ダダこね・かんしゃく・聞き分けがない


【甘え上手は少しずつ】

 2歳2か月のIちゃん。ダダこねがひどいということで相談に来られました。ママの話しをお聞きすると、ママが心配事でいっぱいっぱいになっていて、Iちゃんはそんなママを心配して、気持ちを一人で抱えて頑張ってくれていたことが分かりました。Iちゃんのダダこねがひどくなったのは、甘え下手さんになっていた表れだったのですね。

 ママに抱っこしてもらったのですが、我慢していて気持ちが出てきません。そこで援助者が抱っこを代わり、お手伝いをしようししましたが、「ママのこと心配だったね」に反応はあるものの、なかなか我慢が外れません。そこでママの心配事の話しに戻ることにしました。

 ママは原発事故の後、放射線のことがとても不安でいたけれど、パパは病気が治ったばかりで心配かけられないし、両親は気にしたら食べるものがなくなるよという感じだし、ママ友もどう考えているのか分からなくて話せないのだそうです。自分でも、もっと大変な状況にいる人がおおぜいいるのに、こんなに不安になってしまう自分はおかしい、気にしすぎなのではないかと自責の念にもなる、ということでした。ママが話されて涙を流し、ちょっとほっとすると、Iちゃんもちょっと力が抜けました。

 そこであらためてIちゃんの慰めになりました。今度は、「ママが心配」で泣き出しました。「心配してくれてたんだね」とママもまた涙し、ママの抱っこに代わったら、抱き合って2人で泣いていました。母子の気持ちが繋がりました。

 でもまだしっくりしない抱き心地のように感じ、また援助者が抱っこして深めていくことにしました。Iちゃんはすぐに一人で頑張って甘え下手になりやすいのですが、それはいつからかなあと生育歴をたどっていくと、生まれてすぐにICUに2週間近く入っていて、そこからだということが分かりました。その時はのことを慰めていっぱい泣いて、そうして頑張ってくれてありがとうを伝えて、お母さんとまた気持ちが繋がりました。

 きっかけが分かって、そのことを慰めたことでちょっと甘え上手になったけど、どうしてもまた甘え下手さんの癖はすぐには抜けないのですね。Iちゃんも何回か相談に通われるうちに、少しずつ甘え上手になっていきました。

 ただ、ママ自身が甘えさせ上手になって行く方が、誰しも後れをとるので、Iちゃんの甘え上手も、ママの歩調に合わせるように進んでいかないとなりません。そのあたりが援助が難しいところです。ママが甘えさせ上手になるのには、ママの甘え上手も取り戻すことになるので、そう簡単ではないですものね。こんな時こそ、理想は目標におきつつ、現実のベストでいきましょうね。

【糸の切れた凧】

 ダダこね期に困っているお母さん。子どもに振り回されているのはいけないと思いつつ、大泣きされたりかんしゃくを起こされたりすると、どうにも対応できずに折れてしまう、とおっしゃいます。何でもイヤイヤで言うことを聞かないし、外に出ると抱っこ抱っこで歩かないし、かと思うと手を振り切って突っ走ってしまうし、お母さんに怒られれば人目もはばからずかんしゃくがすごい。お母さんはほとほと困って相談に来られました。

 そんなお母さんに、お子さんは糸の切れた凧状態になってしまうねとご説明すると、納得してくださいました。糸の切れた凧は、不安定で居場所がわからない、どうしていいかもわからないので暴走するしかない、どうしたいかもわからなくなり風まかせ、そんな感じですよね。自由でいいかのように見えますが、けっして自由ではないのですよね。糸を離さないでいてもらうと、それが支えで冒険ができるし、危なくなれば止めてもらえるので安心して探索でき、羽を思いきり伸ばして気持ちよく自由に大空を飛べるのですよね。

 それに、糸でつながっていると、その糸を通して子どもの気持ちが伝わってくるし、お母さんの気持ちを伝えられ、やりとりができます。あの時いやだったとか、こんな気持ちだったとかが伝わりやすくなり、そうだったんだねとわかってあげられる。子どもはわかってもらえて元気になります。すると子どもは気持ちを自由に表現できるので、ますますお母さんと気持ちが通じやすくなります。

 イヤイヤ・ダダこね・泣きにひるまず、親がボスになる、枠を作ってあげる、掌握する、などでお伝えしてきましたが、糸の切れた凧の伝え方もわかりやすいかと思いますが、いかがでしょう?

【上手にダダこね】

 Aちゃんは1歳7か月になり、ダダこね期に入って、イヤイヤが多くなってきたといいます。でもお母さん、泣かれるのにはだいぶ大丈夫になって来たけど、ダダこねは受け取るのが苦手だと言います。

 その日はお母さんが集いに参加してる間、スタッフと待っていたAちゃん。Aちゃんより1歳上と、2歳上のお姉さんが一緒だったので、Aちゃんは楽しそうに遊んでいました。お姉さんに玩具を渡したりもらったり、ほしいのを察して取ってあげたり、スタッフがこれ片づけてからこっちを出そうねとか言うことにも、イヤイヤ言わずにやっていたAちゃんでした。お母さんに時間をあげるために、精一杯頑張っている感じでした。

 そのうちAちゃんは、カゴに入っていたぬいぐるみを全部あたりにポイポイ。そろそろ頑張りきれなくなってきたのが伺えました。それはよくある抱っこ時のサイン。それではと慰めの抱っこをしようかなと思ったとき、お人形が着ていた服を脱がせて、裸ん坊にしてポイしました。あれ? これは何か意味あるサイン? 何かわかってほしいことある?

 お人形を裸ん坊にしたままにしてるのが気になって、先ずは洋服を着せようよと誘ってみました。Aちゃんはその誘いに本格的なイヤイヤを始めました。そこでスタッフが横抱っこして、イヤイヤを受けとめながら、思いつくことを慰めてみました。でも慰めには乗ってこなくて、ただひたすらイヤイヤしていました。

 その間3分くらいだったでしょうか。ちょっと落ち着いたので、また人形に洋服着せようよと誘いましたがまだ応じず、もう一度イヤイヤ。今度は1分足らずだったと思います。でもその後では、スタッフが着せるのに、一つ一つ洋服を取って、手渡してくれました。そして洋服を着せた人形を、カゴにちゃんとしまえました。

 そのイヤイヤはとってもパワフルで、腕の中においておくのが大変なくらいでした。もしその時放したら、畳の上に寝転がってイヤイヤしそうな勢いでした。こんなにパワフルなAちゃんは初めてでした。あっぱれなイヤイヤでした。ママが集いが始まる前に、Aちゃんに、「ここならダダこねしても大丈夫」と言っていたのを、Aちゃんはちゃんと覚えていて、安心してダダこねしたのでしょうね。

 ママから、パパとお出かけのときにイヤイヤしたと聞きましたが、こんなパワフルなイヤイヤだと、パパも外だと大変でしょうね。ママはまだ受けとめられないことを気になさっていますが、Aちゃんはイヤイヤする力は充分あるので、安心していてくださいね。今はパパを相手にしてもらいましょうね。その日はスタッフを相手に、上手にダダこねしたAちゃんで、ちょっとお姉さん顔になって帰って行きました。

【求めにすべて応じても、かんしゃくを起こす】

 3歳の男の子。弟が生まれてから赤ちゃん返りがひどく、聞き分けも悪くなりました。お母さんは、弟が生まれてからの愛情不足が原因ではないかと思い、つとめてかわいがり、求めることには応じてやるようにしたのですが、大ぎな変化はありませんでした。

 手紙をいただいたとき、愛情不足というよりは、暴れずにはいられないほどにたストレスが溜まっているかもしれないと思い、私は「まずは暴れるお子さんをしっかり抱きしめてやったらどうでしょう」と助言しました。そして、かんしゃくを起こすたびに何度かお母さんが抱きしめると、腕の中でゆったり落ち着けるようになりました。

 その後、お母さんと男の子に来談してもらい、私がお母さんとあれこれ話をしていたとき、男の子は、甘えられなかったさびしさを訴えるどころか、意外な話で泣き出したのです。

 それは、「弟の妊娠中にお母さんが切迫流産で入院したとき、お母さんに心配をかけたくなくて、一言も“ママ”と言わずにがんばっていた」という内容でした。お母さんはうれし涙を流して男の子を抱きしめました。

【ダダこねからお兄さんに】

 1歳半になったJちゃん。少し前からイヤイヤが多くなってきて、お母さんはいよいよダダこね期だなと覚悟はしていたものの、イヤイヤばかりになるととっても大変でイライラもしてしまいます。

 そんなJちゃん親子が久しぶりに相談室に来られました。赤ちゃんの頃何回か来られて、お母さんが家で取り組めるようになっていたのですが、ダダこね期で困ったらまた来てね、とお伝えしていたのを思い出してくださったようでした。Jちゃんは歩けるようになって、赤ちゃん期卒業のようなお兄さん顔になっていました。

 相談室でのJちゃんにようすを、お母さんの話を聞きながら見ていると、テーブルの茶碗や棚の書類などをいじろうとして、そばにいた援助者にとめられて、また別の方で書類を出そうとして、お母さんに止められて、でもまたあきらめずに書類棚にいくJちゃん。好奇心旺盛ではあるけど、ちょっと地に足が着いていない感じがしました。

 お母さんは、「家でもダメなものばかりいじりたがり、止めても何回も何回もいくので困ってしまいます。それも私の顔を見ながらやるのですから、いけないと知っていてやる現行犯ですよね。その態度もまたイライラしてしまいます。まだ何か慰めてあげることが残っているのでしょうか。まだ我慢しているのでしょうか」と困り顔。

 そこで、Jちゃんのお兄さん心を応援する励ましの抱っこをお母さんにご伝授することにしました。その援助者の気持ちを察したのか、Jちゃんはまた棚の書類をいじりに行きました。お母さんはすかさず止めて、ひょいと抱いて連れて来られました。確かにお母さんはいけないことはさせないように止めていらっしゃるようです。でもね、ひょいと抱いてしまうと、お子さんは納得でやめたのではなく、やりたかったのにという気持ちや、イヤイヤの気持ちが置いてきぼりになってしまい、お兄さんになりたい気持ちも宙ぶらりんになってしまうのです。

 棚の書類に伸ばしたJちゃんの脇の下を支えながら手を止めて、「触りたかったね。でもあれはダメだからやめてね」と、共感と励ましで寄り添うと、たちまちJちゃんのイヤイヤが始まりました。しばらくその場でイヤイヤしてもらって、力が少し抜けてきたところで、抱っこします。そして目を合わせられるように抱いて、「あれは触ってはダメ。やめてね」と言い聞かせます。するとJちゃんは、腕の中で思いきりイヤイヤとダダをこねて甘えられました。落ち着いたときにはすっきり顔になり、それからはもう棚の書類は触らなくなりました。お兄さん心がすくっと立ったときです。

 ダダこね期は、赤ちゃん心とお兄さんお姉さん心とせめぎ合う時期で、赤ちゃん心をよしよししながらも、お兄さんお姉さん心を応援してあげることが大事なんですよね。慰め上手になっているお母さんは、ともすると「何が辛いの?」と慰めに片寄ってしまい、お兄さんお姉さん心の応援が手薄になってしまいます。それでは育とうとしているお兄さんお姉さん心ががっかりしてしまいますし、泣いてもすっきりしないでむしろ泣きすぎになったもりもします。そんな時子どもは、さあお母さんどうする?と期待するかのように、顔を見ながらいけないこともしますからね。それをお母さんが見過ごしていくと、ダダこねがエスカレートしていって、しつこいダダこねになっていくのですよね。

 そんなやりとりは、『1~6歳 成功する!しつけー叱らなくても大丈夫ー』に詳しく書いてあるので、Jちゃんのお母さんにお勧めしました。でも実際のやりとりをここでしっかり体得されたら先が楽なので、また何回か練習に来られることになりました。

 もうお兄さんなんだから、そしてもっとお兄さんらしくしたいんだから、お母さん手伝ってねと、Jちゃんの気持ちがお母さんに分かってもらって、にこにこで帰りました。お母さんも新たな覚悟ができたようで、お母さんのおとな心もすくっと立ったようでした。

【ゴハン食べようか】

 先日、お姉ちゃんが下の赤ちゃんのおっぱいが足りなくなるくらい飲んでしまって困っている、という相談がありました。お会いするまでに少し日にちが空くので、お姉ちゃんのお姉さんになりたい気持ちを信じて、誠意を込めてお願いしてみてください、とお母さんにお話ししました。

 その後、そのお母さんからの次のようなFAXをいただきました。

************
 お電話でお話しした翌日、朝起きるなりおっぱいをほしかった娘に、『もう赤ちゃんじゃないんだから、おっぱいは赤ちゃんにあげよう。お姉ちゃんになりたい気持ちがあるって知らなかった。これからは応援するね。なれるって信じているよ』と伝えながら、ヨシヨシしていると、しばらく激しく泣いたあと、ケロッと「ゴハン食べようか」」というように、気持ちを切り替えたので、やめ時なんだなと感じ、以後断乳をつづけてきました。

 『お姉ちゃん』として扱われると、うれしそうにして、落ち着いてきたかも・・・と感じていたんですが、ここ2、3日朝からすごくふきげんだったり、怒りっぽくて、私までイライラ、優しくできなくなって、するとさらに娘はぐずぐずと悪循環に陥っています。

 娘の態度の発端は私。落ち着くのも私次第と分かりつつも、「もう、イヤだ!」とうんざりしてしまう自分がいます。

 明日の相談、よろしくお願いします。
************

 やったねお母さん! すごいねお姉ちゃん! 明日はいっぱい気持ちを聞くからね。さみしい気持ちも頑張った気持ちも聞くからね。

【2つのかわいい】

 2歳のお子さんをつい怒ってしまうというお母さん。相談に来られていて、少しずつ、お子さんが甘え上手になってきて、泣いたりダダをこねたりできるようになっています。お母さんも、泣くことはいいことだ、ダダをこねるのはいいことだと、理解はしていて、前よりずっと甘えさせ上手になっているのですが、それでもあまりにダダこねがひどかったり、いやいやばかり言うと、イライラして怒ってしまうと、つらそうに話されます。

 お母さんに話しを聞いていくと、子どもにイライラしてしまうより、わかっているのに受けとめられないで、怒ってしまう自分にイライラしていたのでした。なんて優しいお母さんでしょう。かわいい我が子を、どんなときも「かわいい!」と抱きしめてあげたいのですね。

 そこで援助者がお母さんに、「かわいいという気持ちを、抱きしめることで現すのと、怒って現すのとの違いでしょ。どっちも我が子がかわいくて大好きで大事だからなんだよね」と言うと、ハラハラと涙を流していらっしゃいました。そしてお子さんをいかにも「かわいい!」というように抱きしめておられました。

【5分の抱っこ】

 Fちゃんはもうすぐ2歳。ダダこねがしつっこくかんしゃくもよく起こす。指しゃぶりも激しくて、何か気持ちをため込んでいるのではないか。本を読んで家で取り組んでみたけれど、何で泣いているのかがわからないし、20分以上も突っ張ってのけぞって怒り泣きばかりで、嫌がるのを無理に押さえているように思えて……と相談に来られました。

 なにか気持ちを溜め込んでいるようなので、何とかしてあげたいというお母さんの気持ちがあったので、それではため込んだ気持ちをまず発散させてあげましょうと、お母さんに横抱っこしてもらうことにしました。でもお母さんが抱きかかえようとすると、もがいてするっと膝から逃れてしまうFちゃんでした。離さないでと援助者が声をかけると、お母さんはまた抱きかかえますが、でもまたするっと離れてしまい、なかなか横抱っこにもできない感じでした。こんな感じでは、家での取り組みがやりにくいことが予想されました。

 そのひるんでしまうお母さんの気持ちはなんなんだろうと思いつつ、援助者が抱きとめてみました。するとFちゃんはすぐにかわいく泣き出しました。う~んかわいいね、楽に泣けるねと援助者は微笑ましく抱いていたのですが、お母さんは、「大丈夫! 抱っこの先生だからね。怖くないよ。痛いことしないよ」と、泣いているFちゃんに安心させようと言葉をかけます。お母さんとしては、癒しの抱っこをして溜め込んだ気持ちを楽にしてあげたい、という気持ちも確かにあるけれど、いざ泣かれると心配でたまらなくなってしまう気持ちも大きいのですね。お母さん自身も泣かせない子育ての洗礼を受けているのですから、無理もないことなんですよね。

 援助者が抱っこしても気が気ではなくなるのですから、お母さんが抱っこしてよしよしするのはとても大変そうです。でも子どもに楽になってもほしい。そこで先ずは援助者が5分間抱っこからすることにしました。5分くらい抱っこしてよしよしして、そしてお母さんに戻します。お母さんには落ち着きやすい縦抱っこにしてもらいました。そしてまた援助者が抱き取って5分間抱っこ、そしてお母さんに戻す、と言うのを3回くり返しました。お母さんは、お母さんに戻ったときの抱かれ具合が違うと、感想を伝えてくださいました。1回目より2回目の方がしっくりして、そして3回目はとってもぴったり身を寄せて抱かれ、体で甘えてきてくれた実感を持ってくださったようでした。

 泣いて楽になることを体で実感できることが積み重なっていくと、きっと泣かれることにも動じないお母さんになってくださるでしょう。こんな感じて少しずつがいいですねということで、一週間後の予約を取って帰られました。

【止めてもらうと自由】

 Dちゃんは1歳半、そろそろダダこね期に入っているようで、聞き分けが悪く、お母さんが怒ると、物を投げたり、お母さんを噛んだり、お母さんもイライラしてしまう。普段もグズグズが多く、おっぱいも頻繁にほしがるようになって、我慢をさせてきたのかな、訴えがあるなら聞いてあげたいと相談に来られました。

 相談室に来たDちゃんは、そんなようすはなく、居合わせた少し年齢が上のお子さんのそばで遊び始めました。お母さんに話す時間をくれるかのようでした。

 お母さんは幼い頃、とても厳しい両親に育てられて、愛されていないのかもしれないと思うほどだったそうです。それで我が子には、そんな思いはさせたくない、自由にのびのびと育てたいとおっしゃいました。

 いままでの赤ちゃん時代は、できることはなんでもしてあげてきたお母さん。でもダダこね期になると、なんでも欲求をかなえてあげていいのか、やらなければならないことはあるし、やめて欲しいこともあるし、しつけなければならないこともあるので、のびのび育てることとどう折り合いを付けたらいいのか、そのあたりに迷いが出てしまわれたようでした。

 お母さん自身が厳しく育てられてつらかったときには、我が子はのびのびと育てたいと思うのが親心ですよね。でもそれが行きすぎて、ダメなこともダメと言えずに、わがままっ子になってしまい、お母さんは振り回されてしまい、ほんとののびのびではなくなってしまうこともよくあるのですよね。それで言うことを聞かない、聞かせられない関係になってしまい、お母さんは最後にはイライラして爆発、あるいは勝手にしなさいと無視になってしまうのですよね。

 のびのび育てたいという思いが強いお母さんは、お子さんを導いて、すてきなお兄さんお姉さんになってもらうために、体で止めたり、張り合ったりを体得していただこうとするのですが、どうも力が入らないのです。おとなの方がずっと力があるはずなのに、1歳でも、「もう力が強くて……」とお手上げになってしまいます。お母さんの気持ちを思うと無理もないのですが、子どもからみると心許ないのですよね。心許ないと不安になってしまい、かえってのびのびできなくなるのですよね。

 Dちゃんのお母さんも、説明を受けて頭ではわかってくださっても、体がなかなか動いてくれません。そこで、お母さんの腕で、
①ちょうど好い加減でしっかり保持、
②すぐに離してしまう、
③がっちり持ちすぎてしまう、の3つの体験をしていただきました。言ってみればお母さんの幼児体験は、③だったのでしょうから、その体験の時は、反発するどころか萎えてしまっていました。その萎えちゃう心の動きが、子どもとのやりとりにも出てくるのでしょうか。それでも、②はとても心許ないしさみしい、と感じられたようでした。そして①は、一緒にいてもらえる安心があり、その中で気持ちのままにいられる、やっぱりこうがいいですね、と実感されたようでした。

 最後のお母さんの一言は、「止めてもらうと自由なんですね」でした。そうそう、孫悟空のお釈迦様の手の内の話しのように、お母さんに守られた枠があると、安心してのびのびできるのですよね。子どもは、やりすぎたり間違えたりしたら止めてもらえることがわかっているので、気を遣わずに思う存分に自己表現ができるのですよね。

 止めてもらうと自由という、一見矛盾するような子育ての大事な話しでした。

【イライラの種はどっち?】

 2歳3か月になったBちゃん。なにしろすべてがイヤイヤ。お母さんはイライラして、怒るか無視するかになってしまう。でも、Bちゃんはケロッとしていて、お母さんがぷんぷんしているのに、「Bちゃんここにいるよ~!ばぁ~!」みたいにしてくる。そうするとお母さんは「なんなのよ!あんたが怒らせたのに! 人をバカにして!」とますます怒ってしまう。泣きたい気持ちがたまっているのだろうと思って、抱きしめてみるのだけれど、全く泣かない。普段も、イヤイヤはひどいけどめったに泣かないが、何かで泣くと、長泣きになって、それもうんざり。何かもやもやがたまっていると思うので連れてきたとお母さん。

 そんな話をお母さんからお聞きしている間、少し離れたところでおもちゃで遊んでいたBちゃん、居合わせた少し小さい子におもちゃを取られたと、泣きながらお母さんのところに来る。お母さんに対面で抱かれてぴったりくっついていた。お母さんに素直に甘えられている姿が見られた。でも家では大変という。

 そこで、横抱っこにしてもらうともがいて泣き出す。何かもやもやがあるという「何か」の前に、感情ストレスがたまっているようなので、まずは発散してもらうことにする。ひとしきり発散するとすっと落ち着いて、眠ってしまった。15分ほどのことで長泣きにもならず、いい感じで経過していた。何かと突き止めようとすると、お母さんの気持ちがそっちに行ってしまって、今ここのBちゃんの気持ちのそばにいられなくなるのかもしれないと思いました。そのときはお母さんの気持ちが今ここにあって、Bちゃんの気持ちにしっかり寄り添っていたので、満足したのかもしれません。

 お母さんの腕のなかで気持ちよさそうに眠っている間、ほんとはそのBちゃんにも気持ちを向けていられたらもっとよかったのですが、お母さんは聞いてほしい気持ちがあって、お母さんの話を聞くことになりました。相談室でのBちゃんのようすと、日常のようすがずいぶん違うようで、何でかなと考えつつお聞きしていました。お母さんはお姑さんとの関係でかなり参っているようでした。お姑さんに言われたことがいくつも心に突き刺さっていて、だいぶ怒りがあるようでした。でも夫に話しても軽くあしらわれてしまうし、実母に話すと共感しすぎてしまってごちゃごちゃになっちゃうしと、一人でため込んでいたようです。な~んだ、イライラしていたのはお母さんだったんだ。

「子どもって、お母さんのイライラがたまっているのを感じ取って、そのイライラが出るように助けてあげようとして、イライラのタネを作ることもあるんだよね」
と援助者が言ったとき、眠っていたはずのBちゃんが目を覚まし、「おしっこ!」とトイレに。ここのところできていたトイレもできなくなって、それもイライラのタネだったのに、なんと久しぶりに教えてくれて、トイレでおしっこができました。ということはBちゃんはお母さんを助けようとして、怒らせてあげていたのですね。お母さんはそんなBちゃんの気持ちを知って、びっくりでした。「Bちゃんありがとう」と抱きしめていました。

 それから帰りまでのBちゃんは、すっかりお姉さんに戻って、落ち着いていました。子どもって、身を挺してもお母さんを助けようとするのですね。でもそれよりはお姉さんしていてくれた方が助かるのにね。そこは子どもならではですね。

【お母さんは強いんだぞ~】

 子どものイヤイヤ・ダダこねにイライラしてしまい、付き合ってあげられないうというお母さんはけっこう多いです。そんなお母さんは、自分はお利口にしてきてイヤイヤもいわずダダこねもしてこなかったり、イヤイヤ言いダダもこねたけど受けとめてもらえなかった、という方がほとんどなんですよね。自分が体験してこなかったことはどうしていいか分からないですよね。

 そうは言っても何とか導いてあげられないと、子どもはお兄さん・お姉さんとして成長していく力を育めないし、本来のお子さんらしさが曇ってしまい、お母さんの気がかりが、形を変えたにしても続くことになるのですよね。

 そんなお母さんには、「お母さんは強いんだぞ~」を体験していただくことがあります。先日も5歳のお子さんのイヤイヤ・ダダこねにイライラしてしまい、感情をぶつけてしまうか勝手にしなさいと放ってしまう、というお母さんに出会いました。そこで「お母さんは強いんだぞ~」を体感してもらうことになりました。

 お母さんと援助者(女性)がお相撲みたいな組み合いをしてもらいます。先ずは援助者がお母さん役に、お母さんが子ども役になって、どちらも負けないぞーとはっけよいです。頃合いをみて、子ども役のお母さんが負けになるよう持っていき、お母さんは組み倒されます。負けたのにお母さんは笑顔になります。へえ~ぇ、こうしてもらうと子どもってこんなに楽しいんだと、子どもの気持ちも分かってくださいました。

 次に役割交代。お母さんはお母さんで、援助者が子ども役になって、同じようにはっけよいです。援助者はお母さんのようすで力は調節しますが、そう簡単にはやられないですから、お母さんが本気で力を出さないと、援助者(子ども)に負けてしまいます。なのでさっきより大勝負になることが多いです。お母さんが本気を出しているなというところで、援助者がやられます。「やったぁ!」とお母さんははぁはぁいいながらも笑い顔になっていました。

 一休みしたところで、もう一度お母さんが子ども役になっての体験をしてもらいました。お母さんの力の入れ具合がなかなかいい感じになっていて、援助者も本気になってお相手しました。五分五分での勝負がしばらく続きました。どこまで続くかと思っていたところ、子ども役のお母さんがふっと力がぬけた瞬間があり、そこを見逃さずに組み伏せたのでした。こういう頃合いでお母さんが子どもに勝つと、力の張り合いとはまた違った心地よさの体験になりました。我が子と張り合っているときにも、きっとこんな瞬間があると思うので、少し慣れたらやってみてねと終わりました。

 親子のこんな勝負は、勝っても負けても楽しいものになるはずです。でもお兄さん・お姉さんになってもらうように導くやりとりにするときには、子どもに振り回されてしまうお母さんには、最初は力の勝負に傾いてしまってもいいので、お母さんが勝つ体験をしてほしいですね。お母さんが勝つと子どもも勝つという勝負ですからね。

【気持ちは聞くけど行動は導く】

 6歳のFちゃん、乱暴こそしないが、お母さんに暴言を吐くのが、どうにも耐えられないと相談に来られました。お母さんに普段の様子をさらにお聞きすると、言うことも聞かないし、食事に2時間かかるなど、日常生活も困っているようで、ママも怒りをぶつけてしまうことも多いということでした。相談室に来たFちゃんは、おもちゃで遊んでいましたが、なんか見ていてハラハラする遊び方でした。

 ママの話を聞くうちにますます乱暴な遊び方になるFちゃんなので、援助者が遊びを止めると、そこから体中で「イヤイヤ」を表現してきました。ママにも来てもらって、抱っこになりました。Fちゃんはいろいろ悪態をつきながら叫び怒り、抱っこの中で大暴れしてました。

 ママは、行動(たとえば食事をイヤがるなど)のイヤイヤが発散だと思っていたようで、気持ちを聞き感情を発散することと、行動の聞き分けがないこととは違うことをお伝えしました。

 癒しの子育てを知ると、気持ちを大事にしてあげることと、行動をやりたいようにやらせてあげることとを混同されしまうことがけっこうあります。子どもは気持ちの表現がうまくなると、ああしたいこうしたい、こうはイヤだああがいい、と自己主張が盛んになります。でもその主張は、ほんとの主張の時と、ダダこねの時とあります。なのでそこを交通整理してあげるのが必要になるのですね。

 そしてダダこねの時には「ダメ!」と制してあげることで、その奥にあるもやもやの気持ちを聞いてあげることもきます。そして同時に、お兄さんお姉さん心を育てることができるのですね。自己主張できるようになったということは、子どもにとってお母さんの、ああしてこうはしないで、受け入れる準備もできているのですものね。

 そんな話に、なるほどと納得されたママに、Fちゃんを抱っこしてもらいました。またイヤイヤの表現を思い切りしてきました。これこそ発散ですよね。腕の中で発散してもらうときに、叩くとかつねるとか髪の毛を引っ張るとか噛むとかの、やってはいけない行動を止めてやらせないことで、お兄さんお姉さん心を応援できるし、イヤイヤの発散もよりできるようになることを、ママは実感されていました。

 Fちゃんは、すっきりして一皮むけたようになり、その後の遊び方はかわいいものでした。こんなやりとりをしていくことで、悪態をつかなくていいようになりますからねと、その日は終わりになりました。お母さんの構えが変わったので、次の予約日に来たときのFちゃんは少しお兄さんになっているかな。

「息子の反抗期をきっかけに」

 阿部先生、Aさん、和く輪く舎スタッフの皆さん
 天心初心者のワークショップでは、ありがとうございました。阿部先生とAさんの包みこむような優しい雰囲気のなかで、とても安心した気分でワークショップに参加することができ、貴重な体験をさせて頂きました。

 ワークショップ終了後には何だか疲れきってしまって、感想をお伝えできなかったのでメールさせて頂きました。伝わりにくい部分もあると思いますが読んでいただけると嬉しいです。私が天心への参加を決意した経緯と、これまでに起きた癒しの体験についてお話させてください。

 私が天心に参加してみようと思ったきっかけは、息子の1才半ぐらいからはじまった反抗期によって、抱っこ法に出会ったことです。ちょっとしたことで癇癪をおこす息子にずいぶん手を焼いていました。昔はあんなにかわいかったのに・・・何をするにも逆らって、大声で威嚇したり、叩いたり、蹴ったり暴力をふるうようになりました。何故そんなことするのか理解ができず、私にわざと嫌がらせをしているのだと思うようになりました。息子のわがままが許せなくて、意思が通じ合わない苛立ちを息子にぶつけては、私はただ怒鳴ったり、「なんでわからないの!」と小さい息子の体をゆすって、抑えつけたり、そしてついに手をあげていました。大泣きしながら寝付いた息子の顔は罪のないおだやかな顔で私をいっそう苦しくさせました。

 ただ申し訳ない気持ちで、明日からは穏やかに過ごそうと誓っても、息子の癇癪を目の前にするとイライラが抑えられず、また同じ事を繰り返し・・・完全に息詰まっていました。まるで永遠に抜けない暗いトンネルの中を、ひたすら出口を探してもがいるような日々でした。どうしたらよいのか分からずインターネットの育児サイトなど探していた時、偶然にも抱っこ法を実践されているあるお母さんのブログが目にとまりました。そこには阿部先生と癒しの子育てネットワークの紹介がされており、それが私と抱っこ法との出会いでした。

 イライラする気持ちの裏には苦しさがあること、子どもの問題行動はSOSのサインであること、泣いてコミュニケーションをとること、叱らなくてもちゃんとわかること、なにより子どもは親思いであること。

 涙が止まりませんでした。ずっと胸の中にあった重苦しい気持ちが少しずつ溶けていきました。

 そしてその夜、夫にこれまでの辛い胸の内を話しました。私の夫は育児にとても協力的で息子の面倒もよく見てくれ、何かあるといつも相談にのってくれました。しかし、私自身についての不安や悩みについて話したことはありませんでした。育児をするなかでイライラしたり、子ども相手におとなげない感情がわいたり、そういう感情は母として持ってはいけない、恥ずべきものだとどこかで思っていたのです。寛容ですべてを受け入れる優しい存在でありたい・・・お手本のような母親像と自分を比較しては、とうてい届かない自分にイライラしていました。息子にとっての良き母でありたかったのに、すべては真逆の方向に進んでいきました。

 夫に話はじめるとすぐに涙が溢れて止まらなくなりました。泣くつもりなんてなかったのに、冷静に話すつもりでいたのに、涙が止まりませんでした。すると夫は泣いている私を抱きしめて話を聞きいてくれました。そして、「そんなに自分を責めては駄目だよ。こんなに○○のこと大切に思っているじゃない」「○○はきっとわかってくれていると思うよ」「いまのままでいいんだよ、自信もっていいんだよ」と言って、ヨシヨシしてくれたのです。

 そして夫の胸の中でひとしきり泣いたらすっかり元気になっていました。誰かに自分を認めてもらえるとき、人はどうしてこんなに生きる勇気が湧くのでしょうか。抱きしめられてそのままでいいんだよと言ってもらえるとき、なんと心強いのでしょうか。身をもって抱っこの凄さを体験した瞬間でした。抱っこ法のことを夫に話したわけではないのに、夫は私を抱っこしてくれたのです。何故あんな体験ができたのか今でも不思議です。

 それからの私は息子の癇癪を目の当たりにしても、もう辛くありませんでした。息子との関係を良くしたい一心で、阿部先生の本を読み、自分なりに実践しました。無理矢理抱いて泣かせたわけではなく、ただ泣きたい時に泣きたいだけ泣かせ、「そうだね、そうだね」と相づちをうちながらよく抱いて、息子の話を根気よく聞きました。泣いてる息子がかわいくて、その気持ちをヨシヨシすると自分も癒されました。

 そして奇跡が起こったのです。あれだけ手をつけられなかった息子が、暴れる事なく素直に言うことを聞き、かわいく甘えてくれるようになったのです。私も息子を信じるようになり、また息子も信じてくれているのが分かり、何ともいえない一体感を感じられるようになりました。そして私は確信しました。原因は息子にあったわけではなく私だったのだと。息子はいつも私を心配してくれていたのです。反抗期で手がつけられない時期でさえ、思えばいつでも私を大きな愛情で包んでくれていました。あんなに酷いことを言ったあとも、おしりを強く叩かれたあとも、たくさん傷ついただろうに、すぐにケロッとして何事もなかったかのように、「おかあさーん」と笑顔で抱きしめてくれました。物心ついた時からずっと自信がなく、自分が好きになれなかった私に、息子は「そのままでいいんだよ、そのままで大好きだよ」と教えてくれていたように思うのです。

 そして癒しの体験はそれだけではありませんでした。それは単に息子との関係回復の糸口になるでけではなく、私の中のもっと深い所にある何かに触れて反応し始めたのです。

 数ヶ月たったある朝、天気の悪い日が続いて家事がたまってしまい、朝から洗濯や掃除やらで忙しく動きまわっていた日のことです。家事をする私の周りを息子がくっついて歩き、「だっこ、だっこ」とせがんでいましたが、仕事は山ほどあるし、可哀想だけど「もう少し待っててね」と言って息子を待たせました。息子は諦めて一人でおもちゃで遊び始め、一所懸命に気を紛らわしていました。急いで家事を終わらせて息子の様子を見に行くと、おもちゃを握って一人で寝てしまっていたのです。その寝顔は少し寂しそうに見えました。(まだ2歳だし、ずっと甘えていたいのだろうな)と思った瞬間、息子の姿が私の記憶を呼び起こしました。それは息子と同じ2歳の私、一人で寂しそうに砂遊びをしている姿でした。

 私には2歳年下の妹がいます。妹は私から見ると甘え上手で、よく泣き、いつも母を独占していました。私は母をこれ以上大変にしてはいけないと甘えられずにいつも我慢していました。寂しさを紛らわすのに動物や虫を相手に一人遊びに没頭し、大きくなると近所の男の子達のリーダーのような存在になり活発に遊んでいました。母は私が元気で外で遊ぶ事を、「手がかからなくて助かる」と言って喜んでくれ、私は母が褒めてくれるのが嬉しくて、いっそう甘えられなくなっていきました。だから母の前で、「私は一人で大丈夫だからかまわないで」と強がっていましたし、そう言えば母が喜ぶと思ったのです。しかし、その裏ではずっと私を引き止めて欲しいと願っていました。

 そんな事を繰り返すうちに母にとって私は自立が早く、甘えるのが嫌いな子。私自身も、甘えるなんて恥ずかしく、女々しい、悪い行為だと思うようになっていきました。満たされない思いはずっと心の奥にあったのに、その想いが顔をだすたび自分が許せなくなり、自分が嫌で無理矢理ふたをして押さえつけてきました。でも実際は、「お母さんはこんな私好きじゃない、見せたらきっとガッカリする」と思うと、本当の自分を見せるのが怖かったのでした。

 その事を思い出した瞬間、私は崩れ落ち、声を上げて泣いていました。そして私の腕のなかには2歳の頃の私がいました。こんなに小さい頃から抱っこして欲しいとも言えず、一人で我慢をして・・・。そしてその裏には母を想う気持ちがいっぱいありました。可哀想で、いじらしくて、私は2歳の私をしっかり抱きしめて、「さみしかったね、つらかったね、もっと甘えたかったよね」と言って、ヨシヨシしてあげることができたのです。それはとっても素敵な瞬間でした。

 涙は流れ、感情は高ぶっているはずなのに、自分がとても客観的に見え、まるで息子を抱くのと同じ感覚で2歳の私を抱くことができました。本当に不思議な体験です。

 抱っこ法に出会って私は救われました。そして阿部先生やスタッフの皆さん、同じように育児に悩むお母さん方の体験談から、本当にたくさんの勇気をもらいました。感謝してもしつくせません。この場をかりてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

 息子と私の関係は随分よくなりました。相変わらず息子のイヤイヤにつきあえず、イライラして息子にあたってしまうこともありますが、そんな時は、「ごめんね、イライラしてあたちゃった」と言って許してもらっています。どこかで「しかたない、これも私だ。のんびりやっていこう」と思っているぶん気持ちは楽です。

 悩みはつきませんが私はとても幸せです。息子と夫、こんなに頼もしい味方がついていてくれますし、また道に迷っても抱っこ法があると思うと心強く感じます。

 これからは自分自身と向き合う作業をしていきたい思っています。そしてそのためには天心への参加が必要だと思いました。母との関係をもう一度取り戻すことができたら、取り戻せないとしても許す事ができたら、私は自分のことを今よりもっと好きになることが出来るような気がします。そして元気になって愛情がいっぱいになったら、今度は息子と夫に恩返しをしたいと思っています。

 追伸
 初めて抱っこ法体験会(5月30日午後の部)に参加させていただきました。とても不安でしたが、スタッフの皆様の温かい雰囲気に安心いたしました。この日のために用意してくださった劇はすばらしくて涙がでました。私が想像していた通りに和く輪く舎は温かい場所でした。皆さんにお会いでき、抱っこ体験会に参加できたことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。

「向き合っての絆

 無事、パパの実家から戻りました。今回の帰省の間にも、いろいろとラッキーハプニングがあり、私だけでなく、主人にとっても、子どもとの関わりの気付きを得ることができたみたいです。

 前々からわかってはいたけど、Mちゃんって、やっぱりわがまま(いや、失礼、自己主張?ダダコネ?)できる場所をわきまえているんだなーと、今回はすごく実感しました。

 主人の両親や親戚の前では、多少の取り合いとかはしても、地団駄踏んで泣き叫んでのやだやだ、って絶対しないんですよね。それで、今日は家族だけでお出かけだ、とかもう寝ようと二階に上がった時とか、主人と私とMちゃんHちゃんと、家族4人になったとたんに、始まるんですよ。

 今までは、それを見るたびにうんざりもしていたんだけど、なんか今回は、「やっぱりいろいろ子どもながらにわきまえてるんだなー」と、ちょっと冷静に見れる私がいて、デパートの入り口で飛び跳ねて地団駄踏む姿も、なんだかいじらしいな~~と、可愛くさえ見えたりしました(それはひょっとしたら、主人の母が、子どもの泣き声を聞いていられない人なので、そこにも気を遣っているのかも・・・)。

 でも、私がよしよし、って見てられる時って、主人は反対にすごくいらいらー!っとしてるんです。水族館に行った帰りに寄った、ジャスコでお昼を食べて(その時、パパは本当はあんかけ御飯が食べたかったんだけど、3日連続でらーめんが食べたい!とごねるMちゃんに譲って、あんかけ御飯はあきらめてらーめんをシェアしました)。

 さー、おうちに帰ろう、となったら突然、「映画みに行きたい~!!!」と猛烈なゴネゴネを始めたMちゃん。私は、あ~、始まったはじまった~、って、見に行きたいよねー、でも、今日はもう水族館にいったから帰るよ、って言ってたんだけど、主人がだんだんワナワナしてきて。

 私は主人のその気持ちも凄くよくわかったの。パパは、MちゃんHちゃんに喜んでもらいたくて、水族館に行ったのに、今ここで映画館がいいって、あんなに強烈にごねられて、自分の今日の家族サービスを否定されたみたいですごく嫌なんだろうな、って。それに、あんかけ御飯も譲ったし。結局パパのいいかげんにしやがれこのやろう、でいらいらとゴネゴネを引きずりながら、車に乗って帰宅することに。

 Mちゃん達は車の中で寝ちゃって、その時に私がぶつぶつ文句を言ってるパパに、
「パパはパパなりの思いやりで今日は水族館に行って、Mちゃんたちに喜んでもらいたかったのに、あんなにごねられたらいやになっちゃうよね。自分の企画を否定されたみたいで苦しくなっちゃうよね」
そう言ったら、パパの口から出ること出ること、文句の嵐。
「まったくだよ、こっちだっていろいろ譲ってやってるのに・・・・・ぶつぶつ!!」
「そうだそうだ、パパだって怒りたいんだよね!」
というとますます文句。
「怒っちゃえ、怒っちゃえ~!」
と私が言うと、
「俺だって、あんかけ御飯が食べたかったんだっ!!!! 譲ってやったのに何なんだーっ! だいたい、実家に帰ってきてんのに何で毎日外で飯を食うんだよ!」
・・・・食べ物の恨みなり(笑)。

 小さい子どものパパも、ちゃんといるんだねーと、そんな主人がかわいく見えたのでした。それもやっぱり、実家に帰ってきてたからこそ、かな。

 その晩も、Mちゃんが寝る前に強烈なダダコネをして、もう主人はお手上げ、ってなりそうなのがわかったから、私が(その時は主人の私へのやつあたりがちょっときつかったのもあって、私もいらっとしていました)、
「あのね、泣かれるのが面倒だから、譲ってしまえとか、泣かれるとイライラするからもういやだ、って思っているなら、下で待ってて。私がここは面倒みるから」
って言ったんです。いつもいつもとは言わないけど、泣かれるから困るで親が葛藤を避けていては、いつまでたっても変わらないよ、って。

 そしたら、主人が初めて、Mちゃんのダダコネにがんばってがんばって、付き合ってくれたのー!!!

 いやだいやだって泣きじゃくるMちゃん(風邪気味のHちゃんが飲んだ薬を自分も飲みたいと、猛烈にごねました)。わかるよ、お薬一緒に飲みたかったんだね、でも、今日はだめなんだ。あれは、お薬だから、だめなんだよ・・・・って一生懸命向き合ってる姿のパパ。今改めて思い出すと、感動。ああいう、葛藤を乗り越えるやりとりこそが、向き合ってるっていう実感こそが、絆なんだろうな。

 最終的には、どうしても譲れないMちゃんに、パパがあめをお薬とおなじ大きさに切って持ってきて、それをお薬だからね、と渡したことで事態は収まったのだけど、どっちも、なんだかいい感じの安堵感に包まれているようでした。

 ・・・・と、ここまで来て、名前の上がっていないもう一人・・・・・

「Hちゃん、今パパとママとMちゃん、Hちゃんが飲んだお薬でごねたりイライラしたりしてたけど、Hちゃんのせいじゃないんだからね、大丈夫だよ」
そう私が言ったら、とたんに! ふっ、ふえ~~~~ん!!としゃくりあげて泣きだしたHちゃん。かわいすぎる・・・・・・・。

 主人も私もその姿を見て、昼間ジャスコでMちゃんがごねた時もHちゃんはしれーっとしてたし、だいたいいつもそうだけど、ストレートに表現するMちゃんはこっちも正直手こずるときがあるけど、そうやって出せてるMちゃんよりも、実はHちゃんのほうが、気持の我慢はためやすいのかもしれないね、と感じました。

 私たちのその気付きを感じたのか、次の日の晩は、Hちゃんがびーびー泣いて、立派にパパに抱っこしてもらいました。そのおかげが、Hちゃんの指しゃぶり、ちょっと減ったんですよー。

 実家に帰ったとき、というのが、これまた、M・Hの、私たちの余裕をちゃんと見ての、タイミング、だったのかも。本当に、子どもはよくわきまえているんですよね。

 普段は私も主人も、日々の生活に追われて、二人の気持ちに同時に寄り添うなんてなかなかできないけど、こうして二人の気持ちを受け取る時間と一緒に、夫婦で子どもの気持ちのことを話し合うことができて、いい帰省でした。

 本当に、いろいろあっても、全部おかげさま、だなと思うのでした。

「譲らないわよ~」

鷲尾先生、先日はありがとうございました。腰はまだ違和感が少しありますが、痛みはなくなりました。

 先週の水曜日にそちらに伺って以来、1度も立って抱っこはしていません。歩いていて「抱っこ」と言われるのですが、腰が痛いふりをするとちゃんと歩いてくれています。しかも、ほとんど手をつないでいてくれるので、手をつないで歩いてくれるとこんなに気分が楽なんだ~と思いました。

 あと、そちらに伺った日、家に帰ってからまた凄いダダコネがあったのですが、その日はすごく私がどっしりと構えていられて、いくら騒いでも私は譲らないわよ~という気持ちでいたら、ひと段落した後、甘えてきてくれたし良い感じでした。

 いままでは、口で「ダメ」と言っても、心の中では、このくらい許してもいいのかな?とか、どうするのが1番いいんだろうとか迷いがあったように思います。

 その後も、少し自信がついて毅然とした態度がとれるようになりました。そしたら、すごく聞き分けが良くて急にお姉さんになった感じなのですが、聞き分けが良すぎて、頑張りすぎてるんじゃないかな?と気になったりもしています。

 そんな感じなので、2人での外出も楽しめるようになってきました。一昨日は2人でバイキング形式のレストランに行って、楽しく食事もできました。ただ気になったのは、お店を出た途端に娘が「お腹が痛いウンチ」と言ったのでトイレに駆け込みましたが、食事中もウンチを我慢していたようです。

 今夜は1度寝てから起きだして私のところにきた時、私はパソコンをしていたのですが、「あっちで一緒に寝よう」と連れていこうとしたら、「ママ、パソコンやってて、下で寝る」と、私の足元の固い床の上で、寝てしまいました。いつも添い寝じゃないと寝てくれないのに・・。すごい気を使ってくれているようで、ちょっと心配になってしまいました。

 それではまた。

「妙に聞き分けがいい」

〈第1信〉

 初めて問い合わせさせて頂きます。今2歳7ヶ月の息子の事で気がかりな事があり、メールさせて頂いてます。

 息子が2歳を過ぎた頃から徐々にイヤイヤが始まり、だんだん自分の対応に自信がなくなり、困ってネットで色々調べてみた所、こちらの「癒しの子育てネットワーク」にたどり着きました。

 早速「ダダこね育ちのすすめ」も購入して読み、実践しているのですが、どうも上手くできているのか分からないのです。というのも、抱っこ法を実践してから息子は妙に聞き分けが良くなり、「~したかったんだね」と気持ちを分かってあげると、それ以上イヤイヤもせず泣きもせず黙るのです。

 最初は聞き分けが良くなって成功したと喜んでいたのですが、今までさんざん泣いて喚いていたのに急に全然泣かなくなったので心配になってきてしまいました。本やネットに書いてあるように、いっぱいダダこねしていっぱい泣いて発散して欲しいと思うのですが、全然泣かなくなっても良いのでしょうか??

 今日も、お風呂上りに飲み物も飲まずに「アメが欲しい」と言い出したので、「晩ごはんの後にひとつだけのお約束で食べたから、もうダメよ。ミルク飲んで」と言うと、たちまち口がへの字になって目が三角になり泣き顔になって、泣き声で「ミルク嫌~!アメ食べたい~~」とダダをこね始めたので、抱っこして「そっかあ~。アメ食べたいもんね~、○○ちゃんアメ大好きやもんね~。じゃあ、ミルク全部飲んだら、アメ一個あげるよ」と言うと、それ以上ダダをこねる事も無く泣きもせず、いきなりおもちゃを乱暴に散らかし始めました。

 ミルクも飲まず、おもちゃでおもちゃを叩いたり、ガンガン床に叩きつけたりしているので、「怒ってるの?」と聞くと、「悪者やっつけてるねん」と言って、またおもちゃでガンガンします。「アメちゃん食べたかったから?」と聞いても、何も言いません。

 抱っこしても降りようとして、話かけても「降りる~」と言って降りてしまいます。でも、しばらくすると急にミルクを飲み出して、「全部飲んだ!アメ食べる!」と言ってきて、アメを貰うと上機嫌になってしまいました。

 本やネットを参考にして対応したつもりだったのですが、なんだか中途半端な気がします。これで良かったんでしょうか? 息子が何か我慢してるのでしょうか?よくわからなくなってしまったので・・・・。

 突然のメールで失礼致しましたが、よろしければお返事お待ちしております。


〈第2信〉

 こんにちは。お忙しい中、丁寧なお返事を頂きありがとうございました。
 確かに私は「こうしようね」とか「これはダメ」等の要求の提示が弱かったかもしれません・・・。抱っこ法と出会うまでの私は息子がダダをこねると、「ダメ!」と言い続けるか、こちらが折れて息子の要求を呑むかのどちらかだったので、「気持ちを分かってあげる」という方法が本当に目からうろこで、そういう方法もあったんだと、そちらばかりに気を取られていた気がします。バランスが悪かったんですね・・・。

 今日、こんな出来事がありました。息子が実家の事務所で遊んでいる時、おじいちゃんのデスクからクレジットカードとお金を引っ張り出してきて、「これでおやつ買いに行く」と言ったので、「これはおじいちゃんの大事なカードだから、もとの場所にないないしてきて」と言ったら、「嫌!」とカードを投げました。私はそれを拾って、脇の下を支えて、「おやつ買いに行きたかったんやね。でもこれはおじいちゃんのやから、ないないして」と言いました。

 それを繰り返していると、息子は「嫌~!」と言いながら泣きだしました。それでも粘って、慰めながら「ないないしようね。一緒にする?」と聞くと、泣きながらですが「うん」と言って、一緒にカードをなおしました。

 それから抱っこして、「お菓子買いに行けなくて残念やったね。でも、ちゃんとないないできたね!」と言ってやると、とても満足そうな顔をしてうなずきました。

 カードをなおしに行った時点までは、まだ泣いていたのでちゃんと納得していたのか分かりませんが、「ちゃんとできたね」と言ってあげた時の笑顔はとてもすがすがしい、満足した顔をしていたので、とても安心しました。

 まだまだ全部が上手くいくわけではありませんが、抱っこ法を勉強しながら頑張って良い子育てをしたいと思います。援助者の所にも是非行ってみたいと思います。

 今回は助けて頂き、本当にありがとうございました。

「イヤイヤ期にぶつかり」

〈第1信〉

 はじめまして。現在、2歳6ヶ月になる男の子のママです。抱っこ法を最初に知ったのは、抱っこ法についての本をネット上で見つけたのが最初です。

 昨年の9月頃、ママがイライライして子どもにきつい言葉を言ってしまったりしていた日が続いた後、10月くらいから、なんだか子どもの様子が変だなぁと思うようになりました。それまではとにかく笑顔がとてもかわいくて、よく良い笑顔してるねぇといろんな人に言われるぐらい無邪気だった息子が、笑わなくなっていました。そんなときにネットで抱っこ法に出会い、とりあえず本で読んだように試みてみたところ、少しずつ笑顔がでてきてしばらくはホットしていました。

 今年の3月くらいからでしょうか? 原因はもう自分では整理しきれないくらいたくさんあるような気がしますが、だんだんとうまくかみあわなくなってきて、今は、例えば食事を例にとると、

ママ:「ご飯食べる?」
息子:「食べる~♪」とうれしそうに言ったかと思えば急に「食べない!」
ママ:「えっ、食べないの?今食べるって言ってなかった?」
息子:「食べない!!」
ママ:「そっかぁ…じゃもう少し後にしようか」
息子:「食べる!!」
ママ:「食べる?じゃあちょっと待っててね」
息子:「食べない!!!」

といった具合で、とにかく振り回されています。しまいには私がヒステリックになってしかってしまい、息子が泣き喚くといった状況です。

 これが食事に限らず、家の中に入る・入らない、おふろに入る・入らない、着替える・着替えない、オムツをかえる・かえらない、散歩に行く・行かない等々。

 毎朝、今日こそは怒らずにと思うのですが、今までには言わなかったような想像もできなかったようなことを要求したりしてきて、わざと怒らせているのかなぁ…と考えたりしています。「もう、知らないよ」とつきはなしてしまうこともあるのですが、そうすると「ママが好きなのに…」と言っています。以前は、「ママも大好きだよ」で一件落着していたこともありましたが、最近はそういわれてもどうにも頭に血が上ってしまって、怒りがおさまらない日もあれば、「ママも大好きだよ」と言ってもその後で、「ママが嫌い」とさっきまでとは間逆のことを言われ、なんだかよくわからなくなってしまいます。

 これがイヤイヤ期なのか?とも思ったりしましたが、どうもそれだけではなさそうな気がします。又、私もつかれはてていて、あんなにかわいかった息子がかわいく思えなくなっています。今の状況は私にとっても息子にとってもつらい状況なので、相談にうかがって、どこからひもといていけばいいのかおうかがいできたらと思ってメールしてみました。よろしくお願いします。


〈第2信〉

 返信ありがとうございました。最初のメールを書いたときはもうどうしようもない気持ちでいっぱいで、かなりいきずまっていて、きっとなかなかアポイントはとれないだろうから、早く連絡だけはしておかないと!とあせっていました。

 あれからメールを書いたのと同時に、ネットで本を三冊、『ダダこね育ちのすすめ』『魔法の子育てカウンセリング』『1~6歳成功する!しつけの技術』購入しました。到着すると無我夢中で三冊あっという間に読み上げてしまいました。

 読み上げた直後、下で寝ていた息子を二階に連れて行こうと抱っこしたとき、いつもは気が付かないでそのまま寝ていたりするのですが、その日に限っては猛烈に泣き始め、目は閉じているけれど、「二階いかない!下で寝る、下で寝る~!!」と駄々をこねはじめました。これはさっそくチャンスかもしれないと思い、抱っこしていると私を激しくけとばします。30分ほどの格闘でいったん中断してしまったのですが、次の日からなんだか私も心が軽くなり、あれほど息子の気持ちがわからなくてイライラしていた気持ちも落ち着き、ちょっとだけ一体感のような感じになりました。駄々をこねるのもちょっとかわいく思えるようになってもきました。

 今日も午前中に大きな駄々こねがあったので、抱っこ法をためしてみました。今はしゃくりあげるほど泣いて、疲れたのかすやすや眠っているところです。

 状況は少しずつ好転しているようにも思えますが、やはり息子の心の奥にはまだとりきれていない何かがあるようなきがします。途中、「ママに抱っこしてもらうと寂しい気持ちになる」と言っていたのも気になります。

 その心あたりとしてはいくつかあるのです。やっとさずかった子だったので、無事に出産するまではとにかく心配だったこと。出直前に身内の不幸がかさなり相当なショックだったこと。妊娠中毒症による帝王切開での出産し、息子は2000グラムにもみたなく生まれてきて、抱っこしたら壊れてしまいそうで抱っこするのがとても怖かったこと、そんな息子をみるたびに胸がしめつけられる思いでつらかったこと。産後心のバランスがかなりくずれてしまい、私自身がカンセリングに半年程かよっていたこと等々。息子の世話はなんとかできても、とてもかわいいなんて余裕が持てない気持ちのまま、1歳半ばくらいまで時がすぎてしまったのです。

 でも息子が2歳近くになってくると言葉をたくさんしゃべるようになっってきて、私にやさしい言葉をたくさんかけてくれたり、やりとりが楽しくなったことで息子と一緒にいる時間が苦ではなくなり、いつの間にか楽しいものになっていました。なのですっかり私もいろいろあったことなど忘れていたわけではないですけど、思い出すこともなくなっていました。

 でもちょううどこのイヤイヤ期にぶつかり、考えされられることも増えてきて、やっぱり何か心の中にたまっているのかなぁ?と思っています。ですので、遠くてもぜひ一度お伺いさせていただきたいと思っています。主人にはすでに話をしてあるので、休日に連れていってもらうことも可能です。


〈第3信〉

 あれから息子にはまたいろいろな変化がありました。今までは抱っこのときかなり力が入っていて抱っこと言っているわりにはすぐにおりてしまったり、つっぱったりしていたのが、私の首の後ろにふんわりと手をまわしてくるようになりました。それがなんとも私にとっても気持ちのよい感じで、抱っこしているのは私なんですけれども、息子に包み込んでもらっているような居心地のよさです。本当に抱っこ法にめぐりあってよかったなと思っています。

 夫と相談して、今週中には電話にて予約のご連絡をしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

「娘のダダこね」

 先日の日曜日の夕食時のことです。娘のRが食事を一口食べてから、「ママに食べさせてもらうの」と言いました。食事が大好きな娘は、いつもはほとんどひとりで食べてから「食べさせてもらうの」というのに、この日はおかしいなあと思って食べさせようとすると、「自分で食べるの」と言います。そして私がそれじゃあと思って、お茶碗を娘の前に置こうとすると、「ママに食べさせてもらうの」。それからはもう壊れたレコードのように、「ママに食べさせてもらうの」「自分で食べる」「ママに食べさせてもらう」「自分で食べるの」と喚きだし、私たちがびっくりしていると、そのまま「ママー、ママー」と号泣し始めました。

 びっくりしながらも抱き上げようとするともがきます。それでも抱っこしていると、「ママー、ママー」と泣き続けます。「ママのことを心配してくれてるのね、ママは大丈夫よ。Rもパパもいるからね」と慰め始めました。

 実は私は、娘が2歳になるあたりからですから、もう2週間くらいになるのでしょうか、娘のダダコネの扱い方に戸惑い、必要以上にきつく言い聞かせたりしていました。心も疲労していたのかもしれません。ダダコネの裏の本当の娘が見えず、どう接してどう導いていってあげたら良いかわからなくなったのです。

 それを見かねた主人が、「きつく怒りすぎる、Rが萎縮している」と私に注意しました。娘がお昼寝から起きたときに、「ママね、パパに怒られちゃった。Rに厳しすぎるって。ごめんね。ママもまだ未熟なママなの。ごめんね、気をつけるからね」と娘にあやまったのですが、娘は私の肩に顔を押し当てて黙っていました。戸惑っている様子でもありました。ですから、私のことを心配してくれたのだろうと思いました。

 それでもずっと「ママー、ママー」と号泣しています。私も娘の叫び声がダイレクトに心に響き、号泣しはじめてしまいました。娘の気持ちが痛いほど伝わり、こんなに私を思ってくれているのにつらい思いをさせちゃったと思いました。「ママを心配してくれているんだね。ありがとうね。ありがとうね」と言いました。主人は前回の抱っこ法のこともあり、私たちを抱きしめるように支えてくれ、そばについていてくれました。私は主人に「私たちは幸せだね、こんないい子が娘になってくれて、私たちはなんて幸せなんだろうね」と泣きながらいいました。

 気づくと、娘の泣き方が前回相談室で聞いた泣き方になっていました。Sさんが「自分に対して怒っているような泣き方ね。くやしいのかな。もっと上手に生まれてきたかった」と言った時と同じように怒って泣いているのです。

 「Rは悪くないんだよ。ママね、Rが急にお姉さんになってきたからどう接してあげていいかわからなくなってしまって、おとなと同じような扱いをしてしまったんだよ。ごめんね」。夢中だったのであまりよく覚えてないのですが、こんな風になぐさめたように思います。しばらくして、娘は落ち着いてきました。そのまま眠るのではないかと思いました。

 その後私が泣いているのを見て、「ママを拭いてあげるの」とタオルで私の顔を拭いてくれました。娘に「ママの顔を見て。ほら、ママ元気になったでしょう? ママは大丈夫よ」と言ったら、また大声で泣き始めました。安心したのだと思いました。

 しばらく抱っこしていると食事をしたがったので、椅子に座らせると、いつものようにしっかりとごはんを食べました。だいぶ落ち着いているのを見て、なかなかタイミングがつかめず伝えられていない私の気持ちを伝えようと思いました。

 私は娘の横顔に、「ママ、Rにお話しておきたい事があるの。Rが赤ちゃんだったころ、なかなか目を合わせてくれなかったでしょ? その理由をずっと考えていたんだけど・・・。Rがおなかにいる時、ママは男の子が欲しいと思っていたときがあったの。それはね、男の子のママに素敵な人が多かったからママの浅はかな考えだったの。でもRはママをがっかりさせちゃったって思ったんじゃないかな?」「うん」「ママね、女の子のママがこんなに素敵だなんて知らなかったの。ママはRが女の子で良かったよ。だからね、R、自分に自信を持ってね」「うん」こんな会話をしました。

 結局50分くらい泣き続けたかと思います。普段あまり泣いてないせいかもしれません。その後はごきげんで、「野菜炒め食べさせてあげる」とうきうきお料理(もちろんおもちゃで、です)して、私たちに腕をふるってくれました。2、3週間前の娘に戻ったような印象でした。

 数日前は私がショック状態でした。「癒しの子育てネットワーク」のHPのなかに、ダダこね期が娘との知恵比べで、楽しくて仕方が無い毎日というのを読んで、ひとつ光が見えました。本当にHPにはいつも励ましていただいてます。

 今日で3日経ちます。私は手探りながらも、娘のダダこねに楽しく向き合うようになりました。何より娘の「ママが大好き」がどんな瞬間も手に取るように伝わってきて、私を幸せな気持ちにしてくれるのです。私の受けとり方が変わったせいか、娘が以前のように素直に甘えるようになった気がしました。主人に聞くと、娘が以前のように戻ったと言います。もっとうまく抱っこをしてあげられたらとも思いましたが、とりあえず親子の絆を結び直すチャンスを生かせたのかなと思いました。

 何かというと「ママ抱っこ」が激しくなりました。これも甘えのひとつなんですね。長々と失礼いたしました。もうすぐに相談室に伺うことになっているので、伺った時にお話しようかと思っていたのですが、あまりに私にとって大きな出来事でしたので早くお話したくて・・・メールいたしました。

「五分と五分でママがボス」

 ボスのお話&五分五分のこと、なんだかわかる気がしました。五分五分ってね、私はずっと主張と受け入れがバランス良く、とか、私も子どもを受け入れる=子どもも私を受け入れるっていう天秤だと思っていたんだけど・・・・

 それは勿論そうなんだけど、私も文句を言う、子どもも文句を言えるっていう、底辺の五分五分、がないと、結局お互いキィーッてなっちゃうんじゃないかなあって。程度の強さ、言葉づかいはともあれ、私も文句言わせてもらうわよー! こっちだって言わせてもらうわよー! そういう強さもあっていいのかもしれないし、その強さがないと、文句も生きてこないのかもしれないと。

 と、思えるのはなぜかというと、私がいい加減親の言うことききなさいっ!!と言って以来、Mちゃんが、私に馬鹿と云う事が激減して、私がはっきり要求を言うと、YESかNOをはっきりいってくれるようになったからです♪

 そして、YESと言ってくれることが断然増えました! ついでに、あんなに食べてくれないと悩んでいたごはんまで、ぱくぱくと食べてくれるようになりました!びっくり!

 こうしようね、ママはこうしてほしいなあ、いやだよね、こんな気持ちになっちゃうよね・・・そういう言葉かけやかかわりを心掛けてきたんだけど、私が子どもに対する遠慮を抱えて、先に相手を受け入れようとばかりしてると、きっと子どもはイヤイヤを言う前に、母の遠慮の気持ちを察してしまって、かえってはっきりイヤとはいい難いものを感じてしまうのかも・・・・って。

 あっ、そうだ、太鼓や弦と一緒ですよね。張りが強くないと、叩き甲斐がないんだ。スポンジじゃ頼りなさすぎるものね。

 私は無意識に、子どものスポンジになろうなろうと(なんでも受け取ってあげようと)してたのかも・・・・。で、スポンジになろうとしたって、結局吸い取るばかりじゃ限界があって、いっつも自分がいっぱいいっぱいになってるんですよねー(苦笑)。

 毎朝、幼稚園に行きたくないとか言うけど、そうだねえ、行きたくないよね、って抱きしめるのも大事だし、今まではそうやってきたけど、Mちゃんの場合は、さんざんそれはしてきたから、今は、「でも、幼稚園は行かなくちゃいけない!」が必要だし、それがないと逆に思いきり「行きたくないー!とは言えないのかも。

 だから、最近は毎朝私は、「わかるよ、Hちゃんだけママといっしょずるいよね。で・も!! Mちゃんはもう幼稚園生になっちゃったんだから、幼稚園に行かないといけないの!」って言っちゃってます。

 そうするとね、「なんで?!」ってぶーたれるんだけど、「だって、なっちゃったもんはなっちゃったの。幼稚園生になっちゃったんだから、行くしかないの!」って私が返すと、ぶーぶーいいながらも、結局は行って、それで楽しんでくるんですよね。

 でね、私自身もね、結局、そうやってはっきり言えることが、気持良かったり、するんです。そうそう、子ども自身に言いたい放題を許すように、私自身にも、言いたい放題を許しても、いいんですよね、時には。

 子どもが大いに文句をたれるためにも、私は揺るがない事実を大いに提示していい!!のかも・・・・♪とここ最近は思って、前より大威張りな私です(笑)。行きすぎないように気をつけなくちゃ・・・・。母は堂々としてていいのだ?(でも、またそのうち穴に落っこちるんだろうけど)。

「後悔は成長の証?」

 今日の朝まで母のところでお世話になりました。いろいろと感じるところあり、そして今、MとH二人が、暇さえあればちょっかいを出し合ったり取り合ったり、喧嘩したり泣いたり夜寝ぐずったり・・・という感じなので、私の心はバスジャックの嵐でした。

 そして帰り道は私はやっぱりぽろぽろと涙を流し、んーーー、泣いている時は辛かったり悲しかったりだけど、それは当時感じることさえしようとしなかった、でも、本当の気持で、それを改めて涙と一緒に感じる、っていうのは、それだけ私の許容量が増えたからこそなのかなあ。

 後悔、ってね、当時はそうできなくて、今ならこうできるのに・・・って、そう思えるのは、そのときの自分より、今の自分のほうが成長しているからこそ、ですよね。今日そう気づいたんです。だから、後悔は成長の証そのものだ、って。後悔できる自分がいたって、それもよしだな、って。

 そんなことを思いつつも、帰りの車の中では二人が母とのバイバイがいやだと、いつまででも泣き、最初は黙ってしょうがないなと、聞いていたのですが、あんまり泣き止まないので、
「そんなにおばあちゃんがいいなら、おばあちゃん家に戻るよ!!」
と脅して泣きやませ、帰ってきたら今度はHちゃんが駐車場で絶叫して大泣き。家に入るの?外にいるの?何が言いたいの?どうしたいの? 何を聞いても絶叫して「いやーだー!!!」。

 とうとう私もイライラの絶頂になってしまい、家に入ってから、洗濯機に一枚一枚持ち帰った着替えを投げ込みながら、
「一体、何が不満なのよー!」
「毎日毎日喧嘩ばっかりしてー!!」
「おやつもジュースも買ってあれだけ食べて、何が気に食わないんじゃ!!」
「このー!いい加減にしろぉー!!」
と叫び、しまいには洗濯機に顔を突っ込んで、
「やってられるか~!!」
とありとあらゆる暴言(?)を投げ込みました。あー、すっきり。

 と、ここまでやって、溜まってたのは、私の方だったかも、と気づいたのでした。それでも二人の喧嘩や取り合いは、おさまりゃしないので、やっぱり、小言を言ってばかりなんですけれどね・・・・・。

 小言が言える日々もまた、幸せな日々かな。なんて。はぁ。

「大格闘」

 昨日はYの抱っこと私にもハグしていただいて、鷲尾さん、阿部先生どうもありがとうございました。私については恥ずかしいというのが一番の気持で、でもジーンとこみあげてくるものがありました。“自分にしてもらいたいこと”それを感じるのがとっても苦手なんだと思いました。Yは阿部先生のことを、「おとななのに弱いんだよ~」「僕の方が強いんだよ~」とパパに自慢していました。「鷲尾さんは痛いんだよね~」とか言っていました。

 帰り道、Yはすごくお兄ちゃんだったんです。生まれて初めてというぐらいの聞き分けの良さでした。でもそれも長続きはしなくて、バスを降りてから「一人で帰る」とダダをこねて、私もヘトヘトで付き合いきれなくて、暴れるYを無理矢理抱っこして家まで帰りました。家でもすさまじい暴れっぷりで30分たっても終わる気配もなく、私も疲れていて、和く輪く舎での決意もたじろぎそうになりながら格闘してました。パパが帰ってきてやっと落ち着きました。

 今までは「さっきの所まで戻って一人で帰りたい」と言っていたのが、「○○ちゃんちに行きたい」と言い分を変えたんです。改めて文句が言いたいだけなんだなと思いました。

 そして今朝も大暴れ。会社に行くパパとの別れ際に無理矢理引き離して、それから40分格闘です。一晩寝て、私も元気になったので今回は自分でも上手く出来たと思います。「やだね。でも靴下はいてね。幼稚園行こうね」と、いつも鷲尾さんにしていただいているのを思い出してやってみました。結局は私がはかしてやって園バスのバス停まで抱っこでしたが、髪の毛をひっぱったりといった抵抗は無かったので、今日のところはそれで良かったんだと思います。

 でもちょっとグチらせてください。大暴れのYを一人で抱っこするのは本当に大変なんです。昨日考えた通り、Yの手を胸の前で組ませて、私が後ろからはがいじめにしたら、後ろに頭突きしてきて手を噛まれそうになりました。本当に想像以上のことをしてくれます、Yは。力仕事なのでパパがいる時は足を持っててとお願いすることもありますが、パパは鬼みたいに怖くて言うことを聞かせようとするんですよね。

 家の家族は何でも思い通りにしたいパパと、何でも人に決めてもらいたい私と、ママのお兄ちゃんだと思っているYというメンバーなんです。ひょっとしてYはパパと同等だと思っているかも知れません。

 私ひとりでパパのお手本になれるように頑張ります。Yもママをママとして見てもらえるように…。今は元気元気ですが、また気持が下向きになってしまったら連絡させて下さいね。長々と失礼しました。

「極端なイヤイヤが歯医者さんで」

〈第1信〉

 おはようございます。お忙しいところ返事のメールありがとうございました。すぐ返事をしようと何度も文章を書いていたのですが、いつも途中で息子が起きてきてしまって、送れませんでした。まずはお礼のメールだけでもと、送らせていただくことにしました。

 ちょうどメールをした日からちょっとイヤイヤが治まってきました。前日に行った歯医者さんで、びしっとしかられたせいだと思います。泣いて暴れていたので、『あんまり泣いてばかりいると先生もう帰ってもらうよ。嫌なのはよくわかった。自分でうがいしなさい』としかられました。ひっくひっくと泣きながらも言うことを聞いていたので、ちょっとかわいそうな気がしたのですが、それから私の話を前よりは聞くようになりました。イヤイヤの後に、間を置いて『いいよ』というようになったのです。歯もしっかり磨いてくれるようになりました。

 まだ駄々こねはあるのですが、前よりいいです。私は完全に甘えられていたのだとわかりました。いい意味で甘えているのではなく、なにもかも甘えているということです。やはり厳しいことも大切だと思いました。まだ歯医者さんのようにはしっかり叱ってやれませんが、私ももう少し自信をもって、泣いても逃げ出さないようにしようと思いました。

 また自信がなくなって相談したいときが出てくると思います。そのときは紹介していただいた援助者の方に電話してみようと思います。隣の県でもずいぶん近い方なので、よかったです。紹介して頂いて有難うございました。では失礼します。


〈第2信〉

 私の不甲斐ない相談がこんなふうに受け止めてもらえるなんて、なんだか不思議な気分です。それくらい貴重な体験をすることが出来たと言うことなんですね。歯医者さんに感謝です。

 あと、少しだけ気になることが・・・。息子はあれ以来、『怒ってる?』とたびたび聞きます。『~というわけで、お母さんは怒ってるよ』と伝えますが。たまに私のちょっとした八つ当たりのときは、ちょっと後に『ごめんね』と私から謝ります。何だか顔色を伺うようになってしまった?と心配になりました。

 ただ、自分もそうなのですが、がんと怒られた後は時間はかかりますが、調子に乗っていたことを反省して、その相手に認めてもらいたいと頑張る気がします。息子もそれならいいのですが。それに『怒ってる?』と聞いてきてもあまり怯えている様子はないから大丈夫な気もするのですが。

 また、ちょっと話は変わりますが、この間友達の家に遊びに行って、他のお友達と遊びました。おもちゃの取り合いになるとすぐに譲ってしまいます。『貸してあげたよ』と苦笑いして言いますが、明らかにちょっと我慢している気がします。同じくらいのお友達がまわりにいないので、どうしていいかわからないのかもしれませんが、怒られたことで何か無理をしていなければいいなと思います。ただ以前から取り合いというのをほとんどしない方だったからだと思いますが、他の子達があまりにすごかったので気になりました。他の子は下の子がいるからかもいれませんが。1歳の男の子の面倒を一生懸命見ようとしたりして、まあそれはほほえましいのですが。

 これらのことが今気になっている点です。つまり、『無理してないかな?』と言う点です。まあ、今までのことを考えると多少は無理してもらったほうがいいかもしれませんが、殻にこもってしまうような無理はしないほうがいいんでしょうね。今でも立派に駄々をこねるし、いやも言うので、大丈夫だとは思うのですが。

 歯医者さんの一件以来
・歯磨きをするようになった
・靴を自分で脱いで揃えるようになった(たまにですが)
・なんとなく嫌といってから納得するまでの時間が短くなった(気分にむらが無くなった)
などなど、いい面がたくさん出てきました。一生懸命背伸びしようとしているのがわかります。気になるのは、友達にすぐに譲ってしまうこと、『怒ってる?』と聞いてくることです。まあ、特に前者が気になります。

 抱っこ法の本の中で、『親が徹底的に子どもに負けてやる』というのがあって、ずっと気になっていたのですが、そういうのをしてあげるべきなのかなと考えたりします。でもちょっと難しそうです。

 私自身はお返事で励ましのメールを頂いたり、息子が頑張ってくれるようになって元気になってきました。まだめげたりもしますが、たびたびホームページを見させていただいて、元気をもらおうと思っています。


〈第3信〉

 おはようございます。お返事を有難うございました。息子なりに考えて行動しているのですね。しかし、息子を自分の掌の中で自由にしてあげると言うことはなかなか難しいですね。いつも息子と同じかそれ以下になっている感じです。だからイライラもするのでしょうね。

 今も息子が風邪をひいてしまって、ちょっとイヤイヤがぶり返してくると、こっちも負けずにイライラしてしまいます。風邪でつらいから仕方ないよね、と頭ではわかっているのですが・・・。

 ただ、息子は今とてもいい子に育ってきているんだと言う自信をもらうことが出来た気がします。どこか『私の育て方が悪いから・・・』と自分を責めていました。でも息子はちゃんといい子に育っているんだと言うことが相談してからよくわかったので、自分を誉めて、それ以上に、いい子に育ってくれている子どもに感謝したいと思いました。

 ところで歯医者さんの件ですが・・・。叱り方をよく思い出してみると、厳しい中にやさしさがありました。何がやさしさを感じさせたのか、音色でしょうか、話す速度でしょうか。言葉づかいでしょうか。子どもの気持ちもちゃんと汲んであげている点でしょうか。全てが今まで感じたことの無い叱り方でした。それらのことを考えていなかったわけではありません。でもいつも感情が先走っていました。威圧感もなく、でも少々怖くて、内容はしっかりしている。心に届く叱り方をこれからしていきたいなと思います。叱ると言うより、正す、教える、伝える、というのでしょうか。息子の心にちゃんと伝わるような叱り方をしたいです。


〈第4信〉

 今の息子の状況はといえば、相変わらずいやいやくんです。でも、私がうつになりません。たまにはなりますが、なんだか二人の間の壁が薄くなった気分です。歯磨きもちょっとサボりだしたので羽交い絞めですが、すごく暴れるくせに、あとでニヤリとしています。ちょっとおにいさんになるように頑張るの疲れたのかな?と思いながら、まあいいか、と思ったりしています。

 いろいろ考えて、甘やかしてはいけないと片意地を張って、自分で自分を苦しめていたのが良くわかります。年上の息子を持つ方に、『今しかひざにのってきてくれないよ。大きくなるとうざいって言われるよ。悲しい』といわれて、急に今の時間がもったいない気がしてきました。今ひっつかないでいつひっつくんだと思い、息子にひっつきまくっています。もちろん他事もしますが。それが息子には嬉しいのか、安心なのか、なんだかいい感じです。甘やかすのとひっつくのとは違うんだなと思いました。スキンシップですね。こんな簡単なことに気づきませんでした。抱っこ法もスキンシップですね。大変ですけど。

 まだ悩まされたりしますが、それも大事だと思って、息子と家族と一緒に頑張っていこうと思います。

 そういえばこの間、新聞の家庭欄に子育ての悩みランキングで、『駄々こね』が一位でした。最後に著者が悩んでいる人に本を紹介しているとのことでしたが、たしか阿部先生の本でしたよ。すごいですね。私はまだ読んでない本でしたが、『ダダこね育ちのすすめ』とかいう本だったような。もし違ったら申し訳ありません。ちょっと急いで読んだので、記憶があいまいで・・・。

 本当にいろいろ有難うございました

「ダダこねに優しくなれた」

 一度、そちらに訪ねた者です。あれは、夏になるぐらいだったかと思います。あれから、彼も成長してきました。心配なこともぐっと減り、泣き方も甘え泣きができるようになりました。私に頼ることも増えました。

 でも、最近ダダこねがまた増えてきて・・どうしたものかと考えておりました。今、以前より相談できる場は増えました。臨床心理士や言語聴覚士です。日々の彼との生活で、より具体的なアドバイスをもらえます。

 そして、今のダダこねについて相談したところ。やっと下の子が出来たことへの焼きもちが出せるようになってきたのでは? 寝るときもパパよりママをのぞむようになったのも、ママへの気持ちが強くなってきたことの表れでこれは良い傾向だと言われました。

 下の子どもが入院したりして、一時保育園に預けたりして私から離れることがあったり、幼稚園めぐりやその準備など、彼なりに経験したことのない刺激や感情が芽生えたこの数ヶ月。それに対応するために、彼も成長してきているのだろうとのこと、そういわれると、ダダに対しても優しくなれました。また、そちらに伺わなくては・・と考えていたのですが、もう少しがんばれそうです。

 苦しいダダこねではあるのですが、以前のものとは少し意味が違ったようです。それを知りホッとしました。もっと、彼との時間を大切にしていこうと思っています。ただ、下の子がいるためどれだけとれるか・・と考えもしますが。量より質なのだと思います。たとえ5分でも、彼が私と充実した時間を持てることが大切なのだと思います。

 ちなみに・・彼がのぞんでいる私と二人きりになれる場所、弟と離れて私を独占できる場所。それは、トイレでした。トイレでダダをこねていたのです。アドバイスをもらった後、彼との長いトイレ時間も優しい時間になりました。足がしびれそうになったり、眠くなったり。今は、その時間も短縮され自分でさっさとしてくることもあります。ほんの一時なんですよね。解放されたけれど少し寂しくもあります。

 また、報告致します。

「怒ってくれて嬉しい」

 こんにちは。
 メールを送った日の晩、K(2歳4か月)がめずらしく(本当にめずらしく)熱を出しました。今は熱は下がったのですが、ノドが痛いらしく大好きなアイスクリームも「いらない・・」とうつむいてしまいます。今日は保育園に行ったので、園のお給食はお部屋の雰囲気やお友達効果で食べてくれるといいのですが・・・。

 月曜は午前中仕事に行って午後から帰り、火曜日も会社を休みました。火曜の朝、休みの連絡をしたときの上司の対応がとても冷たくて、電話も一方的に切られてしまうほどで、朝から私は心がどこかへ行ってしまいました。4日間もKちゃんと一緒で嬉しいはずなのに、電話を切った後からさみしい気持ちになってしまいました。

 熱が下がったばかりのKもしばらくすると元気になり、お部屋での遊びでは物足りないらしく、私の相手の仕方にも不満が出て、聞き分けが悪くなり、私もそれに付き合ってあげられず、「もう。勝手にしなさい」とKを1人部屋に残し別室に行って自分の事をしてしまったりしました。ひどいことにそんな事を3回ほどやってしまいました。

 いままで、泣いていてもそばに居続けてあげたのに・・・。その日はKのワガママも爆発するし、私も朝の電話でやる気がないし、どうにも折り合いがつきませんでした。

 3回目には泣きながら寝てしまいました。そして起きてから・・抱き上げても私から離れたがり、降りたがり、泣いてばかり。あぁ・・「勝手にしなさい」が応えたんだわ。と思いしばらくKの怒りに付き合いました。どうやら怒っている時は私の顔を見ませんね。そして、私の口を引っかくようです(苦笑)。

 1時間くらい格闘した後、ぺったんこ抱っこになったKにいろいろお話してみました。そして今回は、ちゃんと自分の気持ちを言ってくれました。
「勝手にしなさい」
と言われ独りぼっちにされた事をとても怒っている事。お母さんがせっかく休みなのに、朝から心がどこかへいっちゃって嫌だった事。私がすぐ「さみしい?」ってしつこく聞くのが嫌な事(さみしくないから)。チチの交換条件も嫌な事。~~最近夫は自分の言うことを聞いてくれなければ自分もKのお願い聞かないヨ、と言いKが話しかけても本当に返事もしない事が多いいのです。~~など、私の問いかけにちゃんと「YES」「NO」で答えてくれたのです(今まではうなずくだけでした)。

 その後、私は心から謝りました。そして、Kちゃんの無理難題もいけない事を伝えて仲直り。

 次の日の朝、着替えるのを拒否するKにまたまた私の怒りが爆発。でもKも負けてなくて、二人して「ワーーー!ヤダーーー!」と怒りながらお着替えしました。怒る気持ちを表に表せるようなったのだから、良い事なんですよね? 歯医者さん(歯を診て、心のことまでわかってしまう)とお話をしている時、Kも膝の上で聞いていたので、自分の我慢強い事を誉められ勇気が湧いたのでしょうか? それとも、『自信のない自分』に気づいた私の、聞く準備ができたと感じて表現し出したのでしょうか?

 それから、格闘している間は「大切だから離さないよ」と言って、ただ同調してあげればいいのでしょうか? 最近いつも格闘の最中は聞く耳持ってくれなくて、それにKが大声を張り上げており会話になどならず、ただ手を添えているだけなのですが・・・。5分と5分の張り合いって先生はおっしゃいますが(その辺が2歳児になってきたので)、なかなか難しいですね。

 今、歯医者さんからもらった冊子を読み進めていますが、抱っこ法に通じる事がたくさん書いてあります! これを読んだ後、また「ダダこね育ちのすすめ」を読みなおそうと思います。

 それから、芳子先生。「自信のなさ」は芳子先生にもあるんですね。それを聞いて、私なんてまだまだ浅い母歴ですもの、自信がなくて当然だわ~と失礼ですがホッとしました。これから・・ですね(笑)。

 今日もKと2人きりの夕食です。今日も怒ってくれるかなぁ?・・・♪

「絵に描いたようなイヤイヤ期」

 娘は生まれたときから元気すぎることが原因で、まとめて寝てくれない子で、夜泣きもグズリもひどくて、体力のない私にとってとても手がかかる子でした。みんなサラっと子育てしているように見えるのに、なんで私だけこんなに毎日疲れるのだろうと、いつも自分の子育てに自信が持てずにいました。でも『ダダこね育ちのすすめ』やぴっかりさんの本に出会って、私が娘に寂しい思いをさせたくないとがんばってきた思いが、間違っていたわけではなかったと知ることができました。ただ自信がないがために、少し力が入りすぎて疲れをためすぎていました。

 今娘は2歳になったばかりで、ここ最近、絵に描いたかのようにイヤイヤ期に突入しました。先日、雨でスーパーのタイルが泥んこに濡れて滑りやすくなっていて、どうしても歩かせてあげられなかったから無理矢理ベビーカーに乗せたとき、もうそれが何が何でも気に入らなかったらしく、そのあとすぐ降ろしてあげたのに、スーパーの中でひっくり返って、これでもかとばかりに大泣きしました。

 連休中で混雑していたので、何とか抱きかかえて安全で迷惑のかからないところに連れて行ったけど、そのあとも30分以上泣きやまず、ひたすら仰向けに寝転がって大暴れでした。母子ともに服が泥だらけになってイライラしてしまいましたが、そのときひたすら「ダダこね育ち」のことを考えて、娘が満足するまでなるべくおおらかな気持ちで見守って、落ち着き始めたときにいっぱい抱っこしてあげました。

 そのときの対応がよかったのか悪かったのか、そのときは分からなかったのですが、その夜は一度も夜泣きをしなかったんです。喜怒哀楽が激しくて、興奮した日は必ず夜泣きをする子で、この日は連休で騒がしいところにたくさん連れて行っていたので、夜泣きは覚悟していたのにビックリしました。

 まだまだイヤイヤ期は始まったばかりですが、今のところ、娘のやりたい放題にさせるわけでもなく、親の言い分を無理矢理押しつけるわけでもなく、どちらにもしこりが残らない方法を探りながら、何とか乗り越えていこうと思っています。

 私自身が子どものころ、全くと言っていいほどダダこねができない子どもで、母との間にいまだにしこりを残していますが、『ダダこね育ちのすすめ』の本に出会えたおかげで、娘も私も健康的にダダをこねて、伸び伸び幸せに暮らしていけると思います。

「がんばりました」

 先日はそちらに伺うことができず、申し訳ありませんでした。あれからいまだに私の体調も悪く、さらにSまでダウンして入院になってしまいました。今はつきそいで病院におります。Sはヘルペス(口内炎)になり、自宅で治療することができなくなり、病院で点滴を受けています(たぶん月曜日か火曜日には退院できると思います)。それで入院する前まで私と二人で寝込んでしまいました。

 またいつものように主人が協力してくれず、私が主人のことで(Sの前で)爆発してしまいました。ただ以前と違って、先生に抱っこ法を受けてからは、Sが私の気持ちを理解してくれて、「ママ、泣いていいよ」と言って、抱きしめてくれるのです。そんなことがもう3回ぐらいあります。「泣いていいよ」と胸を貸してくれるのです。本当にびっくりです。しかし今回の病気、入院でまた私のイライラが出て、口の中が痛くてダダこねしているSに冷たい態度や言葉をはいてしまいました。Sはすごくいい方へ成長しているのに私は本当にダメです。Sに申しわけなくて、心配です。

 ところで、前回先生の所から帰ってきて「ママ大好き」と言われてびっくり。その翌日から続けて3日間大泣きがあり、それからSが非常によい方向へ変化しました。2日目にスーパーへ出かけた時、Sがお子様カレーを全種類買うとダダこねをはじめました。きたーという感じで店内で大きく泣き叫び始めたので、すぐ外へ出ました。そとで15分ほど「欲しいね。全部欲しいけど、ママは1つしか買えない」ということを繰り返して抱っこしました。みんなじろじろ見ていましたががんばりました。とうとう私のことを受け入れ納得し、気持ちよく店内へもどり1つだけ自分で選ぶことができました。

 そしてその次の日、また外でやりました。習い事の英語へ出かけるのに雨降りだったので、家から近いバス停からバスに乗り、帰りもバスにしようということでした。それはちゃんと歩かないSを連れて出かけるのに一番良い方法で、私の都合上でした。行きはすんなりとバスに乗り、帰りもまたバス停へ行こうとしたら、Sがどうしても「電車に乗る」と言い出してききません。そこで雨の中、これも10分ほどやりとりが始まりました。

 しかし、今日の主張はどうしてもゆずれない様子。私のほうも自分の都合でバスに乗ろうとしているので、今回はSの意見を通して電車で帰るということにしました。そのかわり大雨なので駅から家まで抱っこしてと言わないでちゃんと歩くように約束しました。いざ駅に着くとやっぱり「抱っこ」と言いましたが、「電車に乗るなら最後まで歩く約束だったよね」と言うとわりとすんなり歩きはじめ、家まで着くことができました。

 その事からSががらりと変化し、外出時に「抱っこ」と言わなくなりました(ただし主人と一緒のときは甘えて言いますが)。それからとても明るくなり、おしゃべりになり、楽しそうになり、私との関係も大変良くなりました。「~しようね」と言うと大きな声で「ハーイわかったぁ」と言うようになったのです。

 そこまで進んだのに、今回の病気で私がイライラして、またSとの関係がぎくしゃくしてしまいました。以前のように私のイライラが増しているときに、Sは自分の指の皮をむりやりむきはじめるのです。それを見て私は「しまった!」と反省しています。入院して私に少し余裕が出て、それに伴ってSの皮むきは止まりましたが、家に帰ってからが心配です。二人の体が完全に回復しましたら、また先生の所へ行きたいと思っています。また連絡いたしますのでどうぞよろしくお願いします。

追伸:入院中にストレスがたまってダダこねしたSをぎゅっと抱っこしていたら、看護婦さんが「大丈夫ですか」と飛んできました。激しく泣いた後、Sはスッキリしてベット上で楽しく遊びはじめました(すごい泣き方なのでやっぱりみんなびっくりしました)。でも泣くと本当にすっきりするんですね!

「新しい抱っこ法の楽しみ方」

 芳子先生、癒しの子育てネットワークのみなさま。おひさしぶりです。季節の変わり目でいそがしいお天気が続いていますが、皆様いかがおすごしでしょうか?

 我が家は4月○○日に長男Sが生まれてからというもの、毎日が4倍速くらいで過ぎていってしまいます。わいわいがやがや合宿所にいるような生活です。

 妊娠中もそれから産後も抱っこ法が活躍しました。まず上の子ですが、抱っこすることによって、下の子がやってくることによる、いろんな感情を体験し成熟することによってだいぶ成長しました。下の子は、お腹にいるときから「この母親にはなんでもいっても大丈夫だ」と思っているのか^^;、主人が「Sはなんにもしゃべれないのだから」というと、「僕だってしゃべっている」と怒って訴えたみたり、うつぶせになってハイハイしようとしても、お姉ちゃんのように上手くいかないといって、訴えてみたりといろいろ訴えてみたりします。子どもたちは毎日一生懸命生きているんだなぁと感じます。そして、子どもたちの世界はチャレンジすることがいっぱいでたのしそうだなぁと思います。

 そして上の子(2歳半)は待ちに待った「イヤイヤ期」が、本格的に到来したようです。毎日おもしろいです。たとえばかんしゃくを起こして、足を鳴らしてやめなかったんですが、
私「いやなんだね~足ドンドンしてるね」
私「足ドンドンしてるとうるさいからみんなバイバイしちゃうね~」
娘「バイバイ いや!!」
私「バイバイ いやだね。みんなバイバイするように 足ドンドンしようか?」
娘「足ドンドン いや!」
私「え~~足ドンドンしようよ」
娘「足ドンドン うるさいから いや!」
こんな感じでいやいやいってたら足を鳴らすのをやめました。

 ほかにも脱いだものを片付けるときも、
娘「ママやって!無理!いや!」
私「え~どうやってやるの?ママに教えて~」
(このやりとりを20回くらい繰り返してから)
娘「ママ洗濯機もってって!」
私「洗濯機がどこにあるのかわかるんだ!すごいなぁ~どこにあるの?」
娘「あっち!!」
(このやり取りを10回くりかえしてから)
私「じゃぁこれ持ってママ連れてってよ」
娘は私を連れて洗濯機に洗濯物をいれてくれました。

 ほかにも親子の知恵比べを毎日上の子とはしていて、下の子は大きくなろうとするのを応援して、毎日楽しいです。いやいやに付き合ってると本人も楽しくなっちゃうらしくて、たまに「うふふ」といわれます。最近になってまた、新しい抱っこ法の楽しみ方をしりました。これからも抱っこ法のお世話になろうと思います。どうぞ宜しくおねがいします。またご報告させてください

 それでは皆様のますますのご活躍をお祈りしております。

「ダダこねを受けとめてみました」

 先日は大変お世話になりました。家に帰り、早速 本やしあわせ子育て通信を読ませて頂き、先生にお聞きしたお話、ビデオなどを思い出し色々と考え“抱っこ法”をぜひやってみたいと心から思えるようになりました。

 先生の所に伺った時は、正直を申して少し不安がありました。「Tは、もう6才ですので、もしかして、失敗して、とても傷つけることになるのではないか?」こんな気持ちをかかえたまま先生にお会いしました。先生に言われたように、私はTに対して気持ちが前向きでなく、Tのかんしゃくや言葉をどこか怖がっていたのかもしれません。私はあなたの母親なんだからと!!という強い気持ちが持てず、自信を失いかけていたのです。でも、これではいけない、私は今までTにとって良い母親ではなかったかもしれないけど、とても大切に、大事に育てたのだから、Tの母として自信を持ってぶつかっていっても良いのだと思いました。

 そして昨日(15日)に、朝起きるのをいやがり無理やり起こそうとしたら、かんしゃくが始まったので体を押さえやってみたのですが、時間もなかったので 中途半端に終わってしまい、そのまま学校へ行きました。学校から帰り、とても楽しそうに友だち5~6人と家で遊び、夕方5時過ぎに1人の子を送りに、私は2才の妹を自転車に乗せ、Tと友達は歩きで友だちの家へ行きました。

 その帰り道、あと30メートルぐらいの所で、「Tも自転車に乗せてくれ!」とダダをこね始めました。私が、「あと少しだからがんばって歩こうね」と言っても、もうすごい反発をしてきました。それでもごまかしながら家まで着き、玄関に入るとものすごい勢いで泣きわめき始めました。私は、Tを抱きしめると言うよりも押さえつけるといった状態で、30分ぐらい続きました。Tは、「はなせ!! バカヤロー!このバカ女!あっちへ行け・・・・ 」など ものすごい状態が続き、「もういいよ、やめてくれ、はなしてくれー」と言われ、少し自信を失いかけてきたのですが、ここでやめたらまた同じことだ!先生を信じて泣き疲れるまでがんばろうと思いました。幸い近所が離れているので、回りにあまり気を使わなくて良かったので、とことんやってみようと心に言い聞かせ「なにがもういいのよ~!」と私も聞いてみると、「自転車に乗せてくれなくてずるい」と泣きさけぶので、「ごめんね、H(妹)だけ乗せてTだけ乗せなかったから?」ときくと「そうだ!!ずるいずるい」と大泣きをしました。

 少し落ちついたかなと思ったのですが、やはり「はなせ~」とくり返し、少し離してみると、2階に上がっていこうとするのです。それを何回もくり返し、それでもあきらめずに、押さえつけるように抱きかかえると今度は、「いつもみたいにしろ~」と何度も叫ぶので私もはっとして、思い出し、そう言えば、3才頃からかんしゃくを起こした時、逃げていくTをほっておいた私がいたのです。そうか、あの時受け止めてほしかったのに!! そう思い、Tにその気持ちを話すと少し落ちつき、一緒にお風呂に入ろうと誘ったのですが、疲れたらしく寝たいというので、抱っこして寝かせると、すぐに寝てしまいました。その後、起きたときは、なんとなくすっきりしたTに見えました。

 その日はあまり変わっていないかな?と思ったのですが、今日(16日)学校から帰ってきて、とてもTが私にべったりしてくるのです。どうしちゃったの?って言うくらい抱っこをしてきたり、素直に話してくれたりするのです。なにかとてもうれしくなり先生にご報告をと思いお手紙を書いています。しかしまだ、本当にTの気持ちが晴れたとは思ってはいませんが、少し良い方向に向かっているように思えています。今後ももっともっと向き合って感情を出せるようにしていきたいと思っていますが、やはり1度先生の所で抱っこ法をやった方が良いのではないかと思っております。Tの気持ちが落ち着いたらぜひと思っています。

 先生 本当にありがとうございました 。先生にお会い出来なかったら、ずっとTの気持ちに気づいてあげられず、取り返しのつかないことになっていたかもしれません。まだまだこれから大変だと思います。あと、何年かかるかわかりませんが、Tが“自分のボス”になって、自分に自信が持てるようになるまで、がんばります。また先生のお力をお借りすることがあると思いますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

 手紙などあまり書いたことのない私ですので、わかりづらい文章が多くあると思います。お忙しいのに、私の手紙を読んで頂きありがとうございました。私のように子育てに悩んでいたり、子どもの苦しみに気づかずにいる親たちはたくさんいると思います。うまく言えませんが、先生のお話をたくさんの方々に聞いてほしいと思いました。そうすれば、たくさん本当の意味で、「すてきな子ども、そして立派なおとな」になっていくように思えました。それでは、また、報告をします。

「歩いて帰ろう」

 1歳11ヶ月の息子は、歩くことをいやがり、よっぽど機嫌がよくないと歩いてくれません。ある日、思い切って外出先から、「さあ、歩いて帰ろう」と誘ってみることにしました。

 はたして、「いやだ、だっこ」が始まったので、道ばたでちょっと“抱っこ”、「もうお兄ちゃんだよね。自分の足で歩けるよね」。“抱っこ”からのがれたいばかりに「うん」と息子。「じゃ、歩いていこう」下ろすと、「いやだ、いやだ、おんぶ」。

 私と母と二人で息子の手を持って、泣いたまま息子を立たせながらも、息子が自分の足でイヤイヤができるようなゆとりを作った状態で、「歩こう」「いやだ」を繰り返しました。少し歩いても、すぐイカのようにぐにゃぐにゃ足になってしまうので、そこでまた“抱っこ”。「歩きたくないね。抱っこがいいよね。その気持ちを聞いてあげるよ。いっぱい泣いちゃおうね。でも、自分の足で歩こうね」。息子は大声を出して、体を突っ張らせて、本気で泣いて、私たちの気持ちを受け止めています。初めこそ、嘘の「うん」を繰り返していましたが、ようやく「いやだ・・・!」と、息子も本音を言い始めました。「お兄ちゃんになりたいね。もうすぐ2歳だものね。こんな立派な足があるもんね」「いやだ!いやだ!放してー!」の繰り返しの後、「じゃあ、赤ちゃんがいいのかな。やっぱり赤ちゃんのままかな」と言うと、ほんの少し口を閉ざして黙ったかと思うと、「赤ちゃん、ちがう・・・!」と叫びました。

 しばらく、「お兄ちゃん、いやだ」「赤ちゃん、ちがう」を繰り返していましたが、ここでお邪魔虫が入りました。場所が公園の入り口だったこともあって、そばを通りかかった親切な(?)おじさんが、「あんたたち、子どもをそんなに泣かせて何やってるの、かわいそうじゃない。雨も降ってきたし、早くおうちに帰りなさいよ」と言ってきました。「歩く練習をしているのです」と言いながらも、確かに小雨が降ってきたので、しかたなしにまた、二人で泣いている息子の手を持って歩き始めました。

 ところが今度は、わんわん泣いているにもかかわらず、足だけはすたすた歩いていくのです。「いやだ、いやだ」と泣きながらも、私たちの手を引っ張って行くといってもいいくらいの勢いなのです。時々イカになってしまうこともありましたが、その時は私たちも立ち止まって、地団太を踏むのを待っていてあげて、また歩き始めました。「本当はそのたびに“抱っこ”してあげればいいんだけど、しかたないから家に帰ってからゆっくり“抱っこ”してあげよう」と母に言われて、嘘でしょう!と笑い出したくなってしまうほど、凄いスピードで、家まで泣きながらも歩き通しました。途中一度、“抱っこ”をしてあげられなかったため吐いてしまいましたが、それでも足のスピードは衰えず、テテテテ・・・と歩いてしまいました。

 家へ着いてさっそく、「よく頑張ったね! 素晴らしいよ! やっぱりもうお兄さんなんだね!」と拍手喝采。大褒めの“抱っこ”をしました。そのときの息子のなんて得意そうな、誇らしげな顔! とってもすてきで、とっても凛々しくて、ますます(?)惚れなおしてしまいました(ちょっと危ない顔・・・)。

 それからの息子は、今までの「だっこ、だっこ」が嘘のように、自分の足で歩いています。歩くことだけではなく、あれ、と思う小さなことでも、お兄さんになったんだなあ、と思わせることが目につくようになりました。

 自分の足で歩く、ということはすごく象徴的なことのような気がしていたのですが、こうやって私のもとから少しずつ、おとなになっていくんだなあ、大きくなっていくんだなあ、ということを実感しました。もしかしたら、今までなかなか歩いてくれなかった(歩いたとしても自分勝手な方向や場所に行ってしまっていて)のは、実は私の心の中のどこかに、「まだ赤ちゃんでいて、お兄ちゃんにならないで、私だけの息子でいて」という気持ちがあって、それを感じて私のために、赤ちゃんとお兄ちゃんの真ん中に立ち止まってくれていたのかもしれません。私が一歩、子離れの階段を登るのを待っていてくれていたのかな、こうして今、二人でそれぞれの階段を登ったんだな、と確かな手応えを感じているのです。

「『真の母子』の抱っこができた」

 初めてメールします。私は8月で4歳になった男の子と1歳9ヶ月の女の子の母です。今日は相談ではなく、阿部先生にどうしてもお礼がしたくてメールしました。

 今年の6月からつい先日まで、上の子の反抗(かんしゃく、だだこね、夜泣き)に、すごく悩んでいたのです。どんな状況だったかは、メールにはとても書ききれません(一度トライしたのですが長くなったので、今回は省きます)。今月に入り本人が少し落ち着いてきたときに、先生の本「ダダこね育ちのすすめ」に出会いました。

 上の子の反抗が始まるまで自分で言うのは何ですが、明るく優しく元気な自慢の息子でしたし、子育ても楽しかったです。だけど、急に反抗が始まって以来、「いつ子育てって終わるんだろう。この子の将来はどうなるんだろう」と、この本に出会うまで自分に自信がありませんでした。

 この本を読んでいるうちに自分の体が軽くなったのがわかりました。涙がでてきました。夜中に読んでいたのですが、早く息子に私の気持ちを伝えたかった。朝,起きてすぐに「今まで辛かったね。よくがんばったね。ママあなたのこと、なかなかわかってあげられなくてごめんね」と、心から伝えました。すると息子は「ほんとは泣いているとき、ママに抱っこしてもらいたかったの」と、涙ぐんで答えてくれました。そのとき久しぶりに、「真の母子」の抱っこをさせてもらえました。

 それからです。びっくりするぐらい、明るい元気な優しい息子に戻ったのです。いや、私が一番変わったのが自分でわかります。叱る時も、嬉しいのです。叱る=この子に教えてあげられるチャンスだ!とか、思ったりしちゃうんです。母として自信を取り戻しました。子育てが楽しいです。こんな気持ちにさせてくれて、本当にありがとうございました。

 主人の両親と同居しているのですが、息子の反抗は家族中を良い方向に変えてくれました。どんな風にかは、これも長くなるのでやめておきますね・・・。

 この悩んだ時期にはいろんな本を読みました。どれも参考にはなるけれど、求めているものとは違いました。が、この本は私に「答え」をくれたのです。読んでいるときはもっと早く出会いたかったと思いましたが、今思うと、良いタイミングだった気がします。そして、今月の28日に家の近くの保健所で先生が講演を開かれることを新聞で知り、今日朝一番に予約しました。後で聞いた話だと50分で締めきりになったそうです。

 子育てが楽しいという気持ちを忘れないようにしたいですが、これからまだまだ壁にぶちあたると思います。先生のお話を聞いて、もっと成長したいと思います。講演会を楽しみにしております。

「上の子とうまくかみあわない」

〈第1信〉

 初めまして5歳の幼稚園年中の男の子と2歳の女の子の母親です。阿部先生の『成功する!しつけの技術』を読んで、いてもたってもいられなくなり思わずメールしました。

 5歳の息子は下の子が産まれる前から(小さな頃から甘えん坊、やんちゃ、独占欲の強い子)、特にわがままがひどくなり、気に入らないとたたく蹴る暴言をはくといった感じで、私も感情的に怒ってしまい最後はお互いが声を荒げていくとこまでいくといった感じになってしまします(産まれた時に大きな病気をして集中治療室にはいっていたということもあり親も神経質になっていた部分もあります)。

 私の方はというと自己嫌悪になり、その後は疲れがどっと押し寄せていつまでも引きずってしまいます。そしていつも疲れたママでため息か小言しか出ない毎日です。このままでは息子との関係ももっと悪くなるのでなんとかしなければと思うのですが、またくりかえしで……でも先生の本を読んでもっとぎゅっと抱っこしてあげればよかったなと反省しています。つい怒ってしまい、〔あっちいって、ママきらい、外いって、バカ〕といわれ抱っこする気になれなかったのです。そんな時こそもっと抱っこしてあげればよかったのにとはっとさせらせました。

 私自身の幼少期の家庭環境が影響しているように思います。父親はなにかにつけ口うるさく祖母は母親をことあるごとにいじめていました。ただ母親には愛情たっぷり育ててもらったのがせめてもの救いです。でも甘えたいときに母親は仕事に行っていてというより行かされていていつも寂しい思いをしていました。そんな経験をしていて息子には愛情たっぷり育てようとおもっているのに上手くかみあわないのです。

 先生のところにカウンセリングに行こうかと思いましたが遠いので、近くで信頼できる方がいらっしゃれば教えていただきたくメールしました


〈第2信〉

 阿部先生お返事いただき有り難うございました。先生のあたたかい言葉にどれだけ癒されたことか。有り難うございます。

 さっそく『魔法の子育てカウンセリング』を取り寄せて今読んでいるところです。ずっと子育てに悩んでいていろんな本を探していましたが、まさにこの本は私が探し求めていた本にようやく出合えたという感じで感謝しています。

 息子が3歳4ヶ月の時に妹が産まれました。私の妊娠中から(妊娠中に動脈瘤が下半身にできてずっと立ってると痛くなるので、あまり抱っこができなくなりました)、それもあってか妊娠中出産後と赤ちゃん返りがひどくなり、赤ちゃんにおっぱいをあげようとしたら泣き叫んで嫌がっていました。今では妹の事はかわいいと言っていますが……(よくちょっかいをかけては妹を泣かしていますが)。

 本を読んでいるうちに私自身に変化があって、息子にたいしてかわいいなあと思えるようになってきました。以前のように何回注意してもなかなか聞かなくて、声を荒げて怒ってお互いが怒りをぶつけていたのが少なくなりました。以前は一日一回はあったのですがそういえばまだ一回しかないような。ほんとびっくりしています。まだまだなくなったわけではないですが顔つきが優しくなったように感じます。

 今まで抱っこしてもなかなか身をゆだねる事ができないのか、うまく甘えられないのか、顔は笑っているのに逃げることがありました。最近は「大好き大事よ」といいながらぎゅとすると、体が固まっていたというか硬いのが、やわらかくなってきました。あとおっぱいをよくさわってきます(笑)。

 息子はひと一倍寂しがりやなのに強がりをいったり、先生がおっしゃるように表現下手甘え下手だと思います。素直に出せるようにアドバイス頂きたいので、○○市だと電車で通えなくない距離なので、○○市の先生をご紹介していただけるでしょうか。よろしくお願いいたします。

「『天心有情』*ドキドキ感想*ありがとう」

 阿部先生・芳子先生
 こんばんは。娘の抱っこ(担当はWさん)と、1月からのどきどきコースでお世話になっております。いよいよあと1回で“どきどき”が終了。既に続いての“わくわく”の申し込みをしました。

 娘の駄々こねとどんなに向き合おうとしても、頑張れないんですもん。自分を見つめて、前に進む道。娘とゆっくり大きくなろうって、頑張っているところです。

 天心2回目が終わり、少し経ちました。2回目終了から帰宅して、何となく頭をいじったらおでこに3cm大のこぶを発見。こんなに大きい出っ張り、洗顔や洗髪で気づかないはずがない!と言うほどの出っ張り!! すぐに皮膚科に行って数回通ったら、大病院を紹介されて来月摘出することになったんです。多分脂肪の塊。でも、腫瘍の恐れもあり・・・。

 見つけたときから、取らなくちゃいけないものっていう漠然とした覚悟があったので、全然怖くはないんです。自分の中の我慢していたのが全部ここに出たか~というくらい、突然で、私に訴えてきた感じ。「もう無理するの、嫌だよ~」って私の代わりに言っているみたい。来月に摘出です。それより、お手紙したかった内容は違う話なんですが。

 天心2回を終えて、今まで“理想ばかりを追い求めてきた自分”『こうあるべき!』『こうじゃなきゃダメ!』という思いで自分自身をいかにがんじがらめにしてきたか、を感じました。そうやって枠を狭めていると出来なかった時に生まれるのは「失敗」「挫折感」「諦め」「無用感」・・・そして「逆切れ」、そこで終わってしまっていた。だから“やる”か、“出来ない”(出来なかった)ことばかり積み重なる生活。

 天心のあと、ふとそれに気づけて、もし“こうなりたい”と考えることが出来たら、1度ダメでもそれは「失敗」「敗北」じゃなくて、「なんかやり方が間違ったかな」と言うふう考えて別の道を探せるんじゃないかなぁ、そうやって向き合えたらいいなぁ、って思えました。

 今までは(今もですが)、私は娘の失敗も許せなかった。ダダこねや大泣きをされるとイライラするし、カチンとくる。阿部先生の本を読んで素敵!と思うけど、「やらせてあげなくちゃ」「こうしなくちゃ」と頭で考えるのと、実際目の前で泣き喚く子を受け止められない自分。「ダメだ、また怒っちゃった」「こんな母親になりたかったわけじゃない」って、自己嫌悪に陥るだけで、そこで立ち止まってしまっていた。結局毎日同じ繰り返しだった。

 よくよく考えてみたら、そもそも阿部先生の本は『理想』と思う子どもとの向き合い方、言葉がいっぱいいっぱい詰まっているし、目からうろこの対応が溢れているけれど、自分の中に全くない方法だから、「え~と、こういうときは、なんて言ったらいいんだっけ???」と、途中で何度も頁を繰って戻ったり、自分には出来そうもなくて、途中で読みきれなくなってしまったりしていたのでした。

 そうかぁ、私は“ダダこねすること”“泣くこと(特に人前で)”はダメ、悪い事って教わって育ってきたんだった。興味を持ったとき、失敗する前に「危ない」「ダメダメ」って取り上げられて、育ってきたんだった。

 そういう背景に目が向けられたのは初めて。あぁ、そうだったんだ、それじゃあ無理だよ。って今は思う。でも、分かって終わりじゃなくて、“出来なくて仕方がなかったね”って自分でヨシヨシしてあげられたら、もっと先に進めるんじゃないか(今はまだ無理だけど)、という自分を信じる前向きな気持ちがフツフツ沸いて来ています。

 だから、「私、こんな風に育てて欲しくなかった」とか親を責める気持ちは通り越してる気がする。お陰で気づけたよ。これから自分の理想を見つけるよ、という前向きな気持ちです。気づけた自分。ヨシヨシも自分でしたい自分。このままでいたくない自分。これからの自分。まだまだ霧は晴れないけれど、先に進むのが楽しみな気持ち。天心や抱っこが1発解決!!じゃないことも、なんとなく分かった気持ち。

 今まで“人生は修行”という名言を聞くと、辛く苦しいイメージしか持てなかったけれど、違うんだ!!! すべては1日にしてならず。毎日1歩1歩、てことなのかな? ちょっと前向き、何となく生きる意味が分かった気がします。ワクワク *^ー^)* 答えを探し出せる自分を信じたい、前向きな気持ちが溢れてきました。明日には無理だけど、もう少し待っててね。

 可愛くて、大好きで、宝物の娘に、猫かわいがりではなくて、与えるべき良きものを判断できる母になりたいです。教育ママじゃなく・・・

 取り留めのないお話に最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。まだまだまだまだ先生の教えが必要な自分です。末永くよろしくお願いいたします。

天心とは、私たちが広めている自分育ての名称です。野口整体の創始者野口晴哉が、
「天心とは、大空がカラッと晴れて澄みきったような心だ。利害得失も毀誉褒貶(きよほうへん)もない。自分の為も、他人の為も無い。本来の心の状態そのままの心である」
「さまざまな知識や観念に縛られた心を解き放てば、「あっ、こういうことなんだ」とパッとわかるようになる、きわめてシンプルな智慧にポーンとたどりつくようになります」
などと語っていることから借用したものです。
参考・金井省蒼著『野口整体 病むことは力』(春秋社)


「抱っこ体験会に参加して」

 2月28日の抱っこ法体験会に参加させていただいた者です。その折は貴重な体験をありがとうございました。

 あの後、家族内でいろいろなことが起こり(祖父が病気で入院してしまったり、私も精密検査を受けたり・・)、バタバタと毎日を送り、特に私のことでは息子にもとても心配をかけてしまいました。でも“抱っこ”でなんとか支えあってます。(^_^)v

 体験会直後の私たち二人は、主人が驚いていたほどに落ち着いていたようです。声を荒げて怒ったり、息子が泣いたりしても“以前にはなかった余裕が二人共にある”と。私には言いませんでしたが、実は主人も息子の駄々コネに閉口気味だったらしく、私が抱っこして“よしよし”しているのを見てこっそり真似したら、息子と心が通じ合ったとまたまた驚いていました。

 正直言って体験会の時には、“ご機嫌よく遊んでいたのに抱っこしてわざわざ泣かさなくてもいいのに・・”と感じたりしました。でもそれはごまかしなんですね。ご機嫌よく遊んでいても息子の心の中には引っかかっていることがあったんですね。汗だくで泣いた後、帰りの電車では腕の中で熟睡していました。そして目覚めたときのすっきりした表情。笑顔が輝いていました。

 あの日のことを『特別な日の出来事』にしたくないので、すぐに怒りたくなる私の中の子ども心にも、「いい子いい子」しています。すこしずつですが自分自身のしてきたこと、していることを肯定して認めてやることにも慣れてきました。自己肯定感をまず私自身が身に付けようと私の心に訓練をしています。私という人間を認めてやっていいんだよ・・と心に覚えさせています。まだ今の私の状態は子育ての前に自分育てをしている段階です。人より遅れてるけどまずここからです。

 息子の笑顔、主人の笑顔、そして私自身の笑顔が本物になるように。おなかの底から心の奥から「わっはっは!」って笑い合えるように。「私は私でいい」「一生懸命やってきた」と、今までも何度も自分に言い聞かせました。でもだめでした。それが今回、他の人から認めてもらえたこと、「いいんだよ、大丈夫よ」と心から言ってもらえたことで何かが、私の心にとりついていた何かの欠片がポロリと落ちたように思います。嬉しいことです ありがとうございました。

 まだまだこれからです。家族内のいろんなことも未解決で山積みですが、さぁまた歩き出そう!ひとつづつ片付けるか!と元気な心でいます。

 何度もお電話くださって私の文章を素敵だといってくださったA様(体験会で私の駄々コネにもお付き合いくださいましたね)、「醜い部分もあなたの一部だけどほんのイボみたいなものよ。認めていい子いい子してあげて」と、勇気をくださったW様、参加する前にナーバスだった私にやさしいメールをくださった芳子さま、もちろん阿部先生、スタッフの皆様本当にありがとうございました。

 悩んだ日々があったから抱っこ法に出会え、体験したから光る笑顔に再び逢えたこと・・私も忘れたくない出来事です。

 お昼寝からおきた息子が昼ごはんを要求していますのでこのあたりで失礼致します。本当にありがとうございました。