カッとなる・乱暴する

「聞きかじりの抱っこ法で」
「八つ当たりしていいよ」
「私の抱っこ」
「ピシャリ!と言ったら」

「聞きかじりの抱っこ法で」

 私は、主人と1歳半の息子の3人暮らしですが、息子の行動に頭を悩ませていました。すぐに人を叩いたりおもちゃを投げつけたり、それを止められるとアーーーッ!!と奇声を発し怒りまくる。1歳を過ぎたころからそういった事が多くなりました。

 この3か月ほどは私のほうもイライラしてばかりで息子のことを疎ましく思う日もありました。そんな時知り合いに抱っこ法の事を教えてもらい、このホームページを読み、私なりにやってみよう、と思ったのです。

 実は息子がどうしてこんなふうに乱暴をするのか、私にはなんとなく思い当たることがあったのです。でも、自分でそれを認めたくない、という気持ちがありました。でもこのままじゃダメだ、息子ときちんと話をしなくちゃと思い、
『赤ちゃんの時ママが何度もぶったから嫌だったの?』
『パパとママがけんかばかりしていて辛かったんだね』
そう言うと今まで怒って私から離れようとしていた息子が『ウェー』と言い、息子独自の"怖い"のポーズをしたのです。私は泣きながら謝りました。何度も何度も謝っていると息子は『もういいよ』と言わんばかりに私の肩をトントンしてくれました。

 初めての子育てでストレスがたまり、生後3ヶ月頃は毎日主人とケンカをし、その怒りを息子にも向けてしまい、手やタオルで何度もぶったことがありました。こんな小さい子なら何も覚えていないだろう、これぐらいなら皆やってるんじゃないか、仕方のない事だ、と自分の行為を正当化しようとしていました。

 でも息子と向き合い話をし、謝り許してもらえたことで今まで以上にすごく分かり合えたような、スッキリとした気分になりました。

 以来息子は、お友達からおもちゃを奪ったり叩いたりすることも減り(たまーに手が出ちゃいますが)、ちゃんと"貸して"のポーズをしたり、"どうぞ"とほかの子に貸してあげるようになりました。

 そしてこれは私自身が一番びっくりしているのですが、息子のやりたいことや気持ちが手に取る様にわかるようになってきたのです。
『○○がしたかったね』
『うれしいね、よくできたね』
そう言ってあげると息子もスッキリしたような顔をするのです。おかげで今ではものすごく仲良しですよ!

 聞きかじり(読みかじり?)の抱っこ法でしたが、心の中がメチャメチャになっていた私はこの方法に出会えた事に本当に感謝しています。ありがとうございました。

 これからも親子3人(そろそろ4人にしようかな!?)仲良くケンカしながらともに成長していこうと思います。本当に本当にありがとうございました。

「八つ当たりしていいよ」

 『贈る言葉』、頷きながら、心の中で一緒に歌いましたよー。あの歌、父も好きだったんですよね、確か。

 そうなの、信じられぬと嘆くより、信じて傷つく方がいい、それなんですよね。傷つきたいわけじゃないんだけど・・・。

 私自身にいろいろあったのもあって、子どもたちの抱っこなんて当然できるはずもなく、今Mちゃんはお遊戯会の練習まっただ中。毎日帰宅後は八つ当たり、激しい喧嘩、ひどい言葉づかい・・・・・。うまく発散しきれてないんだろうなあ、あー、私が受け止めきれてないなあ、、、、と思いつつも、です。

 女の子のお友達とちょっと仲たがいがあったらしくて、この頃はずっと男の子と遊んでいて、その様子を見ていて、まあ笑って楽しそうにしていたからいいんだけど、子どもなりに幼稚園では本当にいろいろあるんだよね、って。それは分かっているし、受け止めてあげたい気持ちも、あるんだけれど。

 連日の「ママのバカ!!」に、毎回、「ママはバカとか嫌いとか言われるのは嫌なの! それを言われたらMちゃんの気持ちを受け止めてあげたくても、受け止める余裕がなくなっちゃうくらいいやなの! だからやめてね、って言ってるのに、また言うなんて、いい加減にしてー!!」と怒っちゃってます。

 ママのバカは愛の言葉、信頼の証、って頭でわかっててもね・・・・。だって、いやなものはいやなんだもん。バカなんて言われたくないし、嫌い、なんてもっと言われたくない。怒りついでにつねられるのだっていやだし、叩かれるのだっていや。いやなものは嫌だし、受け止めてあげたいけど、無理なものは無理なんだもんっ。ごめんね、って思うけれど。

 この前朝日新聞の「ひととき」欄に、高校生の息子さんが何やら悩みがあるのか、帰宅後ずーっとムッツリ黙り込んでいて、あれこれ話しかけてみたけど無反応。最後に、「じゃぁ、やつあたりしていいよ、それが親の役目と思っているからね」と言ったら、初めて息子さんが顔をあげてニヤッと笑って席を立って行った・・・・。

