました。  家でのようすをお聞きすると、おもちゃの片付けをなかなかしなかったり、着替えに時間がかかったり、寝る時間になってもぐずくずしたり、チャンスはいろいろあるようです。お母さんはそんな時、まだ遊びたいのねとかまだ寝たくないのねとか、お子さんの気持ちに寄り添うようにして待ち、どうにも時間がないときにはお母さんがやってしまうようです。でもあまりにそんなようすが続くと、お母さんはイライラしながらやることになっていたようです。  そこでお母さんに、手の引っ張りっこで、3通りのやりとりを体験していただきました。  ①5分と5分のやりとり ②強引に従わせる ③張り合わずに離してしまう お母さんは、②のやりとりはイヤな気分が残るし、③のやりとりはとってもさみしいとの感想でした。それでもう一度①のやりとりをしてみると、こうしてもらうと楽しいしうれしいですね。そしてやる気にもなりますね、とわかってくださいました。  今すぐここでそんなやりとりの場面がないので、仰向けで脚を動かす体操のようなやりとりをしてみました。お母さんには肩の方に位置していただき、援助者が足の方にいて、脚の屈曲の動きを誘います。Bちゃんは、脚を突っ張って力を入れて曲げさせなかったり、起き上がろうとしたりしました。援助者が突っ張る脚に5分と5分で張り合いつつやりとりして、お母さんにも肩で張り合ってもらいました。  Bちゃんは、やりとりするうちに笑いも出てきて楽しめました。そしてその後では、援助者のやろうとする脚の曲げ伸ばしに応じることができました。こんなやりとりをすると、次の4つの子どもの反応があることもお伝えしました。家でおもちゃの片付けで張り合ったとき、今の体操のような反応でないときもあるので、お母さんが慌てないようにね。  ①やりとりを少しすると、「うんわかった」と応じる。 ②やりとりをしばらくすることがストレスの発散になって、その後で応じる。(→この日はこれでしたね)。 ③やりとりをしている内に泣き出して、泣きながら応じる。 ④やりとりをしている内に泣き出して、すぐには治まらないようすなので、抱き取ってよしよしして、それからまたやるように誘うと応じる。それでも応じないときもあると思いますが、その時は慰めの抱っこの出番です。  Bちゃんは、帰りのおもちゃの片づけをちょっとイヤイヤして、お母さんに張り合う練習をさせてくれました。慰めの抱っこもした後なので、それほどイヤイヤの気持ちもなかったのでしょうけれど、お母さんが困らない程度にやるのですから、子どもってやさしくて賢いですね。

【向上心の支え方】

 4月から幼稚園に行き始めたDちゃん。連休明けから「幼稚園行きたくない」と言い始めて、行かせるのに苦労しているとのことです。園の先生に相談しても、そのうち慣れるから大丈夫と言われ、特になにか嫌なことあったのでもないようです。ほんとに行きたくないなら、早生まれだから2年保育でもいい、今年はやめてもいいと思っているお母さんでした。  確かに、お母さんから初めて離れての幼稚園生活は、3歳になったばかりの子どもにとっては大変なのかもしれません。でもどの子もお兄さん姉さんらしく頑張りたいいう向上心を持っているのですよね。でもイヤイヤが激しいと、親心は、どうしてもかわいそうになって、送り出す気持ちが萎えてしまうのもわかります。  抱っこでお話ししていくと、Dちゃんもやはり頑張りたい気持ちがいっぱいあることがわかりました。Dちゃんの気持ちを受けて、お母さんも向上心を支える決意をされたので、支えるやりとりを練習していただきました。  おもちゃで遊んでいたDちゃんを座布団のところまで連れて来るところから練習が始まりました。Dちゃんは練習に協力してくれたのかどうか、お母さんが声をかけても知らん顔、脇の下を支えて立たせてもらおうとすると、イヤーと抵抗して座り込みをしました。お母さんはここで怯んではいけないと頑張ってくださいました。でもなかなか手強いDちゃんでした。  でもその時、脇からみていた援助者は、お母さんの張り合い方が100か0かになっているのに気づきました。つまり、立たせようとぐっと力を入れるのですが、Dちゃんの抵抗に合うと力を抜いてしまうのです。そしてまたぐっと力を入れ、そして抜いてしまうの繰り返しになっていました。  そこで援助者が代わって、お母さんに説明しながら、支え続ける支え方をみてもらいました。するとDちゃんは泣きながらも立って、そして歩いて座布団までくることができました。  今度は、支え方をお母さんにも体験していただきました。まずお母さんがやっていた、100か0かの支え方、その後で、支え続ける支え方を体験していただきました。お母さんの感想は、力を0に繰り返し抜かれてしまうと、やろうとする気持ちが力なくなってしまうけど、支え続けてもらうと、やろうとする気持ちが支えられて強くなると実感されていました。  それで、Dちゃんをおもちゃ棚のところまで連れて行ってもらいました。お母さんの構えが変わったので、Dちゃんはちょっと腰で抵抗はしていたけど、お母さんの言うことを聞いて、自分の意志で歩いて行くことができました。支える力は70とか65とか55とか、その子どもの出してくる力に合わせてその時々に違っても、その時にちょうどいい力で支え続けることが大事なのですね。  Dちゃんはおもちゃで少し遊んだ後、おもちゃをちゃんと片づけて、お兄さんらしい顔になって、帰っていきました。

【やりたいのにできない】

 5歳のCちゃんが、幼稚園で落ち着かなくなったということで相談に来られました。お友だちが積んでいる積み木を壊してしまったり、急にお友だちを叩いていまったりしてトラブルになるし、みんなでやることや課題に取り組めないのだそうです。Cちゃんは言葉での表現が苦手なお子さんなので、お母さんがそばにいると、Cちゃんの気持ちを代弁できるのでまだいいのですが、幼稚園にいるときは自分で何とかしなければならないので、とても難しいようです。先生も助けてくださいますが、つきっきりというわけにはいかないのですものね。  そんな幼稚園でのようすを聞くと、お母さんはとても切なくなるのですよね。幼稚園に行き始めた頃のように、毎日付いて行ってあげれば解決するならそうするけど、そういうことではないし、Cちゃんもそれを望まないと言います。毎朝、祈るような気持ちで幼稚園に送りだしているお母さんでした。  相談室でのCちゃんは緊張した感じでした。お母さんが抱っこして気持ちを聞こうとしても、落ち着かないようすで抱かれているだけでした。援助者が代わって、体の緊張をほぐしていくと、やっと気持ちが出て来て、「悔しい」に反応して泣いていました。お友だちと仲良くしたいし、みんながやることをちゃんとやりたいのに、できない悔しさがいっぱいでした。  そこでパズルをやってもらうことにしました。そのパズルはCちゃんには易しすぎるものなので、簡単にできるはずなのですが、Cちゃんはまるで難しくてできないのかとように、合わないところに無理矢理はめ込もうとしたり、間違ってはめて平気でいたりします。手を添えてやりたい気持ちを支えていくと、ピースをぐじゃぐじゃにして怒りだしました。  こんな時、簡単なパズルであっても、何かをやろうとするときの葛藤がそこに現れます。やろうとするとやれないのではないかという自信のなさも出てきて、「やろう」「やれない」の葛藤になるのです。挫折を乗り越えるときの葛藤のようになるのです。援助者が添えた手で、その葛藤を受けとめつつ付き合います。  ひとしきり「できないよ」「イヤダイヤだ」「やれないよ」の気持ちを受けとめよしよししていると、ある時ふっと「やろう」「やれる」という方の気持ちが立って、すっすっとはめ込んでしまいました。その後はお母さんの抱っこで甘え泣きもできて、緊張もほぐれ、Cちゃんの笑顔が戻りました。  お母さんはCちゃんのやりたいのにできない辛さを知って、葛藤に付き合い、「やりたい」気持ちを支えることを、これからの課題にして帰られました。そんなお母さんを支えていくからね。

【心を込めて名前を呼んで】

 5歳になったJちゃん。最近、言うことは聞かないし、大声で泣き叫ぶと手が着けられないし、幼稚園でトラブルも起こすようになって、幼稚園に行くのも嫌がることが多くなり、お母さんはとても困っていました。下に赤ちゃんが生まれてから、そんなようすがひどくなった気もするとおっしゃいます。どうしても赤ちゃんには手がかかし、お母さんは産後の体もまだ快復し切れていないしで、Jちゃんの寂しさもわかるけど、思うように相手をしてあげられないと、すまなそうにおっしゃるお母さん。  そんな時、Jちゃんの時間を作りたいと相談室に来られました。援助者が赤ちゃんを預かって、お母さんがJちゃんを抱っこです。Jちゃんはうれしそうに抱っこされましたが、もぞもぞと落ち着かなくて、目も合わせているようで彼方を見ている感じで、お母さんが、「Jちゃん、大好き」「かわいいJちゃん」「赤ちゃんが生まれても、Jちゃんの大好きちっとも減ってないよ」「お母さんの宝物のJちゃん」「かわいい、かわいい」と気持ちを伝え、ぎゅっと抱きしめるのですが、どこか届きにくくなっている感じでした。かといってイヤイヤも出てきませんでした。気持ちをどこかにそらしていて、今ここにいないように感じました。  そこで援助者が脇から、「じゅんちゃ~ん」「じゅんちゃ~ん」「じゅんちゃ~ん」「じゅんちゃ~ん」「じゅんちゃ~ん」と、大好きやかわいいや大事や・・の気持ちを込めて名前を呼びました。独りぼっちにならないでお母さんのところに居てという思いで呼びました。同じようにお母さんにも、呼んでもらいました。その呼びかけにJちゃんは、返事をしたり、「うるさいよ」と言ったりしていましたが、とてもうれしそうで、ちょっと呼ぶのが途絶えると、目で催促の合図を送ってきていました。「じゅんちゃ~ん」と呼ばれるほどに、お母さんからの降りそそぐ愛情を体いっぱいに浴びて、どんどん満ち足りていくのが感じ取れました。最後にはニコニコ笑顔がはじけました。  お母さんもそんなようすを感じ取られて、「こうして心をこめて名前を呼ぶことで、丸ごとのJちゃんを肯定してあげられるのですね。Jちゃんは存在を認めてもらえたように思えるのでしょうね」とおっしゃいました。  家に帰ってからも、ちょっとした合間に、お母さんは「じゅんちゃ~ん」「じゅんちゃ~ん」をしていたら、2人の関係はぽっかぽか♪、Jちゃんの困ったちゃんも減っていって、お手伝いもしてくれて、お姉さんJちゃんにもなってきたそうです。

「幼稚園に行きたくない」

 こんばんは ご無沙汰してます。以前にメールで色々お話したものです。寒くなり、「冬なんだな~」と感じていますが、もう12月なんだから当たり前ですよね。

 さて、今日はまたしても息子が幼稚園に行きたくないと登園を渋り、泣くようになったので相談したくなりました。月曜日の朝珍しく幼稚園について下駄箱で泣いて動かなくなりました。

 2学期に入って友達と遊ぶことも出てきたみたいで私としては安心していたのですが、みんなの輪の近くでなんとなく楽しそうに混ざっていたりするだけなんだろうなと思っていました。そういう場面もみたことあったし。また、ふざけて変な事言ったりやったりしているようでした。

 担任との個人面談では言葉よりまだ手が先に出てしまうことが多くて、友達とトラブルになることもありますといわれたりもしました・・・。表面上は慣れて楽しく行ってるようでしたが、心の中では葛藤もたくさんあったのでしょう。

 その日をきっかけに翌日は朝起きてから着替えも食事もだらだらして、「幼稚園は行かない。お休みする」といっていました。病み上がりでもあったので私も迷ったのですが、理由がわからないし、半ば強引に連れ出したら着くまでずっと黙ったまま。着いたとたんに大泣きで、ほかのお母さんたちからも心配されるほどでした。私が見えなくなると泣き止んでいたようですが、しばらくは先生にくっついて離れなかったようです。でも友達が遊んでいるのを見て、「ぼくもやる」といつものように過ごせたようでした。お友達のお母さんに、「うちの子ともめたみたいでそれで嫌がっているんじゃないか」といわれたりもしましたが、それだけが原因じゃないような気はしました。

 そして、帰ってからがまた激しい駄々こねで大暴れ。抱っこしてやろうにも力も強くなり足で蹴るわ、手で叩いてくるわで、私のほうも身構えてしまいました。

 慰めるにも大騒ぎだし、「ママの顔なんか見ない、ママ嫌い、パパ嫌い、幼稚園嫌い、お友達嫌い、先生嫌い、Dちゃん(自分のこと)も嫌い」と話にならず、私もお手上げで良くないなと思ったのですが、いったん抱っこはやめて放っておきました。そうしたら足で地団駄を踏んでひっくり返り、そのまま疲れて寝ていました。これで落ち着くのかと思いきや、目が覚めたらまた第二ラウンドの始まり。

 寝ている間に私ももう一度先生の本を読んだりして腰をすえて付き合うことにしたら、泣きながらも話を聞いてくれるようだったので、赤ちゃんだった頃の話をし始めたら、悲しそうにおとなが泣くみたいに泣くんです。私がびっくりしました。話しているうちに私も泣いてしまったら心配そうに顔を見ていました。

 そして今朝はまた行かないといってはいましたが、昨日ほどではなかったので安心しました。でもやはり着いたとたんに鉛の人形のようになっていました。

 今日は帰ってきてからも機嫌よくて、おやつを食べたら幼稚園でやったことの復習のようにいろんなことをやっていました。そんな中でぽつりと「Dちゃんは知ってるお友達がいないんだよ」と。一瞬意味がわからなかったのですが、私の予感はあたっていたんだ、と思いました。そして「この子は私と同じなんだな」と思ってしまいました。でも私は、自分が子どもの頃と同じ悩み?を抱えているわが子に、なんていってあげていいかわかりません。でもこれは親がしてあげられることって無いですよね?私はどうしたらいいんでしょう?

 なんだかだらだら書いてしまって、本題が見えにくいですね。すみません・・・。来週で幼稚園は冬休みに入ります。そうしたら一度抱っこの援助していただけるところにいきたいと思っています。

「幼稚園が始まりました」

〈第1信〉

 こんにちは。昨年の12月ごろメールしたものです。覚えていらっしゃらないとは思いますが・・・。あれから私の調子が悪くなり、自分でも情けなかったりで子どものことは二の次でした。また幼稚園の準備や用事も多く忙しかったので、子どもや自分に対してのんびり向き合う時間もありませんでした。

 ですが、先週よりいよいよ幼稚園が始まり、親子で緊張の日が続いております。息子はかなりの甘えん坊なので、慣れるまでは時間がかかることは覚悟していたのですが、子どもよりも私のほうが辛くて・・・。

 息子(3歳1ヶ月)の通う幼稚園はバスなしの所なので、毎日送迎をしています。それは苦労ではないのですが、周りの友達にも先生にも心を許さず、目もあわさないわが子を見ていると、悲しくなります。

 親は担任と相談しながら一緒についていても良いという園なので、私はまだ一緒に2時間半居るのですが、さっさと別れて普通に遊んでいる子がほとんどでびっくりしました。息子にも知ってるお友達はいるので、一緒に遊ぶように促しても私から離れることは無く、今までの自分の育て方や友達との付き合い方を省みるばかりでした。

 初日に力の強い子に突き飛ばされ、机にぶつかり大泣きしてから初めて家でワンワン泣きました。「Aくん(突き飛ばした子)はお休みだと思う」「幼稚園は今日は閉まってる」と、行きたくないことを言い出し、私も不安になってしまいました。

 私は昔保育の仕事をしていたこともあり、親の目じゃなく保育者の目で先生や友達を見てしまっている自分もいて、それもいやでした。まだ始まって何日もたっていないのだから当然なのに、落ち着いていないクラスに不安を感じたり、先生に苛立ちを感じたりしていました。

 偶然翌日、Aくんと話すことが出来、息子と同じ「ふりかけご飯が好き」と知り、息子も親近感が沸いたようでした。でも息子はそれからも毎日帰ってきてから泣き、夜にも泣き、朝起きても泣き・・・と繰り返していました。その度に、私は頑張ってる息子を励まし、幼稚園での楽しい遊びや先生のことを話していました。それを話していながらふと気づいたのですが、Aくんも実は新しい環境に不安があって、怖くて友達や部屋のものを投げたりしているんじゃないかなと。そう息子に話し出したら私も悲しくなってしまい、一緒にポロポロ泣いてしまいました。そうすると息子はびっくりしたように見て、「ママ泣かないで、泣いちゃダメ!」とタオルで顔を拭いてくれました。それがまたうれしいのと悲しいので泣いてしまいました。

 週が開けての今日は、昨日の夜から「幼稚園行かない!」と泣き、今朝も行かないと泣いていました。が、実際に支度をして外に出ると幼稚園までは元気に歩いていくのです。気持ちを紛らわそうとしてなのか、「歌を歌おう」「電車になって行こう」と話しながら。

 今週は少し離れようと思っていたので、それを察知してか、今日は手を離すことなく遊んでいました。結局今日も最後までいて帰ってきました。

 帰り道抱っこだの、歩かないで止まってだのと駄々をこねながらようやく家に到着してから、ゆっくり抱っこして話をしようとしました。が、「ママはトイレに行っちゃダメ」から始まり、ギャーギャーと怒って泣き、叩いてくるのです。色々と慰めの言葉をかけようとしても、抱かれることも嫌がり泣くので、少し時間を空けたら、しがみついて泣き出しました。「頑張って疲れたよね?」「ちゃんと歩いて帰ってこられてえらかったね」などと色々話しても泣くばかり。ふと「いっぱい頑張ったよね?」と聞いたら返事をしないので「少し頑張った?」と聞いたらちょっと反応が出てきました。

 もしかしたら・・・?と思い「頑張りたかったけど頑張れなかったの?」といったら激しくしゃくりあげて泣き出したのです。今日は「銀行へ行くから息子は遊んで待っていてね」と話したことを覚えていたのか、周りの子がママと離れていることを感じていたのかわかりませんが、息子はよくわかっていて一人で頑張りたいと思っているんだと知り、私もまたポロポロ泣いてしまいました。そして息子はちゃんとできること、ママは出来ると思っていること、ママは息子がいい子で大好きだということを話してあげるうちにお昼も食べずに寝てしまいました。そして今もまだ寝ています(もう2時間近く寝ている)。

 息子の生まれて初めての試練(?)に付き合うのは予想以上に辛くて、まだ幼稚園に入れるのは早かったのか、私が甘えさせすぎていたのか・・・と落ち込んでいますが、少しずつ息子の心の不安や緊張をほぐしてあげながら、楽しい時間を私からはなれて送ってくれればなと思っています。

 それと同時に、私のほうが思い込んでしまっていることが多いんだなと反省させられました。突き飛ばしてしまった子や先生に対してなどなど・・・わが子のことを大事に思うあまりなのかもしれませんが、「親バカ」なんでしょうね。

 「抱っこ」といっても先生のような横抱きでなく、膝に座らせながらの縦の抱っこですが、こんな感じでも平気なんでしょうか?

 相談というか、報告というか、確認したいというか・・・? 聞いて欲しくて話したくて長々書いてしまいました。読んでいただいてありがとうございました。


〈第2信〉

 あれからまた大波乱の毎日で、私のほうがへとへとです。

 数日前から私が心を決めて、先生も登園してきた子どもたちも落ち着いた頃を見計らって、帰ることにしています。ただ、こっそりは帰ってきたくないので先生に無理やり渡してという感じですが・・・。

 「じゃぁ、行ってくるね」と別れようとするとぐずぐず言うものの、「抱っこして」「おんぶして」「もっともっともっともっともーーーーっと抱っこして」と、自分なりに頑張ろうとはしているみたいでした。きりが無いので、結果的には無理やり・・・が、その後は先生から聞くと泣かずに頑張っていますよとのこと。お迎えに行ったときの様子だと、日に日に泣いた後が見られなくなり、幼稚園での様子を聞くとポツポツ答えてくれるようになりました。

 朝はそれで一安心なのですが、帰ってきてからが大変なんです。これでもか!!というぐらいのダダこね、というかケチをつけて荒れまくること寝るまで。作ったものを食べず、欲しいといったものを出せば違う、私にも物にも八つ当たりもいいところで、投げるわ叩くわの激しい怒りようで私のほうが耐え切れなくなり、怒鳴ったり、部屋から出て行ったりでした。それでも収まるところの無い状況にもうお手上げで泣いている息子を無視するしか出来なくなり、私も泣いてしまいました。

 たまたまその日は主人が早く帰ってきたのですが、そのとたんに息子はおとなしくなり、ばつが悪そうに私の後ろにくっつき、一人でしゃべりだし、いつものように振舞いだしたのです。それがまた私のカンに障るし、主人は私の様子に「またか・・・」という感じで何も聞かず、疲れているんだから休めばいいといわんばかりに早く寝ればいいと。それがまた腹が立つのですが、話もしたくなかったので結局その日は薬を飲んで寝ました。

 翌日は昨日の様子を気にしている息子は朝、「ママ、元気になった?幼稚園行かれる?」と聞いてきて、幼稚園でも泣かずに抱っこの儀式もせずすんなり別れたのです。そんなにも私を気遣い、息子は頑張っているのに私のほうが駄々こねに付き合えず、受け止めてあげられないなんて情けなく思えました。そして一人蚊帳の外のような顔をしている主人が「大丈夫だよ」といってきたときには、なんだかがっかりしたのと怒りでメールということも重なり「自分はいつも当たり障りの無いようにしかかかわってこない。本音がわからない」と不満をぶちまけました。家に帰ってきてそれの答えが「いつも言葉が足りなくてごめん」でした。お酒が入らなければプロポーズも出来なかった人なので、仕事も忙しく寝るだけに帰ってきてる状況では仕方の無いことと、私も割り切っているつもりでしたが、自分は外で働いているんだから・・・という甘えた?態度と、ママっこの息子に嫌がられてるのをいいことにマイペースの主人を見てると、沸々と些細な不満がわいてしまいます。今日も仕事なので帰ってきたら色々話をしたいとは思うのですが、私も話すのが苦手なのでどこまで納得するように話せるか心配ですが・・・

 今日は2人でいるのがつらかったので図書館、公園、児童館と息子の気の済むまで付き合い、帰ってきてまた食べる食べないで荒れまくり、最後は自分から抱っこされに来てカクッと寝てしまいました。周りの人から「頑張ってきているんだから、家では仕方ないこと。ぎゅーってしてあげればいいのよ」といわれると、余計に悲しくなります。「私だってわかっているもん!そうしてあげていたけど、そうする余裕がないときはどうすればいいのよ~~~!」と泣きたくなりました。母の方が前途多難です。

 また変化があったら報告(?)したいと思います。


〈第3信〉

 いつもいつも丁寧に読んでくださり、そして暖かく受けてとめていただいて、本当に私が救われています。その後の様子をお伝えしたくてメールをします。

 この前のメール後、主人が帰ってきて私が話す機会を考えていたときに、向こうから声をかけてくれました。「色々話していいよ。愚痴でも何でも」といわれ、いつもならその言葉にかえって怒りがこみ上げてくるのですが、もう私の気持ちも満杯でぷつっと糸が切れるようにはじけてしまい、ワーワーと声をあげて泣いてしまいました。どのくらい泣いたかわかりませんが、そのうちに呼吸が苦しくなって過呼吸になってしまいました。主人はずっとそばにいて手を握っていてくれ、呼吸の乱れを戻すように声をかけてくれていました(以前も私がそうなったことがあったので対応はわかっていたようです)。

 泣いている間にいろんなことが私の頭の中を駆け巡って話したかったことや、文句、息子に対する気持ちなど色々と出てきました。でも何か言おうと思っても言葉にならず、また泣くばかりでした。そうしているうちに息子を出産した時の事が蘇ってきて、陣痛のときのような気分になりました。主人は本当の陣痛のときには義母が来たとたんに、「痛がる私を見ていられなかった」という理由で部屋から居なくなり、タバコをすって気を紛らわしていたそうなんです。私の母も、私が分娩室に入ってからの到着で、私は心細かったのをうっすらと感じていました。そのことが急に思い出されて口から出た言葉が、「息子を産む時もこうやって居てほしかった・・・」でした。

 また息子はヘルニア持ちで7ヶ月ごろ手術をしています。それまではひどく機嫌が悪くよく吐いていたし、泣くとすぐ出てしまいそうすると痛がって余計に泣くのでの悪循環で、私も神経質になっていました。そして戻らなくなりいよいよ病院へ行ったほうがいいかなというときは、必ず主人は居なくて私一人でした。いざ手術のときも待合室でじっとしていられず、外にフラフラ出て行った主人でした。それも重なって思い出されました。

 主人の顔は見ていませんがきっとびっくりしたのではないかと思います。私もびっくりしたのですから。それからどのくらい時間がたったかわかりませんがやっと落ち着き、私は疲れ果てていました。その間息子は一人で本を読んだり、車で遊んだりしていい子にしていました。主人からその後何も言ってはきませんが、私の心の中にしまってあったものが吐き出されてすっきりした気分になり、主人に対するわけのわからない苛立ちが消えてきました。子どもが泣いたほうがすっきりするというのを自分で実感した気がしました。

 休み明けの今日息子は元気に幼稚園へ行き、朝自分から「遊んでからママ行って」と言い、園庭に出て行きました。しばらく様子を見ていましたが、大きいクラスの男の子達が来たら怖気づいてしまい「お部屋に入る、ママも来て」といい始めました。いつもの抱っこにおんぶにの儀式も終わっていたので、「ママはもうお部屋には入れないよ。ここでバイバイしよう」と話すと、渋ってはいたものの自分から靴を脱ぎ、「バイバイ」とちょっと寂しげに手を振って、一人で部屋に入って行きました。それからの様子は見えなかったのでわかりませんが、帰り道友達とも元気に戯れながら歩く様子から、ひとつ山を越えたのかなという気がしました。

 家に帰ってからまたお昼ご飯にケチをつけてきましたが、私も余裕が少しあったので、よしよしという気持ちでただ黙って抱っこしたり付き合っていたら、「もう寝る、ママと寝る」とお昼を食べずにすぐ寝てしまいました。

 息子が新しい世界で一人で頑張っているんだから、ダダこねにも付き合ってあげなくちゃと頭ではわかっているつもりでも、出来ない自分が情けなくなり、本気でわが子を嫌いになる自分に、母親の愛情が無いんじゃないか、息子に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも、阿部先生のお返事を読んで、こんな自分でもいいのかなと思えるようにすると、ちょっと楽になった気がします。

 「泣かれるとつらいのは自分の子どもの頃と重なるから」というようなことが、本に書いてありましたよね? 私はそれが当てはまるので「なるほど・・・」と思うことばかりでした。息子に対して、私がやってもらえなかったことをたくさんしてあげたいなと思っています。といってもどうなるかわかりませんが・・・。

「まばたきをするようになって」

 Kさん。
 1月の半ば頃、長男の事で ふと気づいた事がありました。冬休みが終わって、また幼稚園に通い始めたころから、変なまばたきをするようになっていたのです。主人共々おかしいナ、変だナと思いつつ1月に入っても治る気配はありません。私も段々注意するようになってしまって、これじゃいかんなと思っていました。

 幼稚園では発表会が近づき、担任の先生からは熱心に練習しているし、変わったことは特にないと聞きました。私がいろいろあったからなのか、それとも4月から保育園に転園する事がひっかかっているのか・・・母の心中は穏やかではありません。こりゃもう、Kさんのヘルプだなと思ってました。

 そんな中、明日が発表会だという日の帰り、いつになくぐずぐずモードで聞き分けもなかったので、「よーしっ」と思い、抱っこしてみました。あーだ、こーだと言っているうち、どうも発表会の事を話したがらないので、何かあったのか聞くと、
「オレ、本当は狼役やりたくなかった」
「どうして?」
「間違えちゃったんだよっっ!」

 長男クラスは発表会で“赤ずきんちゃんのオペレッタ”をやる事になり、その役決めが冬休み明けにあったようです(本人は日付まで覚えてました)。本人は狩人の役をやりたかったのに、手を挙げるタイミングを間違えてしまい、ずっとそのことを気にかけていたのです。
「そうかー、そりゃ悔しかったナー。じゃさ、せっかく明日発表会なんだし、狼さんやらなくちゃなんないんだし、今、お母さん聞くから、“狩人やりたかったよー、くそーっ”て言っちゃいな、すっきりするかもよ」
「か・・・か・・・」
って、
「そんなの言えねーよっっ」
「か・り・う・ど」
「狩人やりたかった!!」
言った後の晴れ晴れとした顔は忘れられません。

 翌日、無事狼役をやりきって、誇らしげな長男に感動しました。
 
 それにしても・・・後悔の念を引きずりながら、誰にも言えずに園では、一生懸命練習に打ち込んでいた子の気持ちを思うと複雑ですが、内心「そんな事だったんかい?!」と思ってしまった母は冷たい?!

 でも本人にとって、それは一大事だったのでしょうネ。「かっこいいオレが見せられない」とでも思っていたのかな・・・。今回の事で改めて、長男の成長を感じました。

 Kさん、いろいろ相談にのってくれてありがとう。私の背中押してくれましたね。そんな訳で、まばたきも治っちゃいました。

「出来事のあとから何かが違う」

〈第1信〉

 最近、もう少し早く気が付いてあげられればと自分を責めてしまうような出来事がありました。しかも、今まで順調にきていた下の子に・・・。娘がこんなに苦しんで、私に訴えてきたのは初めてなので、びっくりしました。

 保育園年長、この年でもお友達関係の悩みってあったんですね。どうやら同じクラスの女の子にいじわるをされていると、前から聞いてはいたのですが、たいした事はないだろうと、聞き流していたのですが、それが最近とんでもないことになっていていました。

 きのう行事があって、みんなで料理をしたのですが、その女の子に「○○ちゃん(娘)とは、口聞かないほうがいいよ」と、同じグループの子に言ったらしく、グループの子に話してもらえなかったと言ってきました。楽しみにしていた、イベントだったので辛かったし、悲しかったとわんわん泣いて、何で辛い気持ちに早く気付いてくれなかったのと、まずは、私に怒りをぶつけてきました。きっと、今日だけじゃなくて、前からたまっていたのかも・・・と思いました。

 だから、気付いてあげれなくてごめんね、辛かったねと、よしよしをたくさんしてあげました。すると、私も、娘の気持ちになってみたら、怒りでいっぱいになりました。どうしてするんだろう?と思い担任に事情をお聞ききし、園での指導を頼みました。

 しかし、娘の心の傷は癒されたのだろうかと心配になりますが、たくさん泣いたので次の日は、ケロッとしていました。なので、きっと乗り越えてくれるて信じています。


〈第2信〉

 今日は、びっくりする事がありました。私は週2回バレーボールの練習をしているのですが、とにかく子どもの習い事と曜日が重なっているため、仕事が終わってから慌ただしい時間を過ごし、ご飯を作って急いで練習に行くのですが、今日は、特に忙しく、家事を途中で止め練習へと出かけていきました。きっと帰ったら大変だ・・・と考えながら家へ着くと、テーブルの上はきれいに片づいていて、茶碗は、桶に浸水してあり、おまけに、布団まで敷いてあり、びっくりでした。

 誰がしてくれたの?と聞くと、下の子が「はーい」と。正直、胸が熱くなり、感動しました。布団なんて押し入れと上の段にしまってあったので、重かっただろうと考えると本当に感激しました。

 それに関係して、この頃、私に嫌な思いをしたことを、自分から言うようになった娘。この前、爆発してからいろんなことを話してくれます。今までは、娘はしっかりしているから大丈夫なんて思っていたので、泣き言はあまり聞いたことがありませんでしたが、この前の出来事のあとから、何かが違う?かもって思います。そして、とても成長を感じます。また今日は、娘のやさしさを感じました。思わず、ご報告したくなりメールをしました。

「息子が幼稚園に通い始めて」

 息子Aは、この春から幼稚園に通い始めました。幼稚園に行き出したら楽ができるぞー!と思っていたら、ちょっと甘かったです(笑)。

 毎日のように担任の先生から電話が入り、どうやらお友達から叩かれたり仲間はずれにされているようなのです。握りこぶしで連打されたり、胸をつかんで壁にガンガンぶつけたり、首をしめられたり・・・。息子は何も言わないので先生からの電話がショックでした。また相手のお子さんに怒りを覚え、許せないと感じました。2、3日夜も眠れないほどでした。今まではいつも友達の中心にいて明るく元気な子でしたから、人を怖がって友達の輪に入れないなんて・・・。

 それからは、そのお友達に「死ね!」「おばけはあっちに行け!」とか仲間はずれにされた話を聞くと辛くなります。また服のボタンがちぎれて帰った日もありました。とても穏やかな気持ちで見守ることが出来ません。

 そのお友達はご近所なので幼稚園バスも同じ場所から乗りますし、お母さんとも毎日顔を合わせます。その子は毎日幼稚園に行くのが楽しくてしかたないそうです。うちの子とは逆です。息子を傷つけていることを全く気にもせず楽しそうにしている態度を見ると、どんどんその親子がイヤになってきます。・・・情けないですが。

 これは息子が乗り越える問題なのは分かっています。でも心静かに見守ることができません。お願いだからそんなに楽しそうに私たちの前に現れないで!という心境です。すっかり私の問題になってしまってます。

 息子は・・・それでもそのお友達が好きだと言います。わたしには理解できません。いじめられても好きなんて。やり返すような人にはなってほしくないけど、せめて近づかないくらいしてもいいと思うのに。幼稚園では他のお友達からも誘われたり話し掛けられているようですが、その子の後ばかり追いかけてはいじめられているようです。

 勇気を出していじめている子(男の子)のお母さんに相談してみました。すると妹ができて寂しがっていること、家に帰るとずっと泣いていること、お父さんが厳しくて弱音を吐けずにがまんしていることなどが分かりました。

 そしてその子のお母さんが「Aくんはいじめられて辛いんだよ」と言うと「ボクだって辛いんだよ。先生はいつもボクばかりを怒る」と言ったそうです。・・・胸に響きました。

 確かにそうかもしれませんね。その子の立場で考えてくれる人がいなかったわけですから。その言葉を聞いてその子が許せそうな気がします(相手の子へ思いやりと愛情が注げるときと、無性に腹が立って「許せない!」と思うときがいまだにあります。だからぜんぜん偉そうなことは言えないのです。たかが3歳の子に本気で怒っていた私も私ですが・・・)。

 昨夜、息子が唐突に「ボクはぜったいに人を叩かない」と言いました。「あ、そう。そうだね」とだけ言いました。それは息子が叩かれなかったら学べなかったことだったのだと気づきました。今ごろ息子は泣いているかもしれない。でもその辛い気持ちから何かを学んでくれたらいいです。また息子が泣いているのをみて相手の子にも何かを感じてほしいです。

 息子のかんしゃくに振り回されていた頃がウソのようです。そんな悩みはどこかに飛んでしまいました。だから今悩んでいるお母さんには自信をもって言えます。「ぜったいに大丈夫!上手くいくよ」って。

 とは言え、わたしも悩みをかかえていらっしゃるお母さん達と一緒で、前向きでいられるときばかりではありません。自分の揺れる気持ちに右往左往しているのが現状です。

 くじけそうになったとき、わたしを支えているのは理想です。心の中に描いている「幸せ」のイメージです。息子が明るく本来の自分に戻れたらどんなに幸せでしょう。相手の子を心から許せたらどんなに幸せでしょう。誰も傷つけず、悪者を作らず、みんなが笑えたらどんなに幸せでしょう。愛に包まれ和気あいあいとした雰囲気の中に自分たちがいられたらどんなに幸せでしょう。ほんとうにこうなれたらいいなって思います。こういうことがすんなり出来ない自分が歯がゆいです。でもその思いもよく味わってみます。

 これは成長するためのチャンス!今はそう思っています。そして次から次へと親子で成長するために新しい課題が与えられるのですね。わたしも相変わらずヒーヒー言いながらがんばっています。親子で泣いたり笑ったりしながら・・・(笑)。

 これからもずっと先生方の活動を応援しております。

「叱られて落ち着いた」

 お忙しい中、お返事下さりありがとうございます。私の体調はだいぶよくなってきています。お気遣いありがとうございます。

 あのメール後、「あ!そうだ、自分のチャイルドを抱きしめるつもりで娘と接すればいいんだ」と言うことを思い出し、実践しています。

 慰めの抱っこより、娘は私と遊んだりしたいのかもと思い、じゃれつき遊びを夜寝る前にするというのを続けています。

 ですが・・・、ついに幼稚園の知育教具を勝手に持ち出してしまうという事件が起きました。私は知らなかったので、何でこんなものあるんだろうと思い、聞いたら「もらった」というので、怪しいと思いつつも信じることにしました。しかし、また翌日になって同じ教具を今度は二人分持ち出してしまったのです。すぐに幼稚園に引き返し、先生に一緒にお詫びをしに行きました。

 先生に叱られ、家に帰っても私に叱られパパにも叱られました。しかし、何故かこのことがあってからちょっと落ち着いたような気がします。

 落ち着きはしましたが、励まし方が難しいのでどうやってやるのがよいのか、今度うかがった時に教えていただこうかと思います。よろしくお願いします。

〈追伸〉
 今回の事件(教具持ち出し)は何故してしまったのか分かりませんが、変に勘ぐらず「やっちゃった」ぐらいに思ってもいるのです。先生と直接話しをしてみて叱り方を勉強させてもらったと思います。

 先生はとても上手に叱りました。さすがベテラン先生は違います。本人を叱るのではなく、行為そのものだけを叱る方法を見せていただきました。「悪いことに使う手ではなく、いいことに使いましょうね」と先生はおっしゃっていて、「なるほど」と思いました。そして、どうしていけないことなのかしっかり伝えていました。こういうときに必要な言葉も本人に復唱させたりと・・・。私の感情的な叱り方と違ってとても理性的に接していました。

 どのようにすれば子どもの心に届く叱り方になのか勉強になりました。その後も、娘自ら「今日はいいお手々だった」と話すこともあり、人の物を勝手に使ったりすることも減りました。

 多分、お姉さんになりたい気持ちと、まだ赤ちゃんでいたい気持ちと両方あるんでしょうね。その間で揺れているんだと思います。私の役に立つととてもうれしそうにしています。が、その反面妹が抱っこされているのを見ると、自分もそうしてもらいたい。夜中に寝ぼけて「ママ抱っこして!」と叫びますから。いじらしいですね。

「保育園でボーっとする」

〈第1信〉

 こんにちは。もうすぐ5歳になる長男のことで悩んでいます。昨年下の子が生まれ、私は現在育児休暇中です。来年の4月から復職する予定です。

 長男は、1歳から保育園に預けていますが、保育園ではよく「食事の食べが悪い」「活動中や給食中によくボーっとする」「字をよく読むが、字より絵を描かせて」といわれてきました。それでも去年あたりから、お遊戯会にも喜んで参加するようになり、運動会でもほかのお友達と混じってがんばれるようになり、初めのころこそ「どうしてみんなと同じようにできないのだろう?」とあせっていましたが、だんだんこの子なりの成長を喜べるようになってきました。長男も、去年は保育園の担任の先生が大好きだったようで、よく、私を呼ぼうとしてその先生の名前を間違って呼んでしまうほどでした。

 しかし、今年度に入ってからまた「朝から帰るときまでボーっとしている」「リュックのしたくも何もしないで、歌を歌ったりテレビアニメのことをはなしている。夜は早く寝かせているのか?ビデオの見せすぎではないか?字ばっかり読んで、公文式でもやっているのか?」等々、私たちにはまったく考えもつかないことばかり言われ、特に私は保育園のお迎えに行くのが恐怖の時間になってしまいました。

 そのころ、家では私たちも、下の子が生まれたのでそちらに手がかかる分フォローしてあげなくちゃ、と一緒に遊んだりお散歩に言ったりといろいろ気を使ってきたつもりでした。その反面、もう年長さんだから、朝おきたら、顔洗い、歯磨き、着替え、朝ごはん・・・自分でやらせなきゃ!とがんばらせ、家では前よりずっと成長したように見えていました。

 今思えば、下の子が生まれて不安だったのに、お利口に見せかけていたのだと思います。年度が変わって環境の変化がきっかけで、出てきた症状なのかな?と。赤ちゃん返りなのかな?とか。

 悩んでいる最中、知人からずっと以前もらった阿部先生の抱っこ法の本のことを思い出し、読んでみて、悩んだ末に自分で実践してみました。SOSのサインが、長男の行動に当てはまることばかりだったのです。

 2回ほどやってみましたが、やはり激しく抵抗されました。1回目、抵抗されてもがんばって抱っこし続け、聞いてみましたが、そのうち泣き疲れてしまったようで、問いかけに対して「うん、うん」とうなずくだけで、自分から訴えることなく寝てしまいました。2回目、あれだけ抵抗してきたのでもういやだろうな、と思っていたのですが、夜、寝る前、なかなか寝付けないようすだったので「どうしたの?」と聞くと、「下の部屋でお母さんと2人で寝たい」といいました。私の勝手な解釈でお話がしたいの?と聞くと返事がなかったのですが、そこで抱っこしてみました。やはり激しく抵抗され、「おりる~」「お父さんとこいく~」「くるしい~」といいましたが抱っこし続けました。でも、1回目と同様、なかなか視線が合わず、そのうち大好きなアニメの「トムとジェリー」の話をしだしてしまいました。最後は「保育園がいやだ」というところに落ち着いたように見えましたが、今度はお父さんとお話ししたいというのでバトンタッチしました。お父さんは抱っこ法を詳しくは知らないので隣に座って聞いていたようですが、保育園の先生がすぐ怒るので嫌い、という話をしていたようです。

 このまま、私のやり方で抱っこを続けていていいものかどうか、悩んでいます。ただ、わたしが手応えとして感じているのは、あれだけ離してくれと泣き喚いた割には、あとで何事もなかったかのようにしていることです。でも、なかなか本音というものは聞けないものだと感じています。近くに援助してくださる方がいれば、お伺いしたいです。


〈第2信〉

 メールの返事をいただき、ありがとうございました。本音が感じられるようになるまで、信じてやっていこうと思いました。

 先日初めてメールさせてもらったときには、家での様子に変わりなかったのですが、あれから家でもすごくわがままを言うようになりました。我慢せずに本音が聞けるようになった、と思いうれしい反面、こちらが参ってしまいます。

 今、保育園のお迎えは私が行っているのですが、帰り道、「こっちの道を通って!」それが通らないと、怒る怒る。「クリームソーダのジュースが飲みたい」といい、近くの自販機になかったので違うのにしてといっても、やだ!やだ!といって、助手席で暴れます。

 昨日は、病院にいってからでないと帰らない、と言い張ります。じゃあ一度診てもらおうか、と連れて行きました。下の子を抱っこしていたのですが、僕も抱っこ、というので、2人抱っこするからおいで、といっても「僕だけ~~」と怒るし、診察室に入るときにもそんな感じで一苦労でした。昨日は保育園の前で、初めて「行きたくない」と抵抗した、と主人が行っていました。今朝は、体操服に着替えるとき「行きたくない」とぽろぽろ泣いて、「給食がいやなの」と言いました。

 徐々に「いや」と言う気持ちが表れているととらえれば、私たちの考えている方向に間違いはないのでしょうか・・・。長い目で見れば、ひとつの成長と言っていいのかな・・・。と、毎日毎日心が揺れています。


〈第3信〉

 保育園では相変わらずみんなと一緒にできないことがほとんどで、園長先生と一緒に活動しています。先日給食の様子を見に行きましたが、「給食はいや~~」と、一人したくもせずに床にしゃがみこんでいました。園長先生が「今日はお母さんが見ててくれるから、がんばって食べるか」というとしぶしぶ動き出し、みんなと一緒のところで食べました。私のほうにちらちらと視線を送りながら。後半は園長先生に食べさせてもらっていましたが、それまでみんなのところでは食べることができずに、廊下とか別の部屋で食べていたとのことだったので、「案外しっかり食べてるな」と思いました。

 抱っこ法の本を何冊か読ませてもらっていくうちに、いい子にしようと育ててきたつもりはないけれども、知らず知らずのうち、泣かせないように怒らせないように、と親のほうが先回りして、この子の学ぶ機会を奪っていたんだなあ、と気づきました。そのような話を園長先生にしましたら、「そうだねえ、大事に育てすぎちゃったんだね」と言われ、まったくそのとおりだと思いました。

 「抱っこ法」って、何も特別なことではなく、考えてみれば当たり前のことなのに、自分の子をいざ目の前にすると、気づかなかったんです。そのことに気づかせてもらえて、本当によかったと思います。


〈第4信〉

 援助者の連絡先を教えてくださりありがとうございました。お礼の返事が遅くなって申し訳ありません。

 長男のほうは、保育園ではまだまだ集団の中に入れないこともありますが、今までできなかった給食後の歯磨きや、嫌がっていたお散歩にも行けるようになってきました。お迎えに行くと、前のようにベットに寝ているというようなことはなく、みんなと一緒に何か活動していたり、できなくても何かやって遊んでいたりします。

 うれしいのは、帰るときに友達から長男に「バイバイ!!」「ぼくのおうちにあそびにきてよ!」などと、声をかけてもらえるようになったことです。こんなわがままな子なのに仲良くしてくれているお友達がいることが、本当にありがたいです。

 あれから、まだまだ悩んだり、落ち込んだり、人のせいにしてみたり、いろんな本を読んで考え込んでしまったり・・・という毎日ですが、ひとつ、思ったのは、私自身がもっと自立したおとなになる努力をしよう、ということです。

 目先のことばかりを気にしたり、人の言うことを気にしすぎたりするのは、自分に自信がない=自分が好きになれない、ということじゃないかな?と。そういう態度が一番、子どもに伝わってしまうんですよね。そういう自分もいていいけれど、子どもをどんなおとなにしてやりたいか、それには、親として何をして、何をしないか、(これが「ボス」になるということなのかな?)考えて過ごさなきゃ、と最近では思うようになりました。

 保育園の先生にも、前は「迷惑をかけてすみません」という気持ちばかりが先にたってしまっていましたが、子どもの表れについて相談しよう、とか、要望も、自分の言葉で伝えよう、と思えるようになってきました。私は時間に余裕があると、考えすぎてしまう傾向があるので、育児以外に自分が打ち込めるものを見つけたほうがいいのかもしれません(仕事以外に・・・)。

 子どもの思いに共感しつつ、自立を促すしつけをしていくのは、自分がそんな風に育ってきていない場合には、本当に難しいことです。時として、共感が甘やかしになってしまったり、しつけが脅迫や怒りに変わったりしていることもあります。でも、常に自分の言動を振り返って、両方のバランスをとっていこうと思います。時には間違えてしまうこともあるかも知れないけれど、それも「バスの乗客の一人」と思って、悪かったことを素直に謝って次に生かしていけばいいのかな?と思います。「こんな風に冷静になってる自分って、えらいじゃん」って、少しずつ思えるようになってきました。自分のことを好きになれない親が子育てしたら、その子どもも自分に自信がもてませんよね。

 今は何とかひとつの壁を乗り越えられそうですが、またこれから先、壁にぶつかったときには、相談させてください。自分のこと、子どものことを冷静にはなかなか見れないので、メールを何度も読ませてもらって、勇気が出ました。本当にありがとうございました。今後も、よろしくお願いします。


〈第5信〉

 その後の子どもの様子ですが、保育園で以前のようにボーっとしていることはほとんどなくなったようです。その代わり、先生や友達の前で、かんしゃくを起こす(たたいたり噛み付いたり…)ようになって困らせているようですが、仲のよいお友達もできて、今のところは元気に行っています。

 家では、早寝早起きを心がけ(月並みですが)、「いや!」とか「えーっ!」といえるような状況を作るようにしています(主人とは、「“小さいハードル”を作る」といっています)。日常の小さいことを我慢できるように励ます、ほんのそれだけのことで、ずいぶん変わってきた気がします。以前は、泣かせないように=いやな気持ちにならないように、と育ててきてしまったので、いつも自分の思いが通ってきてしまったのですね。「毅然とした態度で接する」の本当の意味が、やっとわかってきました。

 同じ年代の子と比べると、まだまだ…と思ってしまうことも正直言ってありますが、「どんなおとなになってもらいたいか」ということを、どんな場面でも頭において接していけばいいかな、と、自分なりにきをつけています。また、相談にのってください。よろしくお願いします。

「幼稚園で食べないし、トイレにもいかない」

〈第1信〉

 初めてお便りします。もうすぐ妊娠8ヵ月で、3才11ヵ月の娘がいます。今年の春から幼稚園へ入園しました。

 娘のことで相談ですが、赤ちゃんの頃から感受性が強く、とても緊張しやすい性格です。改まって声をかけられたり注目されると、心とは裏腹な行動をするタイプで、幼稚園で転んだり、砂をかけられても泣かないで変に我慢してしまうところが多いです。5月から長時間保育で週一回給食、あとはお弁当を持参しているのですが、今までお弁当を食べて来たのが3回だけで、しかも一口だけでした。詳しく言いますと、プチトマト1個食べたのが2回、スイカだけ食べたのが1回で、給食は一度も食べていません。

 理由を聞くと、“皆と食べるのがいや”“家で食べたい”と言います。“別室でひとりなら食べる”と言うので、先生に相談して別室で食べさせてもらおうとした時がありましたが、その時はその部屋に入るのも嫌がり、結局いつもの皆と食べる部屋にも戻れなくなってしまいました。それ以来、お弁当のふたをあけることも出来なくなってしまったようです。

 以前『心を抱きしめると子育てが変わる』の本を読み、“皆と食べるのが不安なんだね。初めての幼稚園でまだ皆と一緒に食べる自信がないんだね。でも、トマトやスイカを食べられたことがあるから、だんだん食べられるようになるから大丈夫だよ”と、抱き締めて時々言うのですが、全く食べられない状態が続いています。4時過ぎまで何も食べないので、フラフラになって帰ってきて、帰宅後お弁当と夕飯を食べ、2食分を一度に食べるのでお腹が痛いなどと言いながら7時前後に寝ています。

 幼稚園の先生には長期戦で見守って行きましょうと言われましたが、皆が美味しそうに食べている間、お腹がすいていて食べたくてもふたをあけることさえできない娘を思うととてもつらく、このまま続くと健康状態も心配です。

 幼稚園では元気に外で遊び、お昼以外は問題がないそうですが、トイレをずっと我慢して、一度も先生に自分から言えず、ずっと我慢するか、我慢できずもらしてしまったことも4~5回あります。おむつがとれてからほとんど失敗したことはなかったのですが。

 “自分からトイレと言えない。先生に言われても出ないもん”と言うところも気になっています。“どうして初めての幼稚園で○○ちゃん(友達)はお弁当食べられるの?どうして○○ちゃんはおしっこって先生に言えるの?”と不思議そうに聞きます。他の友達のように、先生に甘えたり、転んで血が出ても“ばんそうこうはって”などと自分の意志を伝えることができないようなのです。

 それと、入園前からなのですが、朝起きて私がいないと泣き叫び、大暴れして私を呼びます。最初はすぐに行って抱っこしていたのですが、“一緒に寝て”としつこく言い、“朝御飯の準備があるから台所にいるから安心してね”と声をかけても不安なようで、離れようとすると大泣きして抱きついてきます。“ママがいなくなる、ママがいなくなる”と何かあるごとに泣き叫んでそう言います。3月に切迫流産で一週間入院したことがあり、その時は祖父母の家で預かってもらい、とても聞き分けがよく、おりこうにしていたそうです。

 入院前は入院することをきちんと話し、娘も泣いてはいましたが、頭では何となく理解してくれていたようです。が、退院してから間もなく朝の大泣きが始まった気がします。“入院していた時寂しかったんだね。おりこうにしていたけど、ママがいなくて我慢して大変だったね。これから赤ちゃんが産まれる時はまた入院するけど、入院前にはちゃんと○○ちゃんにお話して、赤ちゃんが産まれたら○○ちゃんの所に帰ってくるから、だまっていなくなったりしないから安心してね”と慰めても朝の大泣きは変わらず、私も朝の忙しい時間にイライラしてしまいます。

 落ち着くまで抱き締めたほうがいいのか、きちんと説明したらあとは放っておいていいのか、どう対処したらいいのか悩んでいます。今、切迫早産で安静を指示され、娘とも外で遊んでやれず、抱っこも座ってどうにか抱っこしている状態です。娘を妊娠中にも切迫早産で2ヵ月以上出産まで入院していました。その頃から娘は心で何かを感じていたのでしょうか。

 朝の大泣きが始まった頃から(だと思いますが)ダダこねがひどく、何ごとにも“嫌だ”と言ってとても反抗的な態度が続いています。何でも変に我慢したり遠慮してしまうところがあり、素直じゃないそぶりや言動を見せる娘の心の奥深くには、私にも気付かない苦しさや悲しみがたくさんあるような気がします。


〈第2信〉

 大泣きやダダこねは子どもにとってとても必要で、良いことなんですね。目からウロコです。幼稚園から帰宅後はいつも不機嫌で特にダダこねがひどく、空腹と眠さと疲れのせいだと思いながらも、私もいらいらして付き合っていました。初めての集団生活でたくさんのストレスを感じ、身が持たなくて、発散させていたんですね。

 家ではできるだけ甘えさせて、たくさん抱きしめてあげようと思い、今日は私もいつもよりおおらかな気持ちで向き合えたように思います。遠慮がちにうれしそうに何回も抱きついてくる娘がとても愛おしかったです。今までも甘えたかったのに、もしかしたらお腹を気にしてとても遠慮していたのかなと感じました。

 また娘が5ヵ月の頃に腰を痛めてしまい、それから抱っこするのも絶えず腰を気にしながらで、すぐおろしていました。そのことが少し気になったので聞いてみると、自分のせいで腰を痛めたんじゃないかと気にしていたようなのです。“○○のせいじゃないんだよ。あの時は変な姿勢をして腰を痛めてしまって、たくさん抱っこできなくてごめんね。座ってだったら大丈夫だから、いつでも抱っこしてあげるよ”と言ったら少しほっとしたようでした。

 私の心の中に、次の子が産まれてからも毎朝大泣きとダダこねがひどい状態が続いたらどうなるのだろう・・・という思いがあり、今のうちに娘を自立させなきゃと突き放そうとしていたのだと思います。でも、突き放そうとすればするほどかえって甘えたり離れなくなったりして逆効果なんですね。あまり先のことは気にせず、今は何より安心して過ごせるような甘えられる環境にしてあげたいと思いました。

 今日はまたうれしい事が一つありました。“幼稚園でトイレ行って来た”と言って帰って来たのです。先生には言えなかったらしく一人で行ったらしいのですが、“えらかったね。よくできたね。”とたくさんたくさん褒めてあげました。

 お弁当はまだ一口も食べられない状態が続いていて、“家で食べたい。ママと一緒に食べたい”と言いながら今日も帰宅後食べていました。健康面では心配ですが、あまり“食べてね”と言うのもかえって本人がプレッシャーになるかと思い、“明日は食べられるといいね”と言うくらいにして、そっと見守っていこうかと思ってます。


〈第3信〉

 大変お世話になります。先月相談した者です。
 幼稚園でお弁当を全く食べられなかった娘ですが、先月半ば頃から、一口、ふた口と食べられるようになり、今月に入って全部食べてくるようになりました。トイレも失敗することはたびたびあるのですが、“○○ちゃんと一緒にトイレ行った”と言うこともあり、徐々に慣れて来たようです。お昼を食べられるようになってから、本人も自信がついたのか“遊ぶ顔つきが変わってきた”と先生にも言われました。色々心配ではありましたが、夏休み前にお昼を食べることができるようになって、園生活も楽しく過ごせることができるようになりました。お陰様でありがとうございました。

 幼稚園からの帰宅後や、朝の大泣き&ダダこねは相変わらずほとんど毎日で、2時間近く泣き叫んで大暴れすることもあります。私も9ヵ月半ばに入り、ついお腹をかばってしまい、少し離れて様子を見ている感じですが、私に少しでも叱られたり、突き放されると感じると、“ママが大好きママが大好き”と大泣きして足にしがみついてきます。まだまだ精神的に不安が強いようで、2番目が産まれるとますます不安定になるのではと心配ですが、“大好きだよ”と言う言葉かけと、抱っこできる時は抱き締めてあげたいと思っています。

 9月からまた幼稚園が始まり,二人目の世話等で多忙になるかと思いますが、なるべく娘が家にいる時は上の子を優先して甘えさせてあげたいと思います。突き放すより、甘えさせることの方が娘にとっては大切なんですね。

 色々と不安は尽きませんが,少しでも良い方向に向くようこれからの時期乗り越えたいと思います。

「これでいいのか迷いながらの抱っこ法」

〈第1信〉

 こんばんは、私には1才9ヶ月の娘がいます。娘は生まれた頃からよく泣く子でした。それもかわいいって感じの泣き方ではなく・・・、今もよく泣いています。泣くというか、すぐに怒るという感じです。ちょっとしたことでも怒るんです。自分がしてほしかったこととちょっと違ったり、食べ物が欲しくてももらえなかったり(おやつ・食事は決まった時間にあげてるんですが、おやつを限りなく欲しがるときもあるんです)、一度怒り出すと、ひたすら泣き叫んでいます。抱っこ法を試してはみるんですが、いまいちわかりません。30分でも泣いています。何がいけないのかさっぱり分からなくて一緒に泣いてしまいたくなります。周りにはわがままだと言われてしまうのも悲しいです。

 もう一つ気になることがあります。それは言葉の発達は早いほうだし、語彙も多いと思うんですが、他人に会うと、あいさつが出来ないんです。もちろん無口になってしまいます。知ってる人なのに、あいさつをどれだけうながしてもしてくれません。それでもしばらく一緒にいれば別れ際にはバイバイは言えてたはずなのに、最近はそれすら言ってくれるとは限りません。

 昔から人見知りが激しく、他の人には絶対に抱っこさせない娘でした。人見知りが少し治まってきたかなと思うと、また急に人見知りしてるのかなと思うときがよくあります。なかなか笑顔も出ないので親としては悲しいです。4月から託児所に行ってるんですが、1ヶ月くらいで慣れてきて、帰り際には先生にバイバイを言っていたのにGWあけから先生にバイバイも言ってくれません。さっさと帰ろうとしてしまうのです。先生にも最近はあんまりしゃべってくれないし、すぐに顔を背けたりしちゃってます、と言われました。

 きっと何か我慢してるんでしょうか?
 思い当たるところで、おっぱいを1才2ヶ月で一応言い聞かせてやめたつもりだったんですが、まだはやかったのかも・・と思い試しに聞いてみましたが、泣き方が変わるとかいうことはわかりませんでした。悩みはつきることがありませんが、とりあえず、上記2点が非常に気になっています。


〈第2信〉

 あれからまた何度か娘が大泣きしたときに抱っこ法試みてみました。何度かやってみましたが、いつも分からず・・・。でも今日はもしかしてちょっと近づけたかもと思うことがありました。

 今日も託児所から帰った後、いつもと同じように夕飯を食べ、主人が帰宅するまで一緒に遊んでいました。その後、パジャマを着せて寝かせようとしたところ(昨日まで風邪をひいていて、入浴は今日までおやすみなので)、服を脱ぐのを嫌がって大変!でした。それでもなんとか脱がせたんですが、パジャマはがんとして、着てくれず、怒り泣きが始まりました。

 なんとか気を静めようと主人と二人で頑張ったんですが泣きやまず、抱っこ法をしてみようと思いました。結局いつもと同じく探せなかったんですが、ひたすらいろいろ聞いてみたい!と思い、主人には席をはずしてもらいました。

 横抱っこは意地でもさせてくれず、でも私のひざに座りたがったので、座らせました。そして、娘はさっき消してしまった電気をつけろつけろと泣くのでつけてみました。娘は泣きながらまた私のひざに座り私の両手を自分のおなかに持っていきました。私はおなかが痛かったの?と聞いてみましたが泣きは激しくなり、どこか痛かった?と聞いても変わらず。じゃぁ・・と思い、おなかの中で真っ暗で恐かった?と聞いたら少し変わったような気がしました。もしかして・・・と思い、真っ暗なおなかの中にいたのに、ママはいつもいらいらして、パパとけんかばっかりして寂しかったんだね?って言うと、泣き方が優しくなりました(そうか、ごめんね、ママいつも怒ってばかりいて一人で真っ暗なおなかの中で寂しかったんだね、それなのに産まれてからもイライラしてばかりで、悲しかったんだね?産まれてきてよかったのか悩んでたのかな?)、という感じで聞いていきました。さらに(産まれてきてくれてありがとう)とも言いました、すると、娘は急にすやすやと寝ていったのです。

 すごくビックリ!しました。たまたま眠かった時間だったのもあるのかもしれませんが。成功したのかどうかは分かりませんが、なんとなく娘に近づけた気がしました。嬉しかったです。

 さて、HP先ほども読んでいましたが、読めば読むほど娘には何かあると感じてしまいます。気がかりな子にしっかり当てはまってしまうんです。すごく悲しいですが、事実をしっかり受け止めて娘を救ってあげたいです。○○市に援助者の方がみえるということですよね。時間があえば、助けて頂きたいのですが、仕事を始めたばかりで平日には時間がとれそうになくて・・。時間がとれそうな時に是非お力をかりたいと思います。その時はよろしくお願いします。


〈第3信〉

 さてさて、娘ですが・・・、今週からちょっと変わってきた気がします。先週、出産前に寂しかったんだねって話をした後、ふと、そういえば最近託児所に頑張って行ってることほめてあげてなかったなと思い出して(事後のねぎらいっていうのですかね?)、行きだしたころは一応頑張ったねって言うようにはしてたんでしけど、最近慣れてきたかなって思うようになって忘れてしまってました。ひょっとしたらその寂しさもあるかもと思い、抱っこ法ではないのですが、寝かし付けてるときに隣で今日も一日頑張ったね、寂しいよね、ごめんねなどと語りかけてみるようにしました。明日もよろしくね、とちゃんとお願いしたりもして。

 それがよかったのか、今週になって託児所でたくさんお話するようになりました。さらに前は帰りの車でよくぐずっていたのにぐずらないでCDにあわせて大きな声で歌ったり。家についてからもべったりだったのが一人でよく遊び、ご飯ばかりせがむこともなくなりました。こんなに急に変わられるとまた何か我慢してるんじゃないか、頑張りすぎてないか心配になるんですが。とにかくうれしいです。これからも語りかけ続けようと思います。

 まだあれこれ悩むことはありますが、気長に見守りたいと思います。では、またいい報告できるように頑張ります!