 っていう話があって。すっごーーーーいっ、このお母さん!!!!抱っこ法を地でいってる・・・・。愕然としながら尊敬しました。たしか、39歳の方だったと思うんだけど、あと○年後、私はそうなれているだろうか・・・・・。今の私は子どもに向って、「これが嫌だったとか言ってくれれば受け止められるけど、八つ当たりされても受け取れない!」って断言しちゃってるし・・・・・

 あー、だめだめですねぇ。(^^;)

 本当は、してあげたい、んですよ。抱っこしてあげたい、やさしくしてあげたい、受け止めてあげたい。いつも笑って見つめてあげたい。そうできない今の自分、しょうがないけど、うーん、やっぱりちょっと責めちゃうなぁ。

「私の抱っこ」

 2歳7か月になる娘は、やたらとハイハイやよちよち歩きの赤ちゃんにつっかかります。「だめっ」「ばかっ」「きらいっ」のオンパレードで、同じ年頃のお友だちとけんかするよりも、むきになって顔つきを変えて怒ります。近所のお母さんたちに話してみると、「うちもそうだったしい、みんなそれくらいの赤ちゃんのこといじめるのよねー」というので、私もあまり気にせずにいました。抱っこをしていくうちに、本当に時期的なものかと思っていた矢先に、1歳1か月になる従弟に、いつものようにつっかかるので、抱っこして気持ちを聞いてみました。ひとしきり泣いて落ち着いたときに、

「なんで従弟に怒るの? 従弟が嫌いなの?」
「きらいじゃない」
「従弟くらいの時につらいことあって思い出すのかな。怖いことあった? 悲しかった? さびしかった?」
などと聞いても、はじめはなんにも答えてくれませんでしたが、突然、
「さびしー」
と言ったのです。
「さびしかったんだー」
と娘に共感して言うと、
「ママー」
と大きい声で泣きました。いろいろ聞いていくと、それはもうビックリで、従弟くらいの時のママ(娘の母親である私)が寂しかったということで、泣いてくれたのです。1歳くらいの赤ちゃんを見ると、その頃の私を感じてつらくなり、赤ちゃんにあたってしまうのです。

 もちろんそんなことは私自身覚えていませんが、阿部先生いわく、「つらすぎることがあると思い出したくないので、無意識にその思い出にふたを閉めてしまう」そうです。私のふたはきつーくしまっていて、私にも誰にも見つけられませんが、娘にはすべてが見えてしまうのです。まるで、心の目とか第三の目とかがあるように、かくしたって娘にはすべてお見通しよとでもいうように、毎週の「抱っこ」のたびに、すばらしいことを教えてくれます。逆に「抱っこ」される気分です。

 今娘と阿部先生の最強のペアのおかげで、私の心のふたがだんだんとゆるんできているのがわかります。
「あー、娘と阿部先生に会えてよかった」
「大好き」
「ありがとう」
なんかラブレターになっちゃったみたい。

「ピシャリ!と言ったら」

 この間はお世話になりました。久しぶりにお会いできてとても嬉しかったです。気持ちを聞いて受けとめてもらい,身体が軽くなったように感じでした。ありがとうございました。

 次男のことで相談に伺ったけれど、長男の方がメインでしたね。次男の出産前から,少しずつたまっているなとは思っていましたが、相当頑張っていて,上手に甘えられなくなって、生意気な口をきく“ツッパリ”になっていたことがわかりました。

 淋しくて仕方なく、でも「お母さ~ん!」と言えず、「放っといてよ!」とばかりに暴言を吐き、淋しさをまぎらしていたのですね。

 気持ちはわかっていましたが、体で受けとめてあげることができていなかったことに気づきました。秀雄先生に,「お母さん負けないで!」と何度も言われ、長男のもがきに負けてしまい、心の中で、だって長男の力が強いから~と思っていましたが、私の気持ちの方も負けていたからだったと思います。

 先日の夜、長男がお父さんとおふろに入ると言ったので、私と次男が先に入り、出た後おっぱいを飲ませていたら、「やっぱり、お母さんと入りたくなっちゃった。お父さんと入らない。やだやだ」と騒ぎ始めました。おっぱいをあげながら,明日入ろうとか、急にお母さんがよくなっちゃったんだねなどと、いろいろ言いましたが,エスカレートするばかり。

 直前に,昼間に私と遊んだことを話して,楽しい思いがよみ返ったようで…。途中私も、こういうことあるよなー、でも次男を寝かしつけなくちゃだし…と葛藤。

 おっぱいを飲ませた後、主人に次男を抱っこしてもらい、私は長男を抱っこして話したら、ものすごい勢いでもがきました。その時私が抱っこしながら、「今日はお母さんは入れないよ!」とピシャリ! けっして怒るわけでもなく,すっきりした気持ちで言ったら、急に長男の力が抜けて、ワーッと甘え泣き!! しばらく泣いた後、私と手をつなぎおふろへ。そしてお父さんと笑顔で入りました。

 先日の相談の時もそうであったように、私は子どもの気持ちに寄り添い過ぎ、自分がつらく悲しくなりがちです。そうすると子どもは、元気に私に甘えられないのですよね。

 この日の夜の体験から、またひとつ、癒しの子育てを学びました